目次


全ての食品添加物の安全が確認されていない
食品添加物基本的に食品添加物の安全性は動物を使った実験で確認されています。

毒性がないか、生殖機能に影響を与えないか、奇形児が生まれるリスクが出ないか、発がん性がないか、アレルギーの有無などの動物実験が行われ、安全が確認されたものだけが認可されています。


活性酸素は、酸素の電子構造が変化して酸化力が強くなったもの。いわぱ暴れ者の酸素です。体内に入った細菌などの外敵をやっつける役目もしますが、発生が多すぎると、細胞や遺伝子などを酸化して傷つけ、さまざまな病気の原因になります。

たとえば、ガン、脳卒中、狭心症、さらには、シミやシワの発生にもからむといわれます。 活性酸素が発生するのは、食べ物をエネルギーに変えるとき、大気汚染物質を吸い込んだとき、また、喫煙、飲酒、ストレス、紫外線、電磁波なども原因になります。

そして、食品添加物、農薬、抗菌性物質、ダイオキシンなどが体に入ったときにも発生します。食品添加物はどれも活性酸素発生の原因になりますが、有害度の大きい添加物ほど、発生量も多くなると考えます。

ただし、天然由来の添加物についてはこうした実験が行われていないものも含まれるので、すべての添加物が絶対に安全とは言えません。といっても食品添加物をとらずに生活していくことは不可能なので、注意が必要です。

加工食品が食品に占める割合が年々増加傾向です。こうした加工食品を作る時に頼るのが食品添加物です。食べ物の加工・製造・保存を行う調味料・保存料・着色料などを称して食品添加物と呼びます。
これからいくつかの食品添加物の危険度を紹介していきます。


2.食品添加物の使用目的・メリットやデメリット

食品添加物の使用目的による分類
①食品の製造加工に必要不可欠なもの (マーガリンの乳化剤、豆腐の凝固剤等)
②食品の栄養価を維持・強化させるもの(果実飲料の強化剤のビタミンC、味増のクエン酸カルシウム等)
③腐敗・変敗、その他の化学変化を防ぐもの(ワインの酸化防止剤・二酸化硫黄・柑橘類やバナナの防ばい剤等)
④食品を美化し、魅力を増すもの(着色料,調味料,香料等)
⑤食品の品質の改良等をするもの(ドレッシングの乳化安定剤・カラギナン・アイスクリームの安定化に使うカラギナン等)
⑥資源を有効に利用するためのもの(植物油の抽出溶剤・ヘキサン・スケトウダラ冷凍すり身の製造に使用するリン酸塩等)
⑦食品の製造を合理化するもの( ミカン缶詰製造のジョウノウ除去用・塩酸・水酸化ナトリウム等)


食品添加物使用のメリットとデメリット
メリット
(1)食品の保存時間の延長
微生物の増殖をある程度は抑制できる。食中毒菌やカビ等の生育を抑え、これらによる事故を防止するのに効果がある。
(2)食料資源の有効利用
多くの食品が腐敗して廃棄されている現状がある. このことは特に熱帯および亜熱
帯の地域で顕著である。一方、食糧危機の地域もある. 腐敗を防止して、貴重な食料
を有効に利用することができる。
(3)食品の価格安定
安全な食品を大量に生産し、多くの地域に過不足なく流通させることができる。 これにより食品の価格の安定に寄与できる。

デメリット
①細菌等微生物の増殖を抑える働きの強いものは、ヒトの細胞に対しても毒性を有する。 各国で使用されている保存料の毒性は弱いものが使用されているが、他の食品添加物より毒性は強く、使用量の制限が厳しく設けられている。
②保存料の効果を期待しすぎて、製造、流通、販売等の衛生管理がおろそかになる恐れがある。 本来は製造技術の改善や低温流通システムの導入等で解決すべきである。
食品添加物の使用はメリットとともにデメリットがある。そこで、必要最小限を使用し、安全性を十分に考慮しなければならない。



3.「コンビニ料理」の落とし穴

時間のない主婦や、外食がちな学生の間で、コンビニエンスストアの惣菜を使って一工夫した「コンビニ料理」が評判です。 たとえば「五目ひじき」を買ってきて卵焼きを作る。「きんぴらごぼう」で炊き込みご飯にする。

