目次

1.消費期限と賞味期限の違いは?

法令上の定義。
すべての期限表示は、この基準に基づいています。

■消費期限…品質が急速に劣化しやすい食品
定められた方法により保存した場合において、腐敗、変敗その他の品質の劣化に伴い安全性を欠くこととなるおそれがないと認められる期限を示す年月日をいう。

■賞味期限… その他の食品
定められた方法により保存した場合において、期待されるすべての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日をいう。ただし、当該期限を超えた場合であっても、これらの品質が保持されていることがあるものとする。
2.消費期限は食中毒予防のためにも守りたい
消費期限は腐りやすい食品につけられます。
消費期限は、品質が劣化しやすく、製造年月日を含めてだいたい5日以内に消費(食べる)すべき食品に表示されている。弁当、惣菜、調理パン、生菓子、食肉、生めんなどがその代表だ。

一方の賞味期限は、品質が劣化しにくい食品に表示されている。清涼飲料水、即席めん、冷凍食品、ハム・ソーセージ、牛乳、乳製品などである。

製造してから5日以内に食べたほうがいいものには、消費期限がつけられます。期限を守らないと食中毒を起こしてしまうこともあるので、表示にある指示に従ってください。 鶏卵の場合は生食の消費期限が表示されていて、 それを超えた場合は加熱調理してから食べるよう書かれているものもあります。
賞味期限はおいしく食べられる期間なので、 多少過ぎても安全性はそれほど心配ないものがあります。ただし、表示された保存状態を守ったときの期間なので、 保存状態が悪かったり、 封を開けてしまったものはそのかぎりではありません。


また、製造年月日は表示しなくてもよくなりまた。弁当など、複数つめたものの場合、加工日は最後の食品を入れた日付になります。 この場合、 先につくったものはいつつくられたのかが不明という問題があるためです。

加工日を表示してあるものもありますが、消費期限や賞味期限を鮮度の目安としてください。 ただ、 あまりにも賞味期限が長すぎるものは、 保存料や殺菌剤をたくさん使っている可能性があるので、 表示を確認し、 避けるべきか判断したほうが無難です。




「消費期限」は、短期間(概ね5日以内)に品質が劣化して「安全性を欠く=食べると危険になる」ような食品が対象です。
製造日から賞味期限までの「日持ち期間」が1日だけの食品と5日間の食品とでは、超過の許容日数は当然違います。

「賞味期限」は、それ以上の日持ちがする食品が対象です。「日持ち期間」が1週間程度の食品と、数か月とか1~2年以上も持つ保存食品とでは、期限超過の許容日数は大幅な違いがあります。

たとえば、製造日から6か月(180日)後の日付が賞味期限となっている場合、181日目に食べると危険ということではありません。そんな時計仕掛けのような品質コントロールは不可能です。

「賞味期限」は、たんに安全性だけでなく、味、香り、風味、色つや、水分、粘り・もろさ、硬さ・柔らかさ、舌触り・歯触り、その他、「期待されるすべての品質の保持」が可能な期間です。

作りたてに比べて味や香りが落ちたり、色あせたり黒ずんだり、湿気たり乾燥したりする
ことは、食べると危険ということではありません。

品質劣化の許容限度は人によって異なります。香りが少し落ちただけでも「食べるに値しない品質」として捨てる人もいれば、「腹を壊さなければ問題ない」としてかまわず食べる人もいます。
3.賞味期限を過ぎた食品は食べられない?
賞味期限と言うのはメーカーが美味しく食べられますという保障期間であり、余裕を持って設定してあります. 当然ものにもよりますが、1週間やそこいらは先ず問題ありません。

消費期限は、これ以上はいたむ可能性がありますので、食べないでくださいという期間ですから、これは慎重に臭い、色、味を調べてから食べます。これだって余裕を持って決めていますから、数日を過ぎたからといって、即廃棄する必要はありません。


最終的に賞味期限はひとつの目安です。結局は見た目と匂いで判断する場合も多いでしょう。
しかし、見た目と匂いだけでは難しい食材があります。例えば豆腐の見極めは難しいです。
匂いがOKでも味が酸っぱくなり、セーフと思って味噌汁とかに使うとせっかく作った味噌汁を捨てるはめになります。
そこで、生で食べられる食材は口に含んで味、風味を確認する方法もあります。
NGなら吐出してその食材は破棄、OKなら料理に使います。
缶詰めやレトルトも同じです、でも期限から一年位過ぎてたらさすがに諦めて捨てます。
ご存知かも知れませんが、肉(特に厚切りのステーキ用)は色が少し変わった位の「腐りかけ」が味も成熟し、しかも柔らかくなり一番うまいです。
キムチも同じです、賞味期限を設けていますが、期限後も酸味が増しますが食べられます。(キムチチャーハンとかチゲ鍋とか、火を通すと酸味が消え食べやすいです。




