缶詰やインスタントを少しでも安全に食べるポイント
ビスフェノールAなどの環境ホルモンは、体内のホルモンバランスを崩し、生殖異常などを引き起こすとされています。
とくに注意しなければいけないのは、妊娠している場合です。生まれてくる子どもに環境ホルモンが影響を与えると、胎児に障害が出る可能性があるからです。
これに加えて、缶詰やビン詰食品の中身の問題もあります。ミカンやパイナップルなどの果実やアスパラガスなど野菜の缶詰は、 海外で加工されたものが多く、 日本では許可されていない農薬が残留している商品が、 検査をくぐりぬけている危険性があります。
煮物など魚の加工品は、 養殖魚や輸入魚を使っていることが多く、 エサに混ぜられた抗生物質などが残留している恐れがあります。
とくに注意が必要なのは?
新鮮さではかなわない食品ですので、見た目をよくし、保存性を高めるために、さまざまな食品添加物が加えられています。
缶詰やビン詰食品に使用されている添加物は、ほかの食品にも広く使用されています。とくに、亜硝酸ナトリウムとソルビン酸やソルビン酸カリウムを同時に摂取すると、 強い発ガン物質が生成されます。
ソルビン酸がよく使われている缶詰やビン詰食品と、 亜硝酸ナトリウムがよく使われているハムやウインナー、 ベーコンなどの肉加工品、 はんぺんやちくわなどの魚肉練り製品などを同時に食べるときには、注意が必要です。
危険な添加物は汁に溶け込んでいると考えられるので、汁は捨ててから食べることもポイントです。そのまま食べるのではなく煮たり焼いたりして油や汁の中に添加物を溶けさせて食べるようにします。
2.インスタント麺
いつも店の前に行列ができている人気のラーメン店がブームになっています。そんなラーメン店の独自の味が再現されていることを売りに、カップ麺の世界でも新商品が矢継ぎ早に出るなど、実店舗さながらの激しい競争が繰り広げられています。
しかし、添加物を減らしたり、化学調味料を使わないといった健康に配慮した競争はほとんど行われていないようです。
カップラーメンをわずかに彩るのが、かやくと呼ばれる具。エビなどの魚介類や、肉、卵などを楽しみにしている人もいるでしょう。しかしこれらは、店頭に並べることができないワケありの養殖魚や、病気にかかった家畜などから作られている可能性があります。利益を出すには安い材料が必要で、加工してしまえば元の姿はわからないからです。
また、スープには化学調味料が使われています。
めんに使用される小麦は、アメリカやカナダからの輸入小麦が使用されているケースがほとんどです。
輸入小麦には、日本で使用が禁止されている農薬や、強烈な毒性をもつポストハーベスト農薬が残留している恐れがあります。アメリカ産小麦の場合、さらに遺伝子組み換え小麦が使用されている恐れもあります。
このような質の悪い原材料を寄せ集め、添加物や化学調味料によって、見た目や香り、味を調えて出来上がっているのがインスタント麺やカップ麺です。
ビタミンやミネラルの欠乏と、塩分のとりすぎによる成人病、化学調味料による味覚障害などを引き起こす可能性もあり、食品として決してふさわしいものとはいえません。
さらに、カップ麺の容器には、スチレンを原料とする発泡スチロールが多く使用されています。 お湯を注いだときに、この容器から環境ホルモンの一種であるスチレンダイマー、スチレントリマーが溶け出します。
また、ふたの多くはアルミやラミネートでコーティングされていますが、それらにも環境ホルモンであるフタル酸化合物が含まれています。
環境ホルモンは、動物のオスがメス化するといった生殖の関係に異常が出ることが強調されていますが、精神活動や知的活動についても影響を及ぼすのではないかという研究もあります。とくにスチレンは、
ラットの実験でじっとしていられない多動症を引き起こすことが証明されています
何よりも食べないことがいちばんの対策ですが、どうしても食べたい場合は一手間かけるようにしましょう。カップ麺なら、まず紙製の容器を使っている商品を選びます。そして一度、熱湯を入れ、1分ほどたったところでその熱湯を捨てて、あらためてかやくや調味料を入れて熱湯を注ぎます。こうすると、添加物を減らすことができます。
生めんタイプのカップ麺には、めんの保湿のために、プロピレングリコールがしばしば使用されています。プロピレングリコールは、化粧品などにもよく使われていますが、発ガン性、染色体異常が確認されている物質で、肝臓や腎臓に障害を起こすため、ドイツなどでは食品への使用が禁止されています。
こうしたカップ麺を食べるときには、麺だけを一度、鍋でゆでこぼしてから、どんぶりに移してかやくとつゆを加えるようにしましょう。同様に、スチレンを含む発泡スチロール製の容器のカップ麺を食べる場合も、 容器は使用せずに鍋で作るようにしたほうがいいでしょう。