できあいの惣菜をただ並べた だけよりも、ほんのひと手間で手作り風になり、栄養バランスもとれるような感じがします。それはそれでよいのですが、ちょっと注 意を。 コンビニの惣菜は、どれも添加物が多いのです。リン酸塩はよく使われているし、ものによってはさらに不安な添加物も。これを組 み合わせて料理を作ると、かなりの種類の添加物を体に入れること 塩分も心配。

コンビニ惣菜は保存性を高めるために、塩分が高めになっています。 特に子どもがいる家庭など、この味に慣れてしまうのはあまりすすめられません。 コンビニ料理は便利な知恵とばかり、毎日のように続けるのは考えもの。

時問のないときだけにする、原材料表示に気をつける、できるものは湯通しして塩分を薄めにするなど、安心のためにちょっと意識することです。



食品添加物 危険リスト

「◎」がついたもの:できるだけ避ける
LD5o値 (マウスやラットなど実験動物に投与したとき半数が死亡する量) が低く、 急性毒性(化学物質を投与してすぐに現れる毒性) の強い物質です。



「△」がついているの:できれば避けたほうがよい
TR値 (食品添加物1mgあたりの交換型染色体異常の出現数)が高い物質です。食品添加物に使われるのはごく微量なので、 安全性には間題ないと言われますが、 できれば避けたり、量をとりすぎないようにしたほうが安心でしょう。



「□」のついたもの:安全性がよくわかっていない
天然由来の甘味料や着色料ですが、 安全性がよくわかっていません。




PICKU UPメタリン酸ナトリウム(危険度△)
食品添加物で、用途は広く品質改良剤とか乳化剤とかなっていますね。メタリン酸ナトリウムは水と油を均一に混ぜ合わせる為の添加物として広く使われているそうです。中華麺に使用して麺の弾力性や保水性の向上のために使うと「かんすい」、プロセスチーズやチーズフードなどの乳化にも利用されています。骨形成に悪影響とも書いてありますが、比較的安全な分類に入っているようです。



PICKU UPレシチン(lecithin)
すべての細胞中に存在しており、名前は、ギリシャ語で卵黄を意味するレシトース(Lekithos)に由来しています。体内で脂肪がエネルギーとして利用・貯蔵される際、タンパク質と結びついて血液の中を移動しますが、結合にレシチンを必要となります。体内のレシチンの総量は、体重50kgのヒトで500g程度です。レシチンの不足は、疲労、免疫力低下、不眠、動脈硬化、糖尿病、悪玉コレステロールの沈着など多くの症状の原因となります。
市場などでは原料に何を使用しているかで分類され、卵黄を原料とするものは「卵黄レシチン」、大豆を原料とするものは「大豆レシチン」と呼ばれ、区別されます。

PICKU UPリン酸三カルシウム(危険度△)
リン酸カルシウムは肥料の製造に用いられることが多いです。また食品添加物として、チーズの製造などに用いられています。サプリメントとしても用いられます。歯の再石灰化を促すとして歯磨き粉のマイルドな研磨剤として一般的に使用されているほか、関節への沈着によって偽痛風の要因にもなる物質です。


PICKU UP乳酸ナトリウム(危険度△)
乳酸ナトリウムは乳酸とナトリウムイオンが反応してできる塩です。吸湿しやすいという特徴があり、医薬品や化粧品の原料として使われています。吸湿性が高いため、水溶液の形で流通しています。乳酸ナトリウムは、各種のアミノ酸や有機酸の塩類と共に、味の調和をとる目的で、漬物類や水産加工品類・畜肉加工品類等に使用され、単独あるいは乳酸等と併用して酸味の付与、酸度・pHを調整する目的でベーカリー製品等に使用されています。


PICKU UPバニリン
天然にはバニラ豆の香料成分で、豆中に約2%含まれています。合成法で作られ、白~淡黄色の針状結晶で、バニラの香りの主要な成分となっている物質で、香気と味がありますので、菓子やアイスクリーム、清涼飲料などに、単品で、又は調合香料として広く使われています。


