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健康食品の栄養成分をあいうえお順で表示
目次
1.健康食品の栄養成分をあいうえお順で表示
アガリクスブラジル・サンパウロ郊外のビエダーテ山地に自生するキノコで、学名「アガリクス・プラゼイ」。日本では「ヒメマツタケ」「カワリハラタケ」などと呼ばれることもあります。
特産地に生活習慣病の人が少ないことから調査が進められ、1965年にサンパウロで初めて栽培に成功。かつて幻のキノコといわれていたアガリクスですが、現在では少量ながら日本でも栽培されています。
強い抗腫瘍作用、免疫増強作用で注目されるキノコ特有の食物繊維、β―D―グルカンが豊富で、その含有量はキノコの中で最多といわれます。
たんぱく質、各種ビタミン、各種ミネラル、血中のコレステロールを下げて動脈硬化を予防するリノール酸、老化を防ぐリン脂質なども含まれています。
がん細胞の萎縮・消失、また生活習慣病、自律神経失調症、月経不順、更年期障害、泌尿器系疾患、アレルギー疾患などによいとされるのは、健康維持に役立つこれらの多様な有効成分の働きが期待されるためです。がんの治療効果などについては臨床例も報告されています。
アセロラ
30年ほど前のアメリカのビタミンCブームを機に注目されはじめた、カリブ諸島特産の果物です。現在、天然のビタミンC源として広く利用されています。
アセロラの成熟果実の可食部100g当たりのビタミンC含有量は、1000~2000mg。特によく熟したものでは、4000mg以上含まれていることもあります。みかん(温州みかん)のビタミンC含有量が100g当たり35 mg、レモン(全果)が同90mgですから、いかにビタミンCが多いかがわかります。ビタミンCの補給には最適といえるでしょう。
ビタミンCの働きとしては、シミやソバカスなどの色素沈着を防止する、免疫力を高めて感染症にかかりにくくする、ストレスヘの抵抗力を増す、発がん物質の生成を抑制する、アルコールやニコチンの作用を緩和する、鉄の吸収を助けて貧血を予防するなどが知られています。
イサゴール
オオバコ科のサイリウムという植物の種子から精製した水溶性の食物繊維です。「サイリウム種皮」「プランタゴオバタ種皮」ともいわれ、ヨーロッパでは古くから民間緩下剤として使用されています。
白い粘質性の外皮に覆われたサイリウムの種子は、水を加えると水を吸収してふくれ、ツルツルした無色の粘欄物質に変わる性質があります。水とともに服用すると、胃腸内でこの変化が起こり、トコロテン様の粘利物質が便の量を増やしたり、便通をよくしたり、血液中の余分なコレステロールを排出したりします。
ふくれあがった粘桐物質が満腹感を与えるので、食べすぎが抑制できるという効果も期待できます。
イチョウ葉エキス
東洋のみに分布するイチョウの葉を乾燥させ、成分を抽出したものです。1960年代に西ドイツで製剤化され、欧米では広く使われていましたが、日本で注目されるようになったのは15年ほど前です。
イチョウ葉エキスには、ケルセチンやカテキンをはじめとする10数種類のフラボノイドのほか、ルチン、クエルシトリン、テポニン、シリマリン、ほかの植物にはないギンコライドなどが含まれています。
これらの成分は、末梢動脈を拡張して血液の流れをよくする、血管を文夫にする、活性酸素の発生を防ぐなどの作用があり、高血圧、がん、脳卒中、糖尿病など主に生活習慣に由来する病気や、アレルギー症状、また記憶力低下、動作緩慢といった老人現象、老人性痴呆、アルツハイマーなど加齢に伴う症状に効果があることが明らかになっています。
ニトログリセリンのような薬と違って、狭心症の急激な発作時には対応できませんが、長期の服用により、心筋梗塞の予防、症状改善なども期待できます。
エゾウコギ
ロシア名で「エレウテロコック(命の根)」、中国名で「刺五加(シゴカ)」と呼ばれるエゾウコギは、高麗人参と同じウコギ科に属する濯木です。シベリア、中国北東部、北朝鮮、日本では北海道東部など厳寒の地に自生しています。薬効が期待できるのは、根や茎の部分です。ロシアや中国ではエゾウコギの研究が盛んで、ロシアでは心臓病やがん、糖尿病などの医薬品、中国では強精・強壮用の医薬品として使用されています
