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産地偽装、期限切れ食品の加工食品への使用、事故米の食品への転用、中国産食品および原材料のメラミン・残留農薬問題といった食の安全・安心を揺るがす問題が多発し、消費者の食品に対する不信感は強まるばかりです。このような消費者の不信感は食品業界への不信につながり、国の対策にも疑問をいだきます。

食品偽造が最近は特に問題になっています。こういう事件が起きる主な原因として考えられるのは、食品企業のモラルの低下、「ごまかし」に対する罪の意識のなさ、行政の業界保護姿勢や隠ぺい体質、消費者運動の高齢化によるチェック機能の低下、消費者のブランド志向などがあるものと思われます。

また、無認可の添加物が使用された、というような事件の背後には、原材料に使われている添加物には物質名の表示義務がない、という事情があります。 いわゆるキャリーオーバー(持ち込み添加物)の抜け道が原因だとも考えられます。 さらに、残留農薬の検査にも抜け道があります。

食品衛生法上の輸入検査の対象となるのは、残量基準のある生鮮野菜のみだったのです。したがって、下ゆでした冷凍食品などは加工食品扱いとなり、基準が存在しなかったのです。

加えて、増加する輸入食品に検査体制が追いつけなかったこと、また、食品衛生上の現行法では、問題があった食品の国内流通を止めることはできても、特定品を包括的に輸入禁止にできない法の不備があつたという事情もあります。

企業秘密の壁という問題もあります。たとえば香料などは、成分を分析して割り出そうにも検査の方法がなく、香料会社が食品メーカーに渡す成分表に虚偽があれば、食品メーカーにはこれを見抜く手段がありません。 また、香料をはじめ、酸味料、イーストフードや乳化剤などの一四種は、それぞれの物質名を書かずに一括名表示することが認められているのも問題ですので注意が必要です。

このような問題から食品産地表示が義務化され、以前は生鮮食品だけだったのが現在は加工食品にと追加され、表示の誤りが命取りになるので正しい産地表示が必要になりました。

消費者にとってはありがたいことは間違いありません!そうなってくると、チェック体制も大切になります。
産地判別技術が高度化したことにより、自社での理化学分析により原材料が正しいかどうかのチェックが行われるようにもなりました。

産地判別方法とは
代表的な理化学分析による産地判別技術として、まずDNAによる判別法があり、これは信頼性が高い一方、(品)種が同じ場合には判別が困難という欠点があります。次に含有成分濃度・組成による判別法があり、これはさらに、元素組成による判別と、同位体比による判別に分けられます。

偽装原因
価格差を利用し不正に利益を得ようとする(例:中国産のものを日本産と表示する)
不安定な流通の商品の流通の安定化のため(製品:農畜水産物 中国産→日本産 外国産→日本産まれに日本産→外国産)
在庫処理のため

産地偽装への対策
産地偽装に対して、国は市場での立ち入り調査を行うとともに各種判別技術を用いた検査をもとにしています。同時に、ブランド維持のため各都道府県において、産地表示の公正化が図られています。

産地判別検査
牛肉、豚肉、あさりなど、市場におけるサンプル調査

表示方法の適正化指導
米、真珠など内容物に産地のものが少量しかないのに、その産地で生産された物のように見せかける行為に対し て、産地判別検査を含め、指導、適正化

地域ブランド化による産地の固定化
生産から出荷までの工程にルールを設け、県などの地方自治体、漁協、農協などの各種団 体の監視のもとに生産された物に対して、証明書を発行
このように多くの対策が取られているのですが、偽装は後を絶たないのが現状にあります。食品に貼られたラベルが信用できるかどうかを判断するには、生産現場まで確実にたどれる仕組みが求められます。
今は産地から消費者までの間、だれがどのようにそのラベルの内容を保証しているかは不透明です。


確かな消費者の目と舌が必要
ニセ表示の根底にある原因は、消費者の味覚の低下も指摘されています。
「食べる人が自分の味覚を信じられないかい、ブランドとか新米ラベルに頼らなきゃならない。つまり、『魚沼産コシヒカリ』と袋に書いてなければ美味しい米だと思えないところに問題がある」
米販売の表示については、消費者問題研究所代表。表示アドバイザーも、いまだに不正表示が横行していると話す。