種類 目的 名称(危険度)
甘味料 甘みを加える アスパルテーム(◎)
サッカリン(◎)
スクラロース(△)
キシリトール(□)
ステビア(△)
甘草/カンゾウ(□)
ソルビトール
甘味料は、食品に甘味をつけるもので、砂糖などの糖質系の甘味料とアスパルテームなどの非糖質系の甘味料に分類される。砂糖は、最も理想的な甘味料であるが、糖尿病の患者には不適当であり、また肥満や虫歯の原因にもなる。
一方、非糖質系の甘味料は甘味度の高いものが多く、カロリー摂取量を少なく抑えることができるためダイエット食品や糖尿病患者の甘味料として使用される。
現在、指定添加物としてサッカリン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、アスパルテーム、キシリトール、スクラロース、D-ソルビトール、既存添加物としてステビア抽出物やカンゾウ抽出物などが使用されている。

サッカリンおよびサッカリンナトリウム
いずれも無色~白色の結晶性粉末で、サッカリンは水に難溶であるが、サッカリンナトリウムは水によく溶ける。砂糖の約500倍の甘味があるが、わずかに苦味をもち、砂糖に比較し、長く口中に甘味を残す。
サッカリンは、水にとけにくいので、口中では唾液に徐々に溶け、甘味が持続することからチューインガムへの使用が認められている。サッカリンナトリウムは、たくあん漬、清涼飲料水、菓子など多くの食品に使用されるが,pH3.8以下では不安定で、特に加熱すると分解し甘味を失う。
サッカリンナトリウムは、経口摂取されると胃酸によりサッカリンとなり、吸収後は24時間以内に約90%が尿中に排泄される。妊娠マウスに対し、高率に流早死産をもたらすという実験報告、さらにラットに膀胱癌を生じるという報告などがあり、一時、わが国でもサッカリンの使用基準をきびしくした。しかし、慎重な動物実験をくり返し行った結果、発癌性は認められず、使用基準も緩和された。JECFAによる1日摂取許容量(ADI)はO~2.5mg/kg体重A(2)と評価されている。厚生省の調査によると、日本人のサッカリン摂取量は1.107mgで、これはADIの044%であった。

アスパルテーム
白色の粉末で、砂糖の約200倍のくせのない甘味をもつアミノ酸系甘味料で、アスパラギン酸とフェニルアラニンからなるジペプチドである。1965年、アメリカのサール社がガストリンの研究中に偶然に発見したもので、FAO/WHOの合同食品添加物専門家委員会(JECFA),欧州共同体(EC/SCF)において安全性と有用性が認められ、多くの国々で食品添加物として使用されるようになった。わが国においても、1983年8月に使用が認められるようになり、卓上甘味料、菓子類、乳製品などに広く用いられている。アスパルテームの実用上の難点は、熱により分解し、発酵食品においては微生物分解をうけ、甘味を失うことである。この点を除けば低カロリーであり、アミノ酸などの食品成分からなるもので、時代の要請に最も合致した甘味料といえる。アスパルテームの最大無作用量は4,000mg/kg/B,1日摂取許容量(ADI)は40mg/kgで、JECFAによる総合評価では最も安全性の高い物質すなわちA(1)にランクされ、わが国でも特に使用基準は定めていない。

キシリトール
キシリトールは、イチゴやホウレンソウなどの果実や野菜に含まれている五炭糖の糖アルコールで、ショ糖と同程度の甘味度をもち、熱量は3kcal/gである。加熱に対して安定であり、食品加工の面ではきわめて有用である。また、溶解時に吸熱するため、口中で清涼感を与える。一般に木材などの構成キシランを酸加水分解してできるキシロースを原料として生産される。日本では1997年に食品添加物として指定され、チューインガム、キャンデー、チョコレートに使用されてきている。JECFAではA(1)と評価し、ADIも特定していない。

スクラロース
スクラロースは、ショ糖の約600倍の甘味度をもつ甘味料で、アメリカ、力ナダ、ニュージーランドなど20カ国以上ですでに使用されている。日本では、1999年に食品添加物として指定された。サッカリンナトリウムやステビアなど
のように特有な渋味をもたず、加熱に対する安定性も優れている。JECFAではA(1)と評価し,ADIも特定していない。

