目次

日本が輸入している食品一覧│乳製品
乳製品
1.乳製品の世界と日本の現状
乳製品を大まかに商品別に分類すると、日本では最も消費量が多い飲用牛乳をはじめ、チーズ、バター、れん乳、粉乳、乳糖、カゼイン、アイスクリーム、発酵乳、乳調製品などに分けられます(以下、乳製品には飲用牛乳を含めて述べます)

世界の食料需給の面から見ると、元来乳製品は、各国とも自給的な傾向が強く、生産量に対する貿易の量は、穀物が10%程度であるのに対し、乳製品の場合は6%と低い状況にあります。

日本の場合も、自給率は食料全体では42%(カロリーベース)であるのに対して、牛乳・乳製品は72%(原料換算ベース)と高くなっています(農林水産省、平成7年度食料需給表)。いいかえると、乳製品の貿易自由化は、他の類と比較するとまだあまり進んでいないといえます。

しかし、12世紀に向かっての貿易自由化の流れは、乳製品についても大きな変化を見せる可能性も有しており注目されます。
世界的に乳製品の生産量が多い地域は、旧ソ連邦、EU地域、北米ですが、輸出量が多い地域は、EUおよびニュージーランド、オーストラリアのオセアニアの2か国です。


2. アイスクリーム
アイスクリームは一般的には乳製品の1つとして扱われていますが、元来は菓子(デザート)でした。貿易上の分類では乳製品類には含まれておらず、調製食料品に含まれています。

アイスクリームが輸入自由化されたのは1990年で、その後急激に輸入量が増加し、1994年には日本国内で消費される全アイスクリーム類の量の4・3%(アイスクリーム協会推定)に達しています。1997年の輸入量は2万8000トン弱で、そのほとんどが購入後家庭に持ち帰って消費されるタイプのものでした。

主な輸入先としてはアメリカが全体の4分の1程度を占め、他にはオーストラリア、ニュージーランドなどからが多く、その他カナダ、フランス、ドイツなど15か国程度から輸入されています。アイスクリームも他の乳製品の場合と同様に、一般的に各国とも経済の発展とともに消費量が増える傾向があります。

現在、世界で最も多くアイスクリームを生産し消費している国はアメリカです。日本の生産量は1人年間7.74リットル(1994年、アメリカ国際アイスクリーム協会)であるのに対し、アメリカはその2.9倍です。日本でのアイスクリームの消費は、1980年代の後半にピークに達し、近年は中国、東南アジアでの消費が増加しているといわれています。

バター、粉乳、飲用乳
バターは1995年以降輸入自由化になっています。1997年のバターの輸入量は、輸入統計上は400トン弱であり、バターオイル、ギーなどを加えても700トン程度で量は多くありません。バターの種類としては、食塩を加えたものと加えていないものとで区別されるほか、ヨーロッパでポピュラーな発酵バターと日本で主に流通しているスイートバターとがあります。日本では業務用として、ほとんどスイートバターが使われていますが、一部のレストランなどでは発酵バターやギー(水牛のバター)も使われるようになったといわれています。

輸入自由化はされましたが、まだ関税が高く、現在は輸入バターの用途はレストランなどで使われるものと加工食品やパン、菓子の原料に使われるものとが主体です。

粉乳は全休では7万4000トン程度輸入されていますが、そのうち食用は半分程度で、残りは飼料用です。食用のうち一部は、学校給食用として用途を限定して輸入されています。
食用の主な輸入先は、ニュージーランド、オーストラリアの2か国が中心であり、飼料用はウクライナ、リトアニア、ベラルーシなどから輸入されています。



チーズ94%輸入
カマンベールチーズ、モッツァレラチーズ、ゴーダチーズなど百貨店のチーズ売り場に並べられ、ワインの良き友ともいえるチーズをナチュラルチーズという。

そして、このナチュラルチーズを原料として加熱して作られるのが、私たちが通常見かけるプロセスチーズである。学校給食やビールのつまみに出されるものだ。
ナチュラルチーズは、フランスから2600トン、イタリアから5300トン(2005年)輸入されているが、それらはみな百貨店や高級スーパーに並べられている。

ところが、日本はナチュラルチーズを輸入している。輸入先は、オーストラリアが9万2801トン、ニュージーランドが5万4517トン、次いでドイツの1万2507トンとなっており、先ほどのイタリア、フランスと続く。

オーストラリアとニュージーランドで、輸入量の73%を占めているが、百貨店のチーズ売り場であまり見かけることはない。一体どこに消えたのか。

実は、オーストラリアとニュージーランドで合計6万1000トンが日本でプロセスチーズの原料として使われているのである。港から直接日本の乳業メーカーのチーズエ場に送られるのである。残りのオーストラリアやニュージーランドのナチュラルチーズは、粉チーズや細片チーズ、冷凍チーズの形態で輸入され、業務用に使われるのである。ピザチェーン店や宅配ピザ店、イタリア料理店などで姿を変えることになる。
私たちの目には見えないナチュラルチーズの流通があるのである。

チーズ類
1997年度に輸入されたチーズ類は17万1000トンで、これまで輸入量では1位であったアメリカを抜き日本が最大のチーズ輸入国となっています。このうち。プロセスチーズは3000トン強で、ほとんどはナチュラルチーズでした。ナチュラルチーズは輸入後プロセスチーズの原料として使われるもの(約6万1000トン)と直接消費されるものとがあります。

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