目次

薬事法では健康食品でも医薬品と見なされる可能性がある
薬事法
背景
日本において医薬品は食品と明確に区分されている。また、それぞれの安全性については薬事法と食品衛生法で基本的には規制されている。
現行の薬事法は昭和35(1960)年に制定されたが、当初は①薬局・販売業に関する許可制②製造業・輸入販売業に関する許可制③表示・広告制限の創設が中心であった。しかし、その後発生した、サリドマイド事件、スモン病事件などで、大幅改正が昭和54(1979)年に行われた。

それにより、薬事法の目的を①「医薬品の品質、有効性および安全性を確保すること」である旨明示
②市販後における安全性、有効性を検討する再審査、再評価制度の導入
③医薬品の保健衛生上の危害の発生、拡大防止のための緊急命令、不良医薬品の回収、承認の取消可能
④治験についての届出、依頼の基準などの規制を整備などが制定され、現在の薬事法の基礎ができあがった。その後、薬害事件があるごとに改正が行われて現在に至っている。

近年、国民の健康志向とライフスタイルの変化により、食品の中でも健康食品が広く普及されるようになってきた。しかし、本来疾病を治癒する目的で使用されてきた医薬品と同じような効果効能を標榜し、食品でありながら病気を治癒する目的で摂取するものが増え、適切な治療を受ける機会を逸して国民の健康を損なう危険性が増えているとの認識が広まっている。このようなことから、薬事法は医薬品と食品(いわゆる健康食品を含む)とが混同されることがないように、との観点から食品に係わってきた。

薬事法での医薬品は病気の診断、治療、予防に用いられることや、身体の構造、機能に影響を及ぼすことを目的としたもので、器具などではないものと定義されている。医薬品にはその品質、有効性、安全性の確保のために承認・許可制度をはじめとしたさまざまな規制があり、許可などがないままに医薬品に該当するものを製造販売または輸入することが禁止されている。また、食品である健康食品に医薬品に該当する成分を配合したり、医薬品と紛らわしい効果効能などの表示・広告を行ったりすることは薬事法で禁止されている。(法66。1)

そして、平成18(2006)年には薬事法の大幅改正があり、一般用医薬品の販売規制が緩和された。これにより、コンビニエンスストアやドラッグストアでの一部医薬品の販売が可能となった。これは「セルフメディケーション_(健康自己管理)」の流れが、今後益々大きくなり、医薬品といわゆる健康食品などの機能性をもった食品との共存が必要になってくることを踏まえたものといえる。それに伴って、健康に対する新たな弊害も発生すると予想される。これらの問題に対処するために薬事法の役割も変遷を続けるものと考えられる。

目的
薬事法の目的は、
①医薬品、医薬部外品、化粧品および医療機器の品質、有効性および安全性の確保のために必要な規制を行う。
②医療上特にその必要性が高い医薬品および医療用具の研究開発の促進のために必要な措置を講ずる。
このことにより、「保健衛生の向上を図る」こととした。(法1)

定義
(1)「医薬品」:次にあげるもの(法2・1)
①日本薬局方に収められているもの
②人または動物の疾病の診断、治療または予防に使用されることが目的とされているもので、機械器具等(歯科材料、医療用品および衛生用品を含む)でないもの(医薬部外品を除く)
③人または動物の身体の構造または機能に影響を及ぼすことが目的とされている物で、機械器具等でないもの(医薬部外品および化粧品を除く)
※①から③に該当するものはすべて医薬品と見なされるので、健康食品と販売されているものでも、疾病の診断、治療または予防の効果効能を表示すれば医薬品と見なされる。その場合、薬事法違反となるので注意がいる。

(2)「医薬部外品」:次にあげる目的で人体に対する作用が緩和な物で機械器具等でないものおよび、これらに準ずるもので厚生労働大臣の指定するもの
①吐き気、その他の不快感または回臭もしくは体臭の防止
②あせも、ただれなどの防止
③脱毛の防止、育毛または除毛
④人または動物の保健のためにするねずみ、はえ、蚊、のみなどの駆除または防止を目的とし、かつ人体に対する作用が緩和なもの(法2・2)
※厚生労働大臣の指定するものは「生理処理用品、染毛剤、パーマネントウェーブ用剤、薬用化粧品、薬用歯磨、浴用剤、ソフトコンタクトレンズ消毒剤、外皮消毒剤、きず消毒保護剤、ひび。あかぎれ用剤、あせも。ただれ用剤、うおのめ。たこ用剤、かさつき。あれ用剤、のど清涼剤、健胃清涼剤、ビタミン剤、カルシウム剤、ビタミン含有保健剤など(法42・2)

(3)「化粧品」:人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変えまたは皮膚もしくは毛髪を健やかに保つために身体に塗擦、散布その他これらに類維持する方法で使用されることが目的とされているもので人体に対する作用が緩和なもの(法2・3)
※動物に使用する物は対象外

(4)「医療機器」:人もしくは動物の疾病の診断、治療もしくは予防に使用されることまたは人もしくは動物の身体の構造もしくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具などで、政令で定めるもの(法2・4)



このページを見た人は、こんなページも一緒に読まれています!