目次

1.残留農薬

殺菌剤・殺虫剤・除草剤の残留
農薬には病気を防ぐ殺菌剤、害虫を防ぐ殺虫剤、雑草を防ぐ除草剤などがあり、約300種が国から認定されています。
残留農薬の不安は、野菜・果物などへの残留、肉顛などへの残留、ポストハーベスト農薬残留です。もう少し説明しましょう。

①野菜・果物への残留不安
出荷するための野菜・果物は、農家自身は食べないと言われるくらい、農薬が使われている野菜や果物もあるようです。そういう農薬が分解しきれずに残留している不安があります。とくにハウス栽培野菜は農薬の使用量が多く、紫外線による分解性も悪いので、その残留が不安です。

②肉類への有機塩素系農薬残留不安
数十年価に使用が禁止されている農薬は、分解性が悪いために上に残り、稲が吸収すると稲わらに、海に流出すると魚を汚染します。
これらでつくった飼料を食べた牛や豚や鶏を汚染し、とくに肉の脂肪にたまる不安があります。

③ポストハーベスト農薬残留不安


以上が残留農薬不安ですが、厚生労働省は現在、食品の残留農築検査の基準を、138農薬と130農作物に対して行っており、今後、200農薬に残留基準を増やす予定です。しかし検査率が低いことなどから、不安解消にはほど遠いのが現状です。

なお、農薬の人体への不安は、発ガン性、遺伝赤性、奇形性(健常な子が生まれない)などです。


野菜の硝酸塩
化学肥料過使用による残留
化学肥料の使いすぎ、大気中の窒素酸化物の増加などから、同濃度の硝酸塩を含んだ野菜(とくに葉物類)が多くなりました。硝酸塩は口中の唾液、常温保存、加熱などによって硝酸塩に変化し、体内に入ってジアミン数(魚介に多い成分)と反応してニトロソアミンという発ガン性物質となる不安があります。なお、有機栽培では野菜の硝酸塩は少なくなります。


抗菌性物質
合成抗菌剤・抗生物質の残留
抗菌性物質とは、合成抗菌剤と抗生物質のことです。牛・豚・鶏や魚への汚染の不安が問われています。

牛・豚・鶏での不安
添加物として飼料に混ぜたり注射したりして、それが肉や内臓などに残ります。
魚での不安
過密養殖による魚類の疾病予防と沿療のため、飼料に混ぜたりして、それが魚に残留する不安です。

抗菌性物質の人体への健康被害は、アレルギーと薬剤耐性が繁殖する不安です。


女性ホルモン
ホルモン剤の残留
雄牛の肉を雌牛並みの柔らかい肉に仕上げるため、耳根部皮膚下に女性ホルモンを埋め込みます。それが肉に残留する不安です。
女性ホルモンの不安は、女児の第2次性徴(乳房が大きくなったり、生理が早くなったりするなど)を促す恐れと、女性が摂取すると発ガン性が高くなることです。

BSE牛海綿状脳症(いわゆる狂牛病)
罹患牛からの感染
2001年、BSEの疑いがある乳牛が日本で発見され、BSE牛海綿状脳症(いわゆる狂牛病)と断定されました。

BSEは、1986年にはじめてイギリスで発見され、その後、ヨーロッパに広がった謎の病気です。からだの中にあるプリオンというタンパク質が、何らかの理由で異常な形に変化したときに発生すると考えられています。

牛がBSEにかかる主な原因は、飼料中の肉粉と考えられていますが、はっきりしていません。BSEの不安点は、罹患牛を食べたときに、この病気が人に感染する可能性が高いことです。危険な部位は、脳、脊髄、目、腸位部(小腸の後の部分)となっています。

BSEが人へ感染する可能性は高いのですが、たとえ罹患牛でも私たちが通常食べている牛肉や乳製品には問題が少なく、人への感染リスクも少ないといわれていること、また、2001年以降、BSE検査が全国に実施されていることで、あまり神経質になる必要はないと考えられます。