ニセの『魚沼産コシヒカリ』が市場で安く売られているために、手間ヒマかけてコストのかかる本物を作っている農家が困っているという話を聞きます。
流通の段階で勝手に『あきたこまち』や『コシヒカリ』と書いてある袋を印刷し、無名の米をその中に入れて売っているケースも多発して問題になっています。
ですから新米についても、ウソの表示をするのが当たり前と言えるでしょう。とにかく、行政がなんらかの方法でチェックすること。米に関するニセ表示の解決法はそれしかないと思います。

だが、行政がチェック機関を設置するという計画は、残念ながらいまのところない。鮮度の高い、本物の新米を手に入れるために、さしあたって我々ができることは、自宅で新米テストを行い、近所で信頼できそうな店を見極めるしかないようだ。

食品の品質分析をおこなっている、農民運動全国連合会(農民連)食品分析センターでは、 一般消費者向けに「米の鮮度簡易測定キット」を市販している。このキットは、pH法とグアヤコール法の二種類。pH法は、酸の量に応じて色が変わる試薬を調整したもので、脂肪酸がほとんどない新米では、「緑色」に、米が古くなり脂肪酸が増えるにつれ、「黄色」「赤色」に変色する仕組みになっている。精米した新鮮な米についている胚芽部分が薬品により赤色に発色することで、判定する。どちらのキットも、判定薬、説明書つきで、各二千五百円。

自宅でテストをおこなうには便利なキットと言えるだろう。
米のDNA鑑定や、トレーサビリティ・システムも活用されるようになったいま、消費者のアンテナが鋭くなれば、悪質な米が市場に出回りにくくなることは間違いないと言えるだろう。

「新米」が本物か見分ける方法
スーパーなどで購入した米を「新米」が本物かどうかは見分けられないのか。実は家庭でも簡単に出来る新米のテスト方法を約二十数年前に考案、このテストを行うと、その米に新米の占めるパーセンテージをかなり正確に掴むことができるのである。
そこで今回は、この識別法でスーパー、百貨店、精米店などから購入した20種類の「新米」をテストしてみた。
テストは鮮度と着色度を調べる2つの方法で行ったが、どちらも使用する薬品はグアヤコールと過酸化水素水(オキシドール)だけ。
オキシドールは家庭の救急箱にはほとんど入っている薬品だが、グアヤコールは耳慣れない名前だろう。
これはいろいろなテストの試薬に使われる薬品だが、お菓子工場でバニラを作る場合にも用いられる。
危険性はまったくないので家に置いておいても大丈夫だが、普通の薬局では手に入らないかもしれない(その場合、試薬品を専門に扱っている関東化学。試薬事業本部に使用用途を話すと、もよりの試薬代理店を教えてくれる。価格は25グラムで800円程度)。
テスト方法は次のとおり。

試薬品の作り方
試薬Aの作り方=グアヤコール1ミリリットルに対して水99ミリリットルを加え、
1パーセントのグアヤコール液を作り、弱火で熱してかくはんする。
試薬Bの作り方=1ミリリットルの過酸化水素水に水99ミリリットルを加え、1パーセントの過酸化水素水を作ってかくはんする。

鮮度テスト
①調べたい米を水洗いし、小皿(またはシャーレ)にそれぞれ百粒ずつ入れる。
②小皿に1パーセントグアヤコールを10ミリリットルずつ入れ、小皿を持って各20回ほどかき回す。
③1パーセント過酸化水素水を3滴ずつ加える。
④しばらく置いて、小皿の中の試薬液を捨て、米だけを白い紙の上にのせる。
⑤虫眼鏡で米を拡大して見たとき、米粒の先が赤く色づいたものが百粒のうち何粒あるかを数える。
赤い米粒の数が多いほうが、新米が多く入っている米である。

着色度テスト
①試験管に米百粒をそれぞれ入れ、水を加えて②を3回水洗いし、水を捨てる。
②試験管に1パーセントグアヤコールを10ミリリットル加える。
③試験管を20回ほど振る。
④別の試験管に、振った試験管の中の液を移す。
⑤しばらく置いて、移した液の方に1パーセント過酸化水素水を3滴加える。
⑥さらにしばらく置いて、試験管内の液体の着色の程度をみる。
液体は人参のような赤褐色に変わってゆくが、この色が濃いほうが新米が多い米である。

このテストで、なぜ新米の量がわかるのか説明する。「新米ほど、胚芽部、糠部にパーオキシターゼという酵素の活性が強いので、その強弱によって、新米か古米かを判定することができる。グアヤコールは、過酸化水素水のもとではパーオキシターゼの作用によってテトラグアヤコールになり、その結果として米粒が赤褐色に色づくため、色によって判断を下すことができるのです。


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