主要成分は、エレウテロシドA~Gと名づけられた7種類のトリテルペイド配糖体。そのほか、生理活性成分として、血中コレステロールをコントロールするステロール、血圧を下げたり自律神経のバランスを回復したりするクマリン、抗疲労作用・興奮作用を持つシリンジン、抗酸化作用や心臓の冠状動脈拡張作用を持つフラボノイドなどが含まれています。
それらの成分の効用としては、代謝促進、疲労回復、強壮、食欲増進、精神安定、集中力向上、ストレス・病気・アルコールなどへの耐久力・抵抗力強化、血圧調整、がん予防などが知られています。
オウセイ
中国原産のユリ科の多年草で、黄精という漢字が当てられています。
根茎に薬効成分が含まれており、漢方では滋養強壮の生薬として古くから有名ですが、近年の動物実験で体験的に得たその効能が科学的にも証明されはじめ、最近は健康食品としてもブームになっています。
茎根部の主成分は粘液多糖質で、カルボン酸、アスパラギン酸、ニコチン酸なども含まれています。
漢方では、滋養強壮薬として、病後や産後の体力衰弱時、疲れがたまっているとき、慢性病による食欲不振で栄養バランスが崩れているときなどに古くから用いています。また、呼吸器系の機能をよくしたり、血圧を下げたり、動脈硬化を予防したり、糖尿病や痛風を改善したり、結核菌に対する抑制力をつけたりする効果もあるとしています。
血圧や血中コレステロールのコントロール作用、抗菌作用などについては、近年の動物実験でも明らかになっています。
オオバコ
全国各地にある多年草で「車前草」と表記されます。種子、葉、茎に神経伝達物質のアウクビン、コリンフラボノイドなど、またビタミンA、C、Kなどを含み、古くから薬効のあることが知られます。
主な効用としては利尿、鎮咳・去痰作用などで、腎臓病やぜんそくなど気管支系疾患の改善に効果が期待されます。胃腸病、動脈硬化、眼精疲労、肥満にもよいとされます。
カッコン
マメ科つる性の多年草、クズの根を乾燥したものです。有効成分には薬理作用を持つダイドゼインと呼ばれる物質が含まれています。日本では風邪の治療薬として漢方の「葛根湯」がよく知られます。主な作用としては、鎮痙作用、解熱作用、血管拡張及び増血作用が期待されます。
なお、クズ粉は葛根からでんぶんを抽出したもので、クズ餅などの原料として食用にも用いられます
花粉
ミツバチがミツを求めて花の中に入ったとき、からだ中についた花粉を足で集め、唾液やミツで固めたもので、「花粉だんご」とも呼ばれます。
欧米では50年ほど前から健康食品として注目されていましたが、その後の臨床治療で多くの効果が期待できることが明らかになっています。
アミノ酸をはじめ、各種ビタミン(A、B群、C、Eなど)、各種ミネラル(カリウム、カルシウム、リン、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅など)、フラボノイドの一種であるルチン、抗菌性物質、各種酵素、成長促進因子成分など、わかっているものだけでも数十種類を超える栄養素、機能性物質が含まれています。その多彩な成分から栄養価が高く評価され、欧米ではパーフェクトフーズ(完全食品)とも呼ばれています。
効用としては、子どもの成長促進、新陳代謝促進、体力回復、強壮、食欲増進、消化・吸収促進、慢性便秘改善、貧血改善、毛細血管の強化、精神安定、更年期の不快症状の改善、前立腺炎や前立腺肥大の改善などが認められています。
カミツレ
ヨーロッパを原産とする野菊の一種で、「力モミール」とも呼ばれます。古くから薬用ハーブとして用いられた歴史があります。
特に花の部分にはカプリン酸、ノニル酸など生理活性物質が含まれ、鎮痛。鎮静作用、解熱。消炎作用、消化促進、睡眠誘導、生理不順をはじめとする婦人病の改善などの効能のあることが実証されています。
今日では健康補助食品、ハーブティー、化粧品、医薬品などの分野で広く活用されています。
ギムネマ・シルヴェスタ
インドや東南アジアに自生するガガイモ科のつる性植物。インドの伝承医学では、2500年も前から糖尿病に効くハーブとしてギムネマ・シルヴェスタを用いていましたが、20世紀に入り、その効能が科学的に証明されています。
最近は、ダイエット効果でも注目されています。