ステビア抽出物
ステビア甘味料は、南米原産のキク科植物であるステビアを原料として製造され、その甘味成分の主なものはステビオサイドとレバウディオサイドなどのステビア配糖体である。甘味度は、ステビオサイドがショ糖の200~300倍
レバウディオサイドが260~300倍といわれている。漬物、水産ねり製品、マヨネーズ、ドレッシング、珍味などに用いられる。

グリチルリチン酸ニナトリウム
白色~淡黄色の粉末で、水に溶けやすく、砂糖の約200倍の甘味をもつ。甘草の根茎に含まれる甘味成分グリチルリチン酸をナトリウム塩にしたもので、塩分に対するいわゆる“塩なれ効果”を示す。味噌醤油以外への使用は認められていない。

D-キシロース
無色~白色の結晶性粉末で、砂糖の約40%の甘味度をもつ。トウモロコシの穂の芯などに含まれるキシランを加水分解して得る。消化管からの吸収性はグルコースを100とした場合の15程度であり、低カロリー甘味質として使用され、使用基準もない。JECFAではA(1)と評価し、ADIも特定していない。

D-ソルビトール
白色の粒または粉末で、砂糖の約60%の清涼な甘味度をもち、吸湿性、保水性がある。ナナカマド、ナシ、モモなど天然にも含まれるが、工業的には主としてブドウ糖を還元して製造される。口内で溶解するときに熱を吸収して冷感
を与えるため、菓子類に用いられるが、特に砂糖と併用すると砂糖の結晶析出防止効果があり、清涼飲料、アルコール飲料にはこく咲を与える。特に使用基準も定めていない。
着色料 着色して色調を整える 【青1、赤2、3、10、102、104、106、黄1、4、5】タール系色素(◎)
クチナシ色素(□)
食用黄色素(□)
コチニール(□)
力ルミン(□)
カラメル色素(△)
カロテノイド色素(△)
食品は、本来固有の色調をもっているが、加工処理などにより変色したり、退色したりして食品としての価値が低下することがある。このような場合に、食品を美化し、天然の色調を復元する目的で着色料が使用される。
着色料は、現在タール色素12種および一部のアルミニウムレーキ化合物、クロロフィル誘導体2種三・二酸化鉄二酸化チタン、β-カ口テン、水溶性アナトーなと、が許可されている。また、既存添加物としてはアナトー色素、カラメル色素コチニール色素ベニノキ色素、ベニコウジ色素などが使用されている。なお、タール色素は合成過程での有害物質の残存などが考えられることから、指定食用タール色素とその製剤には、製品検査が義務づけられている。

酸性タール色素
現在、食品衛生法によって使用が認められているタール色素は12品目であり、化学構造によりアゾ系、キサンチン系、トリフェニルメタン系およびインジゴイド系に分類される。すべて水溶性の酸性色素であり、福神漬紅しょうが、かまぼこ、ハム、ソーセージ、キャンディなど種々の食品に利用されるが、カステラ、きなこ、魚肉漬物、鯨肉漬物、コンブ類、醤油、食肉、食肉漬物、スポンジケーキ、鮮魚介類(鯨肉を含む)、茶、のり類、マーマレード、豆類、味噌麺類(ワンタンを含む)、野菜およびワカメ類には使用できない。なお、12品目の酸性タール色素のなかに経口投与により発癌性を示すものはない。

ベニコウジ色素
ベニコウジカビの培養液から得られる赤色の色素で、アザフィロン系のモナスコルブリン、アンカフラビンなどを主成分とする。水産ねり製品、畜産加工品、ふりかけ、菓子などに使用される。安全性については十分に検討されており、問題はない。

