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レトルト食品は今でこそ種類が豊富だけどもともと宇宙食として開発されていた
目次
1.宇宙食として開発されたレトルト食品
食品需要が全体的に停滞するなかにあって、レトルト食品が急成長している。食品のなかでは最も新しい部門であって、70年代以降の食品である。99年の生産量は24万5600トン、市場規模は約1600億円である。最近10年間の成長率は年率平均5.7%にもなっている。品目でみると、カレー類が最も多く、44%を占めている。このほか、主なものとしてはミートソース、スープ類、マーボ豆腐の素、食肉野菜混合煮などとなっている。
レトルト食品とは、食物を合成樹脂フィルムやアルミ箔を貼り合わせたパウチ(袋)や成形容器に詰め、完全に密封(ヒートシール)し、加圧加熱殺菌(レトルト殺菌)を行った容器詰食品である。
商品特性としては、第一に気密性容器で加圧加熱殺菌のため、常温流通でも長期間(二年程度)保存が可能であること。第二に、容器が薄いので殺菌が短時間であるとともに使用時の加熱も短時間でできること。第三に、軽量で開封も簡単なため携帯用としても利用できることなどがあげられる。
レトルト食品の研究は、50年代にアメリカ陸軍において、軍用食や宇宙食開発として始められた。そして、レィノルド・メタル社とコンチネンタル・キャン社によって、ポリエステルフィルムとポリプロピレンフィルムを貼り合わせた包装材の開発に成功する。
わが国でのレトルト食品の生産は70年に三喜フードとハウス食品が、翌年には大洋漁業(現マルハ)、カゴメ伊藤ハム等が開始している。日本缶詰協会の調査によると、90年における企業数は104社、工場数は24工場となっている。主力メーカーとしては、ハウス食品、大塚製薬、丸美屋食品工業、味の素、ヱスビー食品等があげられる。
新しい産業であり専門メーカーは少ないし、新規参入も多く競争の激しい分野でもある。そのため,主力メーカーのシェアも低下している。この分野でのかつてのヒット商品には、ニチレイの「もつ鍋」がある。もつ鍋ブームに乗って売上げを伸ばした。
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