ギムネマは糖を壊すものという意味。ギムネマ・シルヴェスタの葉をかむと、1~2分で甘みだけを感じなくなり、回復に1~2時間かかります。これは、葉に含まれるギムネマ酸の糖分吸収抑制作用によります。食事をしても、ギムネマ・シルヴェスタといっしょなら、小腸からの糖分の吸収が抑制されて、糖分を摂取しないのと同じ効果が得られ、血液中の血糖値が下がるというわけです。舌に砂糖の甘みを感じなくなるため、ケーキなどの菓子が味気なくなって食べたくなくなり、エネルギーも無理なく制限できます。肥満や糖尿病のコントロールに有効とされるのは、そのためです。
そのほか、便通をよくする、虫歯菌の持つ酵素の活性を阻害して歯垢ができるのを防ぐといった効果も期待できます。
クコシ
ナス科の落葉小低木クコの成熟果実を乾燥させたものです。
漢方では、古くから不老長寿の生薬として用いられています。
果実のほか、クコは、「地骨皮(じこつぴ)」と呼ばれる根の皮、「拘杞葉(くこよう)」と呼ばれる葉も漢方に処方されます。根の皮では解熱、強壮、鎮咳、去痰など、葉では高血圧予防、動脈硬化予防、冷え症改善などの薬効が知られています。
「延命茶」の別名があるクコの葉のお茶は、ティーバッグでも市販されています。
血行を促進するベタインやゼアキサンチン、疲労した神経を興奮させるアルカロイドをはじめビタミンA、B1、B2、C、カルシウム、鉄などが豊富に含まれています。
効能としては、肝臓を保護する、体力をつける、めまい、かすみ目、視力減退、老眼進行といった目のトラブルを改善するなどが知られています。肝臓に対しての作用については、肝細胞内への脂肪の沈着を防ぎ、肝細胞の新生を促進することが動物実験によっても明らかになっています。
ケツメイシ
別名を「エビスグサ」。
マメ科の一年草「決明子」の種子を乾燥したものです。
成分にアントラキノン誘導体と呼ばれる物質が含まれ、主に視力回復や目の症状改善作用をはじめ、便秘改善、強壮作用などの効能があるとされます。また、緩やかな血圧降下作用も期待されます。
コンフリー
「ロシアムラサキグサ」「ヒレハリソウ」の別名があります。
この牧草を野菜として常食しているロシアのコーカサス地方の人がおしなべて長寿であることに着目し、その効用を明らかにした学者が奇跡の草と称し、世界に広めました。
緑の葉っぱを持つ葉緑素食品の一つです。春から秋にかけての若葉には、ビタミンA (β―カロテン)、ビタミンB群(B1、B2、B6、L)、ビタミンC、ビタミンE、カルシウム、鉄など、多彩なビタミン、ミネラルが含まれています。なかでも、悪性貧血に有効なビタミンB‐2が、植物では例外的に豊富に含まれているところが特徴といえます。
また、コンフリーの葉の細かい毛状の部分には、葉緑素(クロロフィル)の一成分である有機ゲルマニウムもたっぷり含まれています。有機グルマニウムは、酸素を体内にくまなく送り届けるために欠かせない元素で、肺がん、胃潰瘍、心筋梗塞、脳卒中、小児ぜんそく、てんかんなどの改善効果が期待できます。
サフラワー
ヨーロッパ、アジアの各地で見られるキク科の1~2年草で、「紅花(べニバナ)」「末摘花(スエツムハナ)」とも呼ばれます。日本では、山形県などで栽培が盛んです。
古代エジプトやインド、中国ですでに薬効が認められていた植物で、全草が食用、薬用として、また花は口紅、頬紅といった化粧品の紅の原料、食品や布の染料としても利用されます。
種子から抽出する油は、血中コレステロールを下げるなどの効果があるとして注目されています。
サフラワーの花には、黄色色素のサクロールイエロー、紅色色素のカルタミン、リグランなどの成分が含まれています。
薬効としては、血液をきれいにし、循環をスムーズにする作用が古くから知られています。漢方では、骨盤内に滞留した″気″と血のめぐりをよくする浄血剤として用いられており、特に生理痛、生理不順、貧血、冷え症、更年期障害など女性特有の症状、女性に多い症状の改善に有効としています。
また、動物実験により、長時間にわたって血圧を下げたり、冠状動脈や末梢血管を拡張して血液の流れをよくする作用があることも報告されています。このことから、高血圧や動脈硬化の改善、狭心痛の緩和などの効果も期待できます。
なお、葉には、がんや心筋梗塞を予防する抗酸化物のフラボノイドが含まれています。サフラワー油(ベニバナ油)の原料になる種子には、必須脂肪酸のリノール酸やビタミンEが豊富に含まれています
三七にんじん
高麗人参と同じウコギ科の多年草です。種子を蒔いてから3~7年経たないと収穫できないところから、「三七人参」の名がついています。単に「三七」と呼んだり、「田七(デンシチ)」「田七人参」「田三七」などと呼ばれることもあります。
