目次




肉の注意点
肉肉の不安といえば、まず抗菌性物質。

合成抗菌剤と抗生物質とがあり、家畜の病気感染を防ぐなどの目的で飼料に混ぜたり、注射したりします。

これまで日本では、抗菌性物質の残留はゼロでなければならなかったのですが、アメリカ産牛、カナダやオーストラリア産牛、アジア各国産の鶏加工肉など輸入肉が出回るようになり、97年にはホルモン剤も含む11品目の動物用医薬品の残留基準値が設定されました。

つまり「これだけなら残留してもよい」ということになったわけです。

残留しやすいのは、肉の中でも脂肪の部分。不安点はアレルギーを起こしたり薬剤耐性菌が繁殖することです。

なお、ホルモン剤といえば女性ホルモンです。雄牛の肉を雌牛なみに柔らかく仕上げるために、耳のつけ根のあたりに埋めこみます。特に乳牛(ホルスタイン)種の雄牛によく使われています。

ところで、体内であたかも女性ホルモンのようにふるまう化学物質がいわゆる環境ホルモンなのですが、その意味でこの女性ホルモン剤の残留にも同様の不安があるのです。

次に農薬残留についてですが、BHCやDDTなど環境ホルモンのおそれがある有機塩素系農薬は、かなり前に使用禁止になっています。けれどもなかなか分解しないため、今でも土壌に残ったものが飼料を汚染している可能性があるのです。肉の中でも脂肪に残留しやすいため要注意です。

最後に環境ホルモンの中でも毒性の高いダイオキシンですが、国産の肉の場合はダイオキシン不安の少ない穀類の配合飼料で飼育されているため、今の時点ではダイオキシン汚染は低レベルのようです。

いずれにしても、こうした物質の残留不安を避けるには、覚えておくべき基本があります。まず、残留の心配が大きいのは脂肪や内臓部分。

そこで、脂身の少ない肉を選んだり、脂身の部分を切り取ったりします。ラードやヘット(牛脂)などを料理に使うことはあまりすすめられません

次に、不安物質はしょうゆなどの下味液に溶けだしたり、茹でればお湯の中に溶けだしてくれます。また、アクをとることでも減らせます。

だから、こうした下ごしらえで防衛可能な料理ならふつうの並肉を使ってもOK。ステーキのようにそのまま焼いて使う場合は国内産の銘柄肉など、より安心なものを使うほうがよいのです。



ココが良くない

食肉を育てる畜産は、より多くの家畜をより早く大きく育てる効率優先で行われています。

そのため、家畜は大規模な施設で密集して飼育されていて、非常に病気にかかりやすく、1頭が病気になるとたちまち全体に広がります。これを防ぐために、家畜には杭生物質を加えた配合飼料が与えられています。配合飼料には、成長を促すホルモン剤も混ぜられています。

これらの医薬品は、私たちが食べる肉にも残留している恐れがあります。とくに抗生物質は、アレルギーを引き起こす原因となったり、抗菌物質が含まれる食物を摂り続けると、杭生物質が効かない耐性菌が生まれる危険性もあります。

ホルモン剤は、雄牛の肉を雌牛のようにやわらかくするために使われますが、これが人体に入ると、本来のホルモンバランスが崩れてしまいます。とくに女性はガンになる危険性が高まり、女の子は第二次性徴を促進させる恐れがあります。プエルトリコやフランスで、ホルモン剤による人体被害が起きたこともあり、 EUではホルモン剤の使用が禁止されているのです。

配合飼料の材料となる殼物は、輸入されたものがほとんどで、農薬やポストハーベストの残留が心配されます。また、遺伝子組み換え殼物が使われている可能性もあります。

あまり大きく報道されなくなってきましたが、牛肉にはまだまだBSEのリスクがあります。とくに、安全とされているアメリカ産の牛肉は、BSEの検査体制が整っていないため、まったく安全とはいえません。合成ホルモン剤も検出されており、実は安全性に大いに疑問がある肉です。