コチニール色素
サボテンに寄生するカイガラムシ科のエンジムシの乾燥虫体から得られる赤色の色素で、アントラキノン系のカルミン酸を主成分とする。飲料をはじめ、水産加工品、農産加工品、菓子などに広く使用されている。安全性については十分に検討されており、問題はない。
保存料 カビや細菌の繁殖を抑制して保存性を高める ソルビン酸(◎)
安息香酸ナトリウム(◎)
しらこたん白抽出物(□)
ポリリジン(□)
保存料は、微生物の増殖を抑制する目的で食品に利用されるもので、殺菌料とは異なり殺菌効果はほとんどない。したがって、保存料を使用した食品であっても腐敗の心配が全くないというのではなく、単に腐敗を遅らせているにすぎないことを認識しておく必要がある。保存料に関しては微生物とはいえ、生物への増殖阻害を期待するものだけに、ヒトへの安全性をふまえ、次の条件がみたされる必要がある。
①毒性が極めて低いこと
②消化酵素阻害作用を示さないこと
③抗菌スペクトルが広いこと
④理化学定量法が十分確立していること
現在、ヒトには全く影響を及ぼさず、微生物にのみ作用するといった理想的な保存料はなく、したがってすべてに対して使用基準が設けられている。保存料は、性質および利用上から酸型保存料と非解離型保存料に分類される。
酸型保存料酸性域保存料ともいわれ、 酸性領域で強い抗菌性を示す。すなわち、酸性水溶液中では、酸型保存料はpHがより酸性になるにつれ非解離分子が多くなり、微生物に取り込まれて、その代謝を阻害すると考えられている。安息香酸とそのナトリウム塩、ソルビン酸とそのカリウム塩、デヒドロ酢酸ナトリウム、プロピオン酸およびプロピオン酸塩(ナトリウムおよびカルシウム)がある。

パラオキシ安息香酸エステル類
現在、イソブチル、イソプロピル、エチル、ブチル、プロピルの5種類のエステルが指定されている。いずれも無色あるいは白色の結晶性粉末で、水に溶けにくいためエタノール溶液、酢酸溶液あるいは水酸化ナトリウム溶液として用いられる。なお、単独で使用されることは少なく、ブチル、イソブチル、イソプロピルエステルなどの混合物が用いられる。本来が解離しにくい化合物で、その非解離分子が細菌、カビ、酵母の増殖を阻止する。一般に抗菌力は側鎖アルキル基の炭素数が増すにつれ強い。したがって、ブチルエステルが最も強い抗菌力を示すが、水にはますます難溶となる。
パラオキシ安息香酸エステル類は、エステラーゼにより加水分解されるが、生成されたパラオキシ安息香酸はグリシン抱合あるいはグルクロン酸抱合されて尿中排泄され、アルコールは通常のCoAと結合しエネルギー代謝される。
増粘剤、安定剤、ゲル化剤、糊料 なめらかさや粘り気を与え、分離を防止して安定させる ペクチン(□)
カルボキシメチルセルロース(□)
ナトリウム(□)
カラギーナン(□)
乳たん白(△)
ユーケマ(△)
カゼイン(△)
酸化防止剤 油脂などの酸化を防いで保存性を高める エリソルビン酸ナトリウム(◎)
ジブチルヒドロキシトルエン(◎)
ピロ亜硫酸カリウム(△)
ピロ亜硫酸ナトリウム(△)
ビタミンE、ビタミンC
食品は微生物によって腐敗するのみならず、空気中の酸素によっても変質(酸化)する。特に油脂食品は酸化され、風味を失ったり、変色するなど品質の劣化を引き起こすのみならず、有害物質がつくられ食中毒を引き起こすこともある。このため、油脂を含む食品の酸化を防ぐ目的で酸化防止剤が用いられる。
酸化防止剤にはエリソルビン酸などのように水溶性のものとBHTやα-トコフェロールのように油溶性のものとがあり、水溶性のものは食品の褐変防止に、油溶性のものは油脂類の酸化防止に用いられる。

エリソルビン酸およびエリソルビン酸ナトリウム
白色~帯黄白色の結晶または結晶性粉末で、水に溶けやすく、強い還元性を有する。
ビタミンC(アスコルビン酸)の立体異性体であるが、抗壊血病作用はほとんどない。食品の褐変防止の目的で食肉製品、魚介冷凍品、果実加工品などに広く使用されている。また、発色剤である亜硝酸と併用すると発色効果を高める。
なお,JECFAの安全性評価はA(1)に分類され、ADIはO~5mg/kgである。

ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)
白色の結晶、結晶性粉末または塊で、水にはほとんど溶けず、植物油やエタノールに溶ける。ほかの酸化防止剤に比べ安定性がすぐれており、油脂、バター、魚介冷凍品、魚介乾製品・塩蔵品、チューインガム基剤などに使用が認められている。単品で用いられることは少なく、他の酸化防止剤やアスコルビン酸クエン酸などと併用されることが多い。
BHTの安全性に関する報告は多数あるが、変異原性や発癌性は認められていない。
発色剤 ハムやソーセージなどの色調や風味をよくする 亜硝酸ナトリウム(◎)
硝酸ナトリウム(◎)
発色剤は、食品中に存在する不安定な有色物質と結合して、その色を安定に保つことを目的に使用される。着色料とは異なり、発色剤自体には色はない。

亜硝酸塩(ナトリウム塩)および硝酸塩(カリウムおよびナトリウム塩)
食肉や鯨肉の色は、ミオグロビン(肉色素)およびヘモグロビン(血色素)なと、の色素タンパク質によるものである。これらの色素は不安定であり、空気中に放置したり、加熱することにより、酸化されてメト体になると濁った灰褐色になり、肉の新鮮な色が失われる。亜硝酸はミオグロビン、ヘモグロビンをニトロソ化して安定体とするので、新鮮な色が保たれる。硝酸塩は肉中の酵素により還元されて亜硝酸となり、効力を示す。亜硝酸は海産魚介類や魚卵などに含まれる第二級アミンと酸性下で反応して強力な発癌物質であるN-ニトロソアミンを生成する可能性がある。しかし、野菜などから比較的多量に摂取する硝酸イオンは、口腔や腸内の微生物によって亜硝酸イオンに変化することから、これに比較すると実際に発色剤として摂取されている亜硝峻はごくわずかである。また、食品中のビタミンCや一部のアミノ酸がN-ニトロソアミンの生成を抑制することから、種々の食品を同時に摂取する通常の食事ではこのような問題はほとんどない。

硫酸第一鉄
鉄塩は果菜の色素の一種であるアントシアン類のナスニン(なすの色素)と結合して美しい安定な黒紫色を保つ。使用基準はない。
漂白剤 白くきれいにする 亜硫酸ナトリウム(◎)
次亜硫酸ナトリウム(◎)
過酸化水素(◎)
防カビ剤 輸入柑橘類などのカビの発生を防止する オルトフェニル、フェノール(◎)
ジフェニール(◎)
グレープフルーツやレモンなどのカンキツ類やバナナの多くは諸外国より輸入されていることから、輸送に時間がかかり、カビによる被害が大きい。これを防止するために使用されるのが防カビ剤で、カンキツ類とバナナに限ってジフェニール、オルトフェニルフェノールおよびそのナトリウム塩チアベンダゾール、イマザリルの使用が認められている。

ジフェニール
白色の結晶性粉末で、特異なにおいがある。水には不溶で、エタノールやエーテルなどの有機溶媒には溶ける。グレープフルーツ、レモン、オレンジ類の貯蔵運搬時の青カビ、緑カビによる被害を防止するために使用される。紙片にジフェニールを浸潤させたものを果物箱に入れ、昇華によって果物に付着させ、防カビ効果をもたらす。JECFAではA(1)と評価し、ADIはO~0.05mg/kgである。

オルトフェニルフェノールおよびオルトフェニルフェノールナトリウム
オルトフェニルフェノールおよびオルトフェニルフェノールナトリウムは、白色、淡黄色または淡紅色の粉末、結晶、薄片または塊で特異なにおいがある。オルトフェニルフェノールは水には溶けにくいが、エタノールや油脂類にはよく溶ける。一方、オルトフェニルフェノールナトリウムは水やエタノールにはよく溶けるが、油脂類にはほとんど溶けない。白カビによる被害防止を目的にカンキツ類に限り使用が認められている。一般にオルトフェニルフェノールはワックスに混ぜて使用され、オルトフェニルフェノールナトリウムは水に溶かしてスプレーするか、あるいは浸漬して用いられる。
ADIは0.2mg/kgであるが、ラットを用いた実験でオルトフェニルフェノールナトリウムが膀胱癌を発生するという報告もある。
イーストフード パンの発酵を促す 臭素酸カリウム(◎)
リン酸3カルシウム(△)
メタリン酸ナトリウム(△)
炭酸アンモニウム(△)
ガムベース チューインガムに利用される エステルガム、チクル
香料 香りをつけて食欲をそそる オレンジ香料、バニリン
酸味料 酸味を与える クエン酸、乳酸
調味料 旨みなどを与える 5-グアニル酸2ナトリウム(◎)
Lーグルタミン量ナトリウム(△)
5ーイノシン酸2ナトリウム(△)
グルタミン整ソーダ
調味料は食品に旨味を与え、さらに味を調和させるために用いられるもので、化学的にはアミノ酸系、核酸系、有機酸系、無機塩類に分類される。基本的には全て食品成分として存在するものである。