中国では古くから民間薬として止血などに利用していましたが、虚血性心疾患やがんへの有効性も認められ、さらなる注目を浴びています。
数種のジンセノシド、パナキシノールなどが含まれており、これらの成分が複合的に作用して局所の血管を収縮し、出血時間を短縮することがわかっています。昔から潰瘍や外傷の止血、鎮痛に用いられていますが、体験的に得た薬効が科学的に裏づけられたといえます。
また、中国の研究で、田七ケトンという特殊成分も発見されています。田七ケトンには、心臓の冠状動脈の血液量を増加させ、同時に心筋の酸素消費量を減少させて、心臓の負担を軽減する、血液中の脂質量やコレステロールを減少させるなどの作用が認められています。このことから、中国では、狭心症、心筋梗塞、動脈疾患などの治療にも用いています。
日本での三七人参の薬効についての研究も盛んで、皮膚がん、肺がん、肝臓がんを抑制する効果が発表されています。
サンソウニン
中国原産のクロウメモドキ科の落葉樹サネブトナツメの成熟種子です。漢字では「酸棗仁」と表記しますが、果実が酸っぱいところから酸棗の字が当てられています。
漢方では鎮静作用のある生薬として分類され、不眠症などに処方しています。
リノール酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸、ペヘン酸、ストテリンといつた各種脂肪酸、たんぱく質、サポニン配糖体などが含まれています。
薬効としては、中枢神経を抑制する作用、鎮静・催眠作用、持続的な血圧降下作用などが知られています。ただし、炒って油成分を揮発させると、気持ちを落ちつかせる作用はなくなり、逆に神経を興奮させる作用を持つようになります。乾燥させた種子が漢方薬局で入手できます。
サンヤク
ヤマイモ科のナガイモの根茎を乾燥したもので、漢方では「山薬」として滋養強壮・強精、健胃・整腸などの薬効が知られます。主成分はでんぷんですが、アミラーゼ、ジアスターゼなどのでんぷん分解酵素を多く含むほか、粘り気のもとになるムチンには、たんぱく質の吸収を促進する働きがあります。そのため食用としても、疲労回復、消化促進、胃腸虚弱、下痢止めなどの効果が期待できます。
スクワレン
スクワレンは、深海に生息するサメの肝臓に含まれる肝油の90%を占める油性物質。高水圧、低酸素、厳寒の劣悪環境で生きるサメの活力源と考えられています。深海ザメのうちでも、特にアイザメの肝油が良質とされています。
かつては化粧品の保湿成分として主に利用されていましたが、現在では健康食品として注目されるようになっています。
「深海ザメエキス」の名でも市販されています。
スクワレンは、人間の皮脂中やオリーブ油などにも存在する油脂で、新陳代謝を促す働きが知られています。また、酸素と結びつきやすい高純度の不飽和炭化水素であることから、体内で酸素をとり込み、各細胞へ酸素を積極的に供給する働きをするのではないかとも考えられています。さらに、スクワレンの大きな特徴として、表皮細胞への浸潤性、浸透性に優れていることもあげられます。
これらのことから、各臓器の機能を活性化する効果が期待され、特に肝臓病に対して有効であるとされています。胃や腸壁の潰瘍、炎症の改善、美肌保持に役立つことも報告されています。まだ科学的に承認されているわけではありませんが、抗がん作用があるとして注目されています。
セージ
シソ科の宿根草サルビアの仲間で、生の葉や乾燥した葉を利用します。葉には芳香性のあるビネン、シネオール、ボルネオールなどの精油類、タンニン、ロズマリン酸、エストロゲンなどの成分が含まれ、ヨーロッパでは古くから薬用植物として汎用されるハーブの一つです。効能としては、鎮静作用、疲労回復、胃腸の活性化、口臭予防、皮膚病予防、婦人病の諸症状改善作用などが考えられます。
タイソウ
日本ではナツメとして知られる、クロウメモドキ科落葉本の成熟果実を乾燥したものです。
有効成分として、糖質、リンゴ酸、酒石酸、サポニンなどを含み、漢方でも多くの生薬に処方されます。効能と作用では、健胃、強壮、利尿、補血、精神安定、疲労回復、不眠、婦人病の改善などが期待されます。
チョレイ
サルノコシカケ科のキノコ(チョレイマイタケ)で、食用のほか乾燥品は漢方薬の「猪苓(ちょれい)」として古くから用いられています。有効成分はまだ