多くの偽装事件からも明らかになったように、肉は生産現場だけでなく、流通にも多くの間題を抱えています。

解決方法
肉のよしあしを目で見分けるのはかなり困難です。発色剤やニコチン酸アミドなどの添加物に加え、照明やラップを使って赤味を鮮やかに見せようとしているものもあるからです。

鶏肉なら地鶏、豚肉ならSPF豚(特定病原菌不在種)が比較的、抗生物質や成長ホルモンの使用量が少ないと考えられます。通販、共同購入などを通して、信頼できるポリシーをもった書産農家と一対一の関係をつくるのも、安全への近道です。牛肉についても輸入のものならアメリカ産よりはオーストラリアを選びましょう。

スーパーなどで買う場合に参考になるのは、売られている肉について、生産者までさかのぼって管理するトレーサビリティシステムです。どうやって育てられたかといった情報が開示されるため、抗生物質や成長ホルモンを使っているかなどをその場で確認することができます。

表示例1
名称 国産 牛もも肉
個体識別番号 1234567890
内容量 200g
価格 1280円
加工日 13.09.01
消費期限 13.09.04
保存方法 10度以下で保存
販売者 株式会社○○
住所
電話番号
⇔国産か輸入ははっきり表示される
⇔個体識別番号
すべての牛に対して番号がつけられて管理されるようになりました。複数の牛が混合した場合は表示されません。










安全で美味しい豚肉の見極め方
スーパーなどの店頭で売られている豚肉で、安全で美味しい豚肉を見極める方法はあるのか。

「安全性は、見ただけではわかりませんが、美味しい肉は鮮やかなピンク色をしている。


また『豚は脂の味がポイント』とよく言われます。ですから、白くて硬い脂がのっているものは味もよいでしょう。
また、「美味しい肉は、安全性も高いはず」
味のよい豚肉は、よい環境で育てられた豚ですから、安全性も高いはずです。まずい肉と『焼肉のタレ』を買うくらいなら、多少価格が高くても、タレをつけなくても食べられるような美味しい豚肉を買ったほうが安全性も高まります。

味を見極める方法は、いろいろなスーパーで豚肉を買って、どこの店のものが美味しいか、自分の舌で確かめてみることも必要だと思います。

最後に、忘れてはならないのは、豚肉をよく焼いて食べること。豚肉はよく火を通して食べるというのは、昔からの常識でした。ところが、今の人は、常識を知らなすぎる。マスコミも、美味しい料理を出す店やメニューなどを紹介する番組が多いわりには、食べ方の基本的な情報をとりあげる機会が少ない。

まずは、豚の内臓はできるだけ食べない。食べる場合はよく焼く。肉の部分は、E型肝炎感染の危険性はないとはいえ、やはりきちんと焼いたり煮込むようにする。そして、環境のよい場所で育てられた良質の豚肉を選んで買うように心がける。

食肉の安全性は「牛丼をやめて豚丼にしたから安心」と言えるほど、簡単なものではないのである。

質のよい豚肉の選び方
①色は、ややグレーがかったピンク色のもの。みずみずしく、ツヤと粘りがあり、切り回はなめらかなもの。
②脂肪は乳白色で、赤身と脂肪の境がはっきりしているもの。バラ肉の場合には、脂肪と肉の層が薄く、交互にはっきり重なっているものを選ぶ。
③日本SPF豚協会の認定マークである、SPFシールの貼られているもの。SPF豚とは、畜合の環境から飼料にいたるまで飼育方法を厳しく規定され、徹底した衛生管理のもとに生産された豚であることを証明したもの。流行性肺炎や、赤痢などの病気にかかる恐れが少ない健康な豚である。そのため、病気予防の抗生物質投与を必要としない。
④用途に応じて部位を指定し、かたまりで買うのも、質のよい豚肉を手に入れるひとつの方法。

