目次

1.人の健康に対する影響を評価する
食品安全委員会

内閣府の機関であり、委員の選定と議題の取捨選択を行う事務局は農林水産省と厚生労働省の官僚により構成されています。事務局長は農林水産省の出向者の指定席です。委員は7人で、国会同意人事であり、委員長は委員の互選です。事務局は内閣府のある東京都千代田区ではなく、東京都港区赤坂にあります。官僚はおよそ60人で構成され、各種の専門調査会には非常勤を含めておよそ100人の医師と科学者が所属しています。

その役割は、「国民の健康の保護が最も重要であるという基本的認識のもとで、規制や指導等のリスク管理を行う関係行政機関から独立して、科学的知見に基づき、客観的かつ中立公正に食品健康影響評価(リスク評価)を行う機関です。

リスク評価は、具体的には、食品に含まれる可能性のある病原菌、添加物、農薬などの危害要因が、人の健康に与える影響についての評価を実施します。また、必要がある場合は、関係大臣への勧告なども行います。

さらに、食品の安全性について、消費者、食品関連事業者などの関係者相互間における情報及び意見の交換(リスクコミュニケーション)を推進するとともに、重大な食品事故が発生した場合等の緊急の事態への対応などを図っていきます。

2.各国の機関
欧州食品安全機関(European Food Safety Authority : EFSA)は、EU加盟国等からのリスク評価の依頼を受け、該当する専門調査会で検討した後、結果を回答する仕組みとなっています。
一方、米国では、主に農務省(USDA)、厚生省(HHS)が食品安全行政を担っており、リスク管理を行う政府機関とリスク評価を行うそれとは区別されておらず、例えば、農務省の中にリスク管理を行う部門とリスク評価を行う部門が存在します。

我が国では、BSEの発生や輸入野菜における農薬の残留問題等を契機に、リスク評価の機能をリスク管理機関から分離し、平成15年7月1日に内閣府に食品安全委員会を設置し、当委員会において、中立公正な科学的評価を行うこととしました。



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