4.期限の設定
期限表示が定着するためには、食品に表示される「消費期限」や「賞味期限」の日付が適切に設定されなければなりません。

これらの日付の設定は、食品の特性や、製造時の衛生状態を把握している製造業者自身が行います。その際には、理化学試験、細菌試験、官能試験などを行い、科学的・合理的な根拠に基づいて期限が設定されます。

また製造者は、食品の期限表示について消費者から質問などがあった場合には、可能な範囲で説明して理解を深めてもらうようにすべきです。


なお、輸入食品等の場合は、基本的に輸入業者が期限の設定を行います。



(1)缶詰
賞味期限…3年
食べられる期間…10年


(2)即席めん
カップめんの賞味期限…5カ月
袋入りの賞味期限…6カ月
食べられる期間…1年


(3)生卵(生で食べられる期間)
賞味期限…14日
夏季…16日
春・秋季…25日
冬季…57日


(4)冷凍食品は?(マイナス18度で)
2~3カ月以内
ドアポケット 1~2カ月以内


(5)マヨネーズ、ドレッシング
1カ月以内


(6)カレーのルー




その他の賞味期限の目安 開封後の賞味期限の目安
 牛乳 7~10日 2日
 ハム 7~60日 2~3日
 ソーセージ 5~45日 2~3日
 豆腐 4~7日 1日
 油揚げ 4~5日 1日
 納豆 7~10日
 うどん(乾) 1年 1週間
 うどん(生) 3~4日
 そうめん(乾) 2年 1週間
 シリアル 9~12ヶ月 2週間
 梅干し 3~5年 1~2年
 キムチ 10~20日 1週間


5.食品の製造年月日はなぜ消えた?
世界貿易機関(WTO)体制になって、日本ではもともと、食品には「製造年月日」が表示されていました。1947年制定の食品衛生法に基づき、JASで定められていました。現在のように製造年月日ではなく「期限表示」に移行したのは、自由貿易促進を主たる目的として作られた国際機関、世界貿易機関(WTO)体制になった1995年からです。原因はアメリカの圧力です。

日本に輸出する食品に製造日を表示すると、「輸送日数などの関係で日付が古くなり、消費者へのイメージが悪くなり、貿易障害だ」と主張し、「期限表示にせよ」と要求した結果です。日本の大手食品企業も同調しました。現行制度では、「賞味期限」「消費期限」の表示が義務づけられています。しかし、これらの期限表示は客観的な裏付けはなく、個々の業者がそれぞれ自分で判断して決めています。

製造日の表示は、自主的に表示されている場合を除き、消費者が知ることはできません。期限表示は、製造日のような客観的裏づけで確認できるものではないため不正表示の温床になりやすく、採卵が6か月も前の鶏卵を「賞味期限」内として販売した京都府の事件(2004年)も発生しています。安全な食品を選択する消費者の権利を保障するためにも、期限表示の問題点をただし、製造日表示を義務づけることが必要です。

製造年月日を表示する義務がなくなったため、期限表示が正しいかどうかは、誰にもわからなくなってしまった。期限表示はほとんどが自動的に印字(印刷)されるので、製造現場の担当者は、期限の設定が正しいかどうかはもちろん、期限の設定が製造日より何日後になっているのかさえ知らないことがある。

また、期限の設定をした者も、商品に製造年月日が印字(印刷)されていないので、いったん工場から出た商品、あるいは売り場に出た商品は、期限の表示が正しいのかどうかは、まったくわからない。

消費期限が製造年月日を含めてだいたい5日以内と決められているように、期限表示は製造年月日から起算して設定される。

また、製造年月日を印刷しなくてもよいので、消費期限や賞味期限は、遅らせれば遅らせただけ新鮮だと思わせることができる。しかも期限の設定は、設定する者の主観的な判断に任されているといっても過言ではなく、行政に報告する義務も責任もない。

さらに消費期限の場合は、期限切れの商品を販売(陳列)することすらできないので、どうしても期限の日付をできるだけ遅らせて新鮮さを強調し、1日でも長く売り場に陳列しようとする。

日本の場合、食中毒になってもその原因が特定されることはほとんどない。集団食中毒でも原因が特定できないことがあるのに、家庭内食中毒で原因となった食品を特定できるはずがない。これではまさに「やられ損」だ。しかも、日本の伝統的な「泣き寝入り文化」は今も変わっていない。

結局、「自分や家族は自分で守るしかない」のが現状だ。さて、賞味期限のほうは、「おいしく食べられる期限」ということで、期限が切れても食べることはできる。ただし、いつまで食べられるかはわからない。しかも、一度開封したものは賞味期限を保証されない。

そんなときに頼りになるのが「五感」だ。「見て、嗅いで、舐めて、触って、あるいはちょっと叩いて音を聞く」。それでも不安なら少し食べてみるしかないが、販売すら許可されていない消費期限切れの食品を食べても、誰も責任をとってはくれない。食中毒になるのを承知で食べたようなものだ。
賞味期限切れの食品は五感と相談して判断すればよいが、消費期限切れの食品は食べるべきではない。
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