〈要注意の豚肉〉
①灰色の強すぎるものは鮮度が落ちている。脂肪は、黄みを帯びているものは肉質が落ちる。
②赤褐色の豚肉は、かたく味がよくないと一般的に言われている。ただし、肩肉や外もも肉はもともと赤みの強い部分なので、一概には言えない。




ハム・ウインナー・ベーコン・ソーセージ

ココが良くない

ハムやウインナー、ベーコン、コンビーフなどの肉の加工品には、見た目をよくしたり、保存期間を長くするために、体によくない食品添加物がたくさん使用されています。

原材料となる肉も、質の悪いものが使われていることがあります。とくに肉をミンチにしてしまうウインナーやコンビーフには、国産と偽って輪入品や病気にかかった家畜の肉を殺菌処理して使っている可能性もあります。

2002年6月には、食肉加工の大手企業であった林兼産業が、「国内産豚肉使用」と表示した生協向けのハム、ソーセージに米国産などの豚肉を使用し、添加物であるリン酸塩を表示せずに加えていたことが明らかになるという事件が起きています。

家畜のエサとなる配合飼料には、 早く大きく育てるためのホルモン剤や、 よくない環境の畜舎で病気にならないようにするために抗生物質を混ぜることも多く、 これらが肉にそのまま残っている恐れがあります。
また安いロースハムのなかには、水分を注射針で注入し、実際の1.5~1.8倍程度まで重さを増やしたいわゆる「プリンハム」と呼ばれるものがあります。

解決方法

原料である肉の生産者が明らかで、 添加物を使用していない商品を購入するのがいちばんです。
食品の安全性への意識が高くなって、添加物を使っていない、あるいは使用を抑えた製品もずいぶん店頭に並ぶようになりました。スーパーなどで買い物をするときは、危険な添加物を覚えておいて、それらが使われていないものを選ぶようにしましょう。

表示例1:ソーセージ
名称 無塩せきソーセージ
原材料名 豚肉(国産黒豚肉100%使用)、
食塩、こしょう、天然羊腸
内容量 100g
賞味期限 平成25年9月15日
保存方法 10度以下で保存
製造者 株式会社○○
住所


⇔原材料の産地が明記されているので安心
⇔酸化防止剤、香辛料、発色剤などが一切使われていない









「肉」で見分ける「よい店」
牛肉・豚肉・鶏肉のすべてについていえることですが、まず「ブランド肉」の表示があまり目立つような店はだめです。「ブランド肉」というのは、牛肉でいえば「黒毛和牛」「和牛」、豚肉でいえば「黒豚」などの表示、鶏肉でいえ ば、「地鶏」ほかの銘柄鶏のことです。 少なくとも、それらの「ブランド肉」と同じくらい、通常の国産肉、輸入肉が並べられている店の方が安心でしょう。


紛らわしい表示にだまされるな
私たちの食生活は、ここ十年ほどで大きく様変わりしている。毎日の食卓を見ても揚げ物やハンバーグなど、なんらかの肉料理が並ぶことが多くなり、日本人が食べる肉の量は年々増え続けている。

しかし、その食肉のもととなる家畜の飼育も近代的な畜産の工業化の波で、急速に経営規模が拡大され、結果として経済性や効率性を優先しすぎて、食肉の安全性への不安という新たな問題が巻き起こっている。

とくに輸入肉の場合、欧州を中心に狂牛病や口蹄疫など家畜を蝕む伝染病の流行や、抗菌性物質(合成抗菌剤、抗生物質)、ホルモン剤の投与など数多くの問題が浮上してきている。

一番問題視されているのが、雄牛を雌牛のようにやわらかく脂ののった牛肉にするために、危険性の高い女性ホルモン剤などの薬剤を飼料に混入させているケースである。これらの薬剤が残留した肉を食べると、子官系の病など女児の第二次性徴期の異常が報告されているからだ。

