目次

日本が輸入している食品一覧│肉類
1.食肉
輸入食肉の種類、輸入先、歴史など
日本が輸入している食肉類のうち、牛肉、豚肉、鶏肉が3大輸入食肉です。他には、羊肉、馬肉、七面鳥、あひる肉などがあります。



2. 牛肉57%輸入
米国政府は、日本に対して米国産牛肉の輸入の全面開放、すなわち、牛の牛肉に限っている輸入条件を撤廃することを求めている。米国政府は、米国産牛肉は安全と胸を張っているわけである。

しかし、それには多くの疑問符をつけざるを得ない。まず、BSE(牛海綿状脳症)の感染ルートの主因といえる牛の肉骨粉の問題がある。日本ではすべて焼却処分されているが、米国では牛の肉骨粉は、牛以外の豚や鶏向けの飼料に使われている。

また、日本では、牛の全頭検査(2009年4月から規制予定)が行われているが、米国では牛のBSE検査は、検査率0.1%程度という状況である。
これだけでも、輸入条件の撤廃など問題外となるのであるが、私たちには知らされていない米国の食肉処理場の実態を知ったなら、米国産牛肉に伸びた手を引いてしまうことになるだろう。


主な輸入先と特徴
日本で消費されている牛肉のうち、平成7年(1995年)では61%は輸入品です(農林水産省、平成7年度食料需給表)。平成3年(1991年)に牛肉の輸入が完全自由化されましたが、この自由化とは関係なく、過去10年間を見ても、毎年確実に3%前後輸入牛肉の比率が上昇しています。この間、牛肉の年間消費量は毎年増加を続けていますが、国内の生産量は横這い状態であり、日本全体の牛肉消費量の増加分は、輸入牛肉が増加した分といえます。

主な輸入先は、アメリカとオーストラリアの2か国で、両国で全体の牛肉輸入量の95%以上を占め、他にはニュージーランド、カナダなどから少量輸入されています。
アメリカ産のほとんどとオーストラリア産の半分以上は穀物により肥育した牛の肉です。ニュージーランド産やオーストラリア産の残りのものは、牧草により肥育したものです。日本の消費者が店頭で輸入牛肉を買う場合は、まずアメリカ、オーストラリア両国が大部分を占めていると思ってさしつかえありません。

肉に適度の脂肪を含み、霜降り肉の状態で、柔らかさがあり、日本人の好みに合うものです。脂肪が少なく柔らかみが少なく、家庭の調理用にはあまり歓迎されませんが、値段が安く、ハンバーグなどの加工用原料に適しているといえます。

豚肉
1996年までに輸入が多かった国・地域は台湾、デンマーク、アメリカで、この3か国・地域で全豚肉輸入量の9割程度を占めていました。1997年3月より台湾からの輸入が禁止となったあとは、アメリカ、カナダ、韓国からの輸入増でカバーしようとする動きも出ていますが、1997年には、豚肉全体の輸入量は大幅に減少しました。

冷蔵豚肉の欠点の1つは、品質保持期間が短いことで、カット後3週間程度以内とされ、遠いデンマークなどから冷蔵で輸入することは難しく、輸送時間が短い国に限られています。輸入された冷蔵豚肉は国産品と同様、大手スーパーや最近では中小食肉店でも売られるようになりましたが、日持ちが短いことから、東京、大阪などの大都市が中心です。

鶏肉
近年、世界的な健康志向の高まりから、牛肉をはじめ他の食肉の消費が停滞ないし減少の傾向にある中で、鶏肉の消費は増加しているといわれています。日本でも鶏肉の消費は増加しています。

日本が輸入する鶏肉の量は年々増加し、1995年以降は年間輸入量が50万トン程度に達しています。この輸入量は、世界的にはドイツに次いで2番目に多く、また、日本国内で消費されている鶏肉全体の3分の1程度であり、今後もますます増加しそうです。

主な輸入先は、アメリカ、タイ、中国、ブラジルで、この4か国で輸入鶏肉全体の95%以上を占めています。残りは、これら4か国以外の10か国強の国・地域から少量ずつ輸入されていま鶏肉は冷凍してもあまり風味や肉質が低下しない特徴があることから、輸入される鶏肉はほとんど冷凍品です。

羊肉
羊肉の一般的な呼称として、生後2年以上たったものをマトンといい、満1年未満の肉用子羊肉をラムといいます。輸入時の通関では、「羊肉」と「子羊肉」の2つの品目が設けられていますが、マトンとラムとの正確な規格上の分類はありません。

輸入時の保存状態は、冷蔵(チルド)と冷凍(フローズン)とがあります。輸入量は年間4万トン前後です。このうち1996年ではラムが1万5000トン程度で、他はマトンと見られています。
主な輸入先は、オーストラリアとニュージーランドですが、ラムはニュージーランド産が主体です。

マトンは、肉色が濃く、独特の畜肉臭があり、もともと世界的にもあまり食用とはされませんでしたが、日本の加工メーカーが40年ほど前に脱臭技術を工夫し、その後ソーセージ、ハムその他の加工原料として使われるようになりました。他には北海道を中心にジンギスカン鍋に使われていましたが、最近ではラムの使用が増加しているとのことです。


ラムは欧米ではとくに高級な肉とされており、肉質は柔らかく美味とされています。フランス料理などに多く使用され、晩餐会のメニューにもしばしば使われるとのことです。料理の種類も多く、ラムステーキ、バーベキュー、タタキ、しゃぶしゃぶなどがあります。
羊肉全体の輸入量は減少の方向にありますが、これはマトンの加工用原料としての使用量が減りつつあるためで、ラムは増加傾向にあります。
なお、国産の羊肉は少ないので、国内で消費されるものは、ほとんど輸入品です。


馬肉
馬肉の輸入量は年ごとに減少してはいますが、1997年の年間輸入量は1万3000トン程度あり、主要な輸入品目の1つです。
主な輸入先は、アルゼンチン、カナダ、オーストラリア、中国などで、全体では15か国前後から輸入されています。
大部分の馬肉は冷凍品として輸入され、ハム、ニューコーンビーフ、ドライソーセージなどの原料として使われています。冷凍品の輸入は冷凍コンテナーで行われます。チルドは全体の数%程度ですが、航空便で輸入され、店頭でも売られています。
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