L-グルタミン酸およびグルタミン酸塩(カリウム,ナトリウム,マグネシウム)
無色~白色の柱状結晶または粉末で、コンブの旨味として知られ、家庭用、飲食店用、食品加工用調味料として広く用いられている。
1968年、アメリカニューイングランドにおいてL-グルタミン酸ナトリウムを多用したワンタンスープにより、頭痛、顔面圧迫感、胸やけを訴える「中華料理店症候群」が発生した。原因としては、特定のアミノ酸を大量に摂取したことで、体内のアミノ酸バランスが一時的にくずれたためと考えられる。通常の使用量では、このような中毒症状は起こり得ない。なお、安全性評価はA(1)に分類され,ADIは特定されていない。

5一イノシン酸ニナトリウム
白色の結晶または結晶性粉末で、かつお節の旨味成分であり、各種動細胞に含まれる。水溶性であり、加熱にも安定であるが、ホスファターゼにより容易に分解され、呈味性を失うので、食品に添加する際には加熱によってホスファターゼを失活させた後に添加する。かつお節の旨味成分であり、各種動物組織に広く分布する。グルタミン酸ナトリウムと一緒に用いると著しく旨味を増すため、これらの混合物が家庭用あるいは業務用の調味料として用いられ
ている。なお、安全性評価はA(1)に分類され、ADIは特定されていない。

5一グアニル酸ニナトリウム
無色~白色の結晶性粉末で、主に酵母のリボ核酸を酵素的に分解してつくられる。しいたけの旨味として知られている。ADIは特定されていない。

コハク酸およびそのナトリウム塩
コハク酸は調味料として用いられるほか、酸味料やpH調整剤としても用いられる。主に、清酒、合成清酒、味噌、醤油などに利用される。コハク酸のナトリウム塩、特にナトリウム塩はハマグリの旨味として知られ、多くの食品に利用される。

塩化カリウム
塩化カリウムは、減塩を必要とする人のために減塩醤油などに利用されてきたが、最近ではスポーツ飲料などにも使用されている。従来は、海水や岩塩を原料とした天然添加物が使われてきたが、最近では使用量が増加したため化学合成品が用いられるようになった。
乳化剤 水と油のように混じり合わない2種類の液体を、分離しないように混合する働きをもつものを乳化剤という。乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪腰エステルなどがあり、マヨネーズ、ドレッシング、マーガリン、バター、アイスクリーム、ケーキ、ビスケット、チョコレートなど多くの食品に広く使用されている。 グリセリン脂肪酸エステル
ショ糖脂肪酸エステル
植物レシチン
PH調整剤 PHを調節して品質をよくする DLーリンゴ酸
乳酸ナトリウム
かんすい 中華めんなどの食感や風味を出す ポリリン口ナトリウム(◎)
炭酸カリウム (無水)
膨張剤 ケーキなどをふっくらさせる 炭酸水素ナトリウム
焼ミョウバン
栄養強化剤 栄養素を強化する ビタミンA
乳酸カルシウム
品質改良剤 臭素酸カリウムは白色の結晶または粉末で、低温では水に溶けにくいが、温水には溶ける。従来は小麦粉改良剤や製造用剤に分類されていたが、現在は品質改良剤に区分されている。製パン時に添加すると、タンパク質分解酵素活性を適度に抑制し、グルテンの性質を高める働きをもつ。本品は単独では使用されず、イーストフードに配合して使用される。以前は魚肉ねり製品の品質改良剤としても使用されていたが、発癌性が認められたため、パン用小麦粉以外には使用できなくなった。小麦粉に対する使用量は0.03kg/k9以下と定められしかも「最終食品の完成前に分解又は除去すること」と規定されている。
プロピレングリコール(◎)
リン酸ナトリウム(◎)




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