目次

1.健康食品とは健康を補助する商品の総称
健康食品とは何かというと、昭和63年の厚生省(現厚生労働省)の『健康食品の表示等に関する指針』では、「栄養成分を補給し、または特別の保健の用途に適するものとして販売の用に供する食品」とされています。さらに、その食品のうち「錠剤、カプセル等の通常の食品形態でないもの」を栄養補助食品ということが平成12年の『栄養補助食品の取扱いに関する検討会』で報告されています。

いずれにしても、ふだん食べている食品の形態や摂取法を変え、もとの食品より多少とも何らかの効果が期待できるようにした商品を総称して健康食品と呼んでいるわけです。
平たくは、日常の食事に食材として使う食品と医薬品の間に位置するものと考えてよいかもしれません。

しかし、実際のところ、どこからどこまでの食品が健康食品という明確な線引きはありません。
健康食品は、健康効果が認められている食品をベースに、その中に含まれている有効成分の効果を強調したものが多いのですが、天然抽出成分や発酵物、特定の国、地域で民間薬として伝承されている植物や動物、漢方生薬の一部なども健康食品として扱われています。
最近よく耳にする「栄養機能食品」「特定保健用食品」も、広い意味で健康食品の一つととらえられます。


誇大な宣伝文旬に翻弄されないように注意
定義はともあれ、健康食品の利用に当たって注意しなければならないのは、「万病に効く秘薬」「がんが治った」などといつた宣伝文句に振り回されないことです。
健康食品は、医薬品ではありません。そのため、販売に際し、効果をうたうことは法律で禁じられています。健康食品を扱う業者がときどき摘発されるのは、科学的に十分解明されていない食品を、あたかも医薬品のように売るからです。
業者が一方的に流す都合のよい情報をうのみにせず、誇大な広告はまず疑ってみるべきでしょう。


2.知っておきたい購入時のポイント
表示をよく確かめて自分に合ったものを
ちまたに氾濫している健康食品。どれをどう選べばよいか、迷うところです。
購入の際は、次のような点をチェックし、自分に合ったものを選びましょう。


認定マーク
厚生労働省あるいは各種団体が、それぞれの審査をパスした商品に、認定マークの表示を許可しています。
もちろん、規格基準のない種類もありますが、マークがついていれば、まず安心と考えられます。


形状
乾燥品、粉末、顆粒、錠剤、ハードカプセル、ソフトカプセル、液剤などのほか、最近は水なしでかみ砕いて食べられるラムネ菓子感覚のチュアブル(咀嚼タイプ)も増えています。
まだ種類は限られますが、どこでも手軽に栄養を補給したいという人は、チュアブルがよいかもしれません。


種類
生命維持に必要不可欠の基本的栄養素を含むもの、からだにさまざまな働きかけをする機能性成分を含むもの、古来より伝承されてきた天然抽出物由来のもの、自然療法として注目されているハーブを原料にしたもの、特定のからだの悩みに焦点を絞ったものなど、さまざまな種類があります。
また、栄養補助食品(フード・サプリメント)として市販されているものには、単独の栄養素・成分だけを含む「単一型」、いっしょに摂取するとより大きな効果が得られる数種の栄養素・成分を配合した「複合型」、不足しがちな栄養素・成分をバランスよくまとめて補えるようにした「総合型(マルチタイプ)」の3種類があります。
目的に合った機能を持つもの、利用しやすいものを選ぶとよいでしょう


原材料・成分
同じビタミン剤でも、天然成分のもの、化学合成品のものとさまざまです。購入前にパッケージで原材料名、主要成分を確かめる習慣をつけたいものです。
特に食品アレルギーのある人は、チェックを怠らないようにし、原材料、成分として該当するものが含まれている製品は避けてください。


含量
健康食品では、特に品質や含量についての規定はなく、含量表示の義務もありません。そのため、なかには有効成分が微量しか含まれていない悪質なものもあります。含量が確認できる製品がよいでしょう。
なお、医薬品として売られているビタミン剤やミネラル剤などは、原料の品質規格と含量が規定されており、用法、効果・効用などとともに、1錠あるいは1包中の成分含量が必ず表示されています。


価格
健康食品の先進国である欧米では、一般食品並みに無理なく購入できる価格設定となっています。その点、日本はまだまだ後進国。健康になりたいという消費者のニーズにつけ込んで、不当に高い価格をつけている健康食品もときに見受けられます。安かろう悪かろう(含量が少ないなど)では困りますが、健康食品は日々続けて利用することによって効果が得られるものです。
適正価格がどこにあるかは難しいところですが、信頼のおける店で購入したり、名の通ったメーカー品を購入するのが安心と思われます。



3.利用時のポイント
表示を読んで安全に効率よく摂取を手軽に利用できるというのが、健康食品の何よりの魅力です。昨今は、専門店まで足を運ばなくても、コンビニエンスストアなどでも簡単に入手できるようになっています。品質には各メーカーともかなり気を配っていますから、安全性についてはそれほど神経質になることはないと思いますが、より安心して利用するためには、次のような点に注意が必要です。


摂取量
健康食品はクスリではなく、食品ですから、基本的に摂取量の制限はありません。ただし、なかには、大量にとると過剰症が心配されるものもあります。過剰症はなくても、必要量以外は排泄され、多量にとった分だけむだになってしまうものもあります。
最近は、目安量を示した健康食品が増えています。表記された分量を目安に摂取するのが、安心で効率のよい摂取法といえるでしょう。

なお、以下のビタミンについては、1日の摂取量を制限して用いられています。
●ビタミンB6……3mg以下
●ビタミンB12……3ug以下
●ビタミンK……120ug以下
●パントテン酸……6mg以下
●ビオチン……45ug以下
●葉酸……300ug以下
※ 1mgは1gの1000分の1。1ug(マイクログラム) は1mgの1000分の1に相当。


摂取法
医薬品と違い、食前、食間、食後といった服用(摂取)時間は特に定められていないのが普通です。基本的にはいつとってもかまいません。
「食後にとるのが効果的」などと記してある製品でなければ、目安量を1日1回、あるいは数回に分けてとるとよいでしょう。
また、食物と同じように多少の食べ合わせ(とり合わせ)は考えられますが、健康食品は食品ですから、基本的には複数を組み合わせてとっても問題ありません。


保存法
直射日光と高温多湿を避け、衛生的な環境で保存します。乳幼児の手の届かないところに置いておくことも大切です。
冷蔵庫、冷凍庫は、格好の保存場所といえるでしょう。開封後は、開封口をしっかりと閉めるようにします。


注意
*健康食品は、一朝一夕に効果が得られるものではありません。ある程度の期間、続けてとり続けることが必要です。
*健康食品の中には、かなり濃縮されたものもあります。また、個人個人の体質やそのときの体調によって、合う、合わないもあります。摂取後に発疹、胃部不快感、おなかがはる、おなかがゆるくなる、生理が早くくるといった症状が現れた場合は、中止あるいは量を減らして様子をみてください。なお、ビタミンB2を含む健康食品では、尿の色が黄色くなることがありますが、これは一時的なもので、心配ありません。
*薬を服用中の人、通院中の人、妊娠・授乳中の人、乳幼児は、医師や薬剤師と相談の上利用してください

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