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卵はコレステロールを体外に排出してくれる
1.卵は肉よりもすぐれたタンパク源
卵にはコレステロールがたくさん含まれています。だからといって卵は1日1個にすべきというのは、まったく根拠がありません。卵1個の熱量は80キロカロリー程度ですから、1日に何個食べてもカロリーオーバーになる心配はまずありません。

それよりも、卵は積極的に食べたほうがいいのです。卵はタンパク合成がとてもいい食べ物で、タンパク源としては肉よりもいいといえます。
卵には、ヒヨコに成長するまでに必要な成分がすべて揃っています。コレステロールは細胞膜やさまざまなホルモンをつくるために必要不可欠な材料であり、卵にたくさんのコレステロールが含まれているのは、ヒヨコが成長するために必要だからです。

母乳、なかでも初乳にはコレステロールがたくさん含まれています。これは赤ちゃんの成長にコレステロールが必要だからです。
コレステロールをしっかりと摂取していなければ、正常な体の発達、とくに神経の発達は望めませんし、ヒトもヒヨコも健康に育ちません。

2.卵を食べても血中コレステロール値は上がらない
私たちが食品から摂取するコレステロールの量は、体内にあるコレステロールの約20%にすぎません。残りの80%が肝臓でつくられています。食事によるコレステロール摂取が増し、肝臓などに取り込まれると、肝臓でのコレステロール合成は抑制され、血中のコレステロール値がある程度以上に増えないようになっているため、コレステロールを多く含む鶏卵などを摂取しても、血中のコレステロール値はあまり増えません

逆に卵に含まれるレシチンがコレステロールを体外に出す
動脈硬化の原因はコレステロールそのものにあるではなく、活性酸素によってリポタンパクが破壊され、LDLコレステロールが酸化してしまうことにあります。ですから、動脈硬化にならないようにするには、コレステロールの摂取量を減らすより、活性酸素を退治してくれる物質を摂取してリポタンパクを守るか、あるいは破壊されてゴミになってしまったコレステロールを体外に出す方法を考えるべきです。

普通、体内の不要物は、大便か尿に混じって排泄されます。ところがコレステロールは水に溶けないため、腎臓では処理できません。そのため、胆汁に混じって捨てられます。

ただし、そのためにはレシチンという物質と一緒になる必要があります。HDLコレステロールはレシチンを多く含んでいて、破壊されても、すぐにレシチンがコレステロールを道連れにして体内から出て行ってくれます。

一方、LDLコレステロールは少量のレシチンしかもっていません。とはいえ、レシチンは卵の黄身や大豆などの食品に含まれていて、これらを十分に食べていれば、余分なコレステロールは適切に処理され、アテロームが発生することもありません。

実は卵の黄身には、コレステロールの数倍のレシチンが含まれているのです。
レシチンを十分に摂取していれば、コレステロールを体外に出してくれますから、コレステロールが胆襄に溜まって胆石になることもありません。
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