目次

食品の異物混入防止と健康への関わり
1.食品中の異物と苦情
食品中の異物といえば、飲食店や家庭の料理・お菓子・惣菜等加工食品から見出される。髪の毛や虫、砂利等、誰もがなにがしか思いあたるほど一般的なものである。

また、それらの異物は発見されればそれが物的証拠品となり、その後食品提供者側の対応が悪ければトラブルに発展しやすい。また、消費者は食品提供者側に不潔なイメージを抱いてしまうことがある。さらに不快体験という事実は簡単には忘れえぬものである。

健康との関わりでいえば、食品中の異物が直接に健康被害につながる場合はあまり多くはない。それらの多くが事前に人の目に触れ、あるいは口の中で感じられて未然に被害を防ぎうるからだが、だからといって一過性の不快物としてとらえることはできない。異物の混入は衛生の基本的な管理が見逃されていることであり、重大な事実が隠されていることでもある。

食品衛生上の異物
異物の定義
食品衛生上では異物についての定義はない。異物とは 「目的とする製品の内容とは異なる有形の外来物」 といえよう。異物になるかどうかはその時、その場で異なる。

たとえば、ヨーグルトにエンドウ豆が混入していたとすると、製造上それを作ろうと意図しない場合は異物で、意図する場合は異物とはならない。ミネラルウォーターに水カビの菌糸塊が浮遊していたとすれば、意図しないものとして異物となる。

異物の法規制
食品衛生法第6条「不潔・異物の混入または添加その他の事由により人の健康を損なうところがあるもの」 に不衛生または有害性食品としての販売禁止事項がある。
多くが衛生管理上のミス、つまり不衛生な取り扱いがあったとみなされ、行政処分の対象につながる。つまり、対象食品の原材料・製造・保管・流通の過程で、その衛生管理が不十分であることを示し、食品の安全性・健全性・完全性の欠落を示すものである。

2.異物と健康との関わり
衛生上問題とされるのは動物や昆虫由来の異物である。動物はさまざまな疾病を繰り返し、それらが人書共通感染症や寄生虫症、アレルギーの原因となる場合がある。

それらの動物には鼠・鳥・犬・描等が該当する。 また、ハエ類、ゴキブリ等昆虫には動物の死骸や腐敗したもの、ゴミ、糞便等を餌にしている種類がいることから、感染症等を媒介するおそれがあるとし、それらに係わる異物は不衛生食品となりうる。

異物混入の防止
原材料・製造・保管・流通の過程、特に製造工程の衛生管理では、鼠族・昆虫・埃等が入らないよう施設を整え、原料のチェツクを徹底する。また機械・器物等から異物が入らないよう創意工夫し、留意点を日常点検する。食品衛生法上の施設基準の遵守、衛生の基本 (整理,整頓、清掃、清潔、習慣) 教育等をしっかり行う。これらのことは、食品を取り扱う初歩的事項である。



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