なお、残念ながら、2004年3月現在、国内で2頭目の発生が報告され、
2003年にはアメリカでも発見されています。


2.食品添加物
加工・保存・着色・酸化防止など約1530品目の不安
食品添加物とは、食品の加工や保存のために製造の過程で添加するものです。
色鮮やかに見せるためのもの、腐敗を防ぐためのもの、味つけに使われているもの、酸化を防ぐためのものなど、種類もいろいろ
です。

日本の食品添加物は、厚生労働大臣が安全性と有効性を確認して指定した「指定添加物」が338種類(2003年現在)と、天然添加物として使用実績が認められた「既存添加物」が489品目、天然香料が約600種類、一般飲料用添加物(添加物の用途にも使われる食品)が約100品目、計約1530品目が使われています。

最近は認可添加物を含む香料事件や、肉まんに無認可酸化防止剤が混入されていた事件が世間を騒がせました。
食品添加物の不安は、次の2点を考えるとよいと思います。

人体への害
基本的には発ガン性です。カルシウム不足を招いて、骨の形成異常や、鉄分の吸収を阻害して貧血を引き起こす恐れのあるリン酸塩のような添加物もあります。
最近は万病のもとである活性酸素を発生させる原因のひとつが添加物であるともいわれています。

人格形成への害
添加物、とくに保存料(ソルビン酸カリウムなど)を使うと、味が一段と悪くなります。そこで今度は、塩辛くしたり、旨味調味料(グルタミン酸)をたくさん入れて味をごまかすことになります。つまり、いろんな種類の食品を食べているようでも、実は限られた同じような味ばかり味わっていることになります。

同じ味ばかり味わっていると、味覚細胞の同一細胞ばかりが発達したり、その部位だけが刺激を受けるといわれます。すると他人の立場を考えなかったり、視野の狭い性格を生んだり、常に欲求不満のイライラ暴力人間(いわゆるキレやすい人間)が生まれやすいといわれます。
最近の暴力事件の原因が、食生活にあるのではないかといわれるのもうなずけます。


3.輸入食品
日本での使用禁止農薬・添加物の残留
では、輸入食品には、どんな不安があるのでしょうか。

①日本で禁止されている農薬使用の不安
日本で禁止されている農薬が、アメリカでは許可され散布されています。また日本と比較すると、諸外側、とくにアメリカの農薬残留基準が低いことが多く、肉にも残留していることがあります。

②ポストハーベスト農薬の不安
収穫後に農薬などの薬剤を使用するポストハーベスト農薬は、日本では認められていません。禁止されている農薬の残制濃度の高い検出例があるにもかかわらず、日本ではそのチェック体制ができていません。
また、アメリカ国内では使用が禁止されている臭化メチルが日本向け農作物に使われ、検出もされています。

③日本で認められていない添加物使用の不安
輸入レモンや輸入オレンジなどには、防カビ剤は必ずといっていいほど使用されています。また、アメリカではレーズンやプルーンのカビを防ぐため、本来は農薬であるキャプタンが添加物として使用が認められ、検出もされています。

④遣伝子組み換え作物の不安

⑤中国からの輸入冷凍ホウレンソウや野菜から
基準値を超える残留農薬が検出された不安
中国から輸入した冷凍ホウレンソウの一部から、有機リン系農薬(クロルピリホス)や有機塩素系殺虫剤(ディルドリン)が、検出され、また、ほかの野菜(サヤエンドウ、シソ、ニラなど)からも基準値を越す有機リン系農薬が検出されました。

これは、食品衛生法上の輸入検査の対象になるのは、残留推準のある生鮮野菜のみで、下ゆでした冷凍食品などは加工食品扱いで検査対象にはならなかったことが原囚です。また、冷凍野菜でなくても輸入食品の検査体制が追いつけないうえに、たとえ問題があった野菜の流出を止めることができても、いまの食品衛生法では包括的に輸入禁止できなかったからです。
ちなみに2003年8月現在、検疫所に配設されている「食品衛生監視員」は、わずか264人です。


遺伝子組み換え食品
アレルギー物質及び生態系の変化

遺伝子組み換え作物とは、細胞の核で遺伝士情報を含むDNAから、「害虫に強い」「特定の除草剤に抵抗力がある」など、目的にあった遺伝子を取り出して、別の生物の細胞に組み込む技術で作った作物です。

日本では、現在、大豆、ナタネ、とうもろこし、じゃがいもが市場に出回っています。日本で販売されている遺伝子組み換え作物は、すべて輸入です。
遺伝子組み換え食品の不安点は、まずアレルギーの不安です。新しい遺伝子で生み出されたタンパク質が、アレルギーの新たな要因になる不安です。
このほかにも、生態系への影響不安などがあります。


食品の偽装表示
多岐にわたる違法
BSE対策で、牛肉買い取り制度を悪用した食品偽装表示以来、表示の偽装が続出しました。

たとえば、原産地表示を偽装したJAS法違反事件では、輸入牛肉を川床牛肉と偽装した事件、ブラジル産鶏肉を国産に偽装した事件、アメリカ産豚肉を「国産」と表示していた事件、「松坂牛」や「米沢牛」と表示したコンビーフ缶詰に別の牛肉を混ぜていた事件、韓国輸入カキの産地偽装事件、十三湖産シジミに他の湖産シジミを混入した事件、ブランド米100%と表示しながら産地や銘柄の異なる米を混ぜた事件などなどです。

また、不正競争防止法違反では、無農薬飼料飼育産直若鶏に抗生物質使用の鶏肉を使用していた事件や、遺伝子組み換え「不使用」表示の商品から、遺伝子組み換え農作物のDNAが検出された事件などがあります。


4.環境ホルモン
容器包装・環境汚染物質による食品汚染
環境ホルモンとは、外因分泌撹乱化学物質のこと。外から人間のからだに入り、ホルモンのような作用をする化学物質のことをいいます。容器包装から溶け出して食品を汚染する場合と、環境汚染物質によって食品が汚染される場合とがあります。


容器包装から溶出による食品汚染の不安
容器包装から溶出する環境ホルモン物質は、ビスフェノールA、フタル酸エステル、スチレンダイマー・トリマーがあります。

*ビスフェノールA・ポリカーボネート樹脂の原料です。女性ホルモンと同様の作用をします。ポリカーボネート製の食器や哺乳瓶から溶け出すことがあり、学校給食の食器で問題になっています。

*フタル酸エステル、塩化ビニール剤(柔らかさや弾力を出す添加物)
*スチレンダイマー・トリマー・ポリスチレン樹脂に含まれています。女性ホルモンと同様の作用をします。発泡ポリスチレン製のカップ麺容器から溶け出すことがあります。

環境汚染物質による食品汚染物質
ダイオキシン、PCB、クロルデン、DDT、トリブチルスズ(有機スス化合物)などがあります。PCBやクロルデン、DDT、トリブチルスなどは現在生産が禁止されていますので、一番問題なのはダイオキシンです。
*ダイオキシン
水素・炭素・酸素からなります。これらの入ったゴミを燃やすことなどにより発生します。このため、塩化ビニールの使用を制限すべきだとの意見があります。発ガン性などがあり、大気を汚染したダイオキシンが、土地や海水を汚し、畜産動物や魚類の脂肪にたまって、人体に害を与える不安です。


5.活性酸素
細胞などに強力な酸化物質が発生
活性酸素は呼吸によって取り込んだ酸素が変化して、細胞などを強く酸化させる酸素のことをいいます。

活性酸素は、ガン、脳卒中、狭心症、心筋梗塞、アトピー性皮膚炎、肝炎、痴呆症など、原因のもとといわれています。
活性酸素が体内で発生する原因には、タバコや大気汚染物質の摂取や紫外線、電子レンジなどの電磁波やストレスなどがあります。なかでも大きな原因のひとつに、口に入れる異物、いわゆる食品添加物や農薬、抗菌性物質などがあります。

体内に発生した活性酸素を防ぐには、活性酸素を消す抗酸化物質(スカベンジャー)が必要になります。これにはまず体内にスカベンジャー酵素をつくり、これで活性酸素を消します。さらに残った活性酸素は、スカベンジャービタミンで消します。それでも消しきれないときは、スカベンジャー成分で消します。

これらスカベンジャー酸素をつくり出す成分やスカベンジャービタミン、スカベンジャー成分を含んだ料理を、スカベンジャー料理といいます。
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