国産牛のなかにもホルスタインなどの乳牛種の雄を去勢し、肉をやわらかくするために、女性ホルモン剤を投与している事実があり、さらに飼料の稲やワラに残留農薬が検出されることもある。とくに有機塩素系農薬は残留性が高く、これを食べた牛は肉の脂肪部分に農薬成分が残留する可能性が高いのだ。
豚の場合、狭い場所で飼育されるため、ストレスが溜まりやすく病気になりやすい。
そのため、抗ストレス効果剤や抗菌性物質、肥育促進効果薬剤などを飼料に混ぜることが多い。

鶏もブロイラー方式の飼育で抗生物質、抗菌性物質、ワクチンなどを飼料に添加するケースが多く、これらは内臓や内部分に残留しやすく、アレルギーを引き起こす原因にもあげられている。このような有害物質の汚染から身を守るためにも、私たちは普段の食生活において、なるべく安全な食肉を見極めて買う必要があるだろう。


農林水産省が2000年に「生鮮食品品質表示基準」を制定、その後も04年には一部が改正されるなどして、食肉もパッケージに生産地、部位、用途などが表示されるようになり、消費者もずいぶん選びやすくなった。

しかし、意図的に紛らわしい書き方をして、消費者を惑わす表示をしている例がまだまだ多いと言える。たとえば『和牛』表示。現在、『和牛』と認められているのは黒毛和種、褐色和種、日本短角種、無角和種の4種類のみ。もともとが食肉用に飼育されていて品質がよいのが特徴だ。だから、国内産地名が明記されていても、『和牛』表示がない場合は、ほとんどが国産の乳牛であり、この四種類とは品質がかなり違うと考えた方がよいだろう。

豚肉で『黒豚』と認められているのはバークシャー種の純粋種だけ。この種の豚は子豚を生む頭数が少なく、飼育に時間がかかり育てにくい。しかし、そのかわり美味しく、安全性も高い肉になっているのだ。以前は黒豚の血筋を引いていれば、雑種の白い豚でも『黒豚』表示ができて、実に曖昧なものだった。

しかし、これが問題になり、99年9月に農水省は『黒豚』と表示してよいのはバークシャー種の純粋種に限るという改正「食肉小売品質表示基準」を施行した。このことで、『黒豚』と表示された肉は市場から激減したが、まだまだ疑わしき『黒豚』表示が見られ、販売店のモラルが問われている。

最近、『黒豚』とともに市場で人気の『SPF豚』は正式には特定病原菌不在豚と呼ばれており、厳重な隔離のもとで、餌も熱処理をして滅菌したものを与えるなど、徹底した衛生管理をして育てられた豚のことをいう。このため、病気予防の抗菌性物質を使っていないので安全性が高いようだ。

鶏肉の場合も、正真正銘の『地鶏肉』は鶏肉生産量の約2パーセントにすぎないはずなのに、スーパーを見回すと『地鶏肉』と明記されたものが多いのに驚かされる。

地鶏は99年の「地鶏肉の日本農林規格」の制定や、〇〇年の「特定JAS規格」の認定などが実施されても「地鶏の定義」はわかりにくいままだ。地鶏は在来種由来の血液百分率が50パーセント以上のものであって、出生の証明ができるものに限られており、特定JASマークの認定を受けたものしか、正式には地鶏とは呼べない。徳島県の「阿波尾鶏」や和歌山県の「紀州鶏」など05年の段階で38種の地鶏が認定を受けている。

しかし、代表的な地鶏である「名古屋コーチン」や「軍鶏」、「比内鶏」、「薩摩鶏」などはJAS認定を受けていない。もちろんJAS規格の基準はクリアしているものの、役所に迎合してまで認定を受ける気はないということだろう。
さらに『地鶏』と紛らわしい『銘柄鶏(特産鶏)』が多く出回っているが、これは血統というよりも飼養方法を工大したもので、ブロイラーや赤鶏を飼育日数を延ばしたり、特定の飼料を使って育てたもの。普通の国産鶏より安全で味はよいが、品質は地鶏より落ちる。



このページを見た人は、こんなページも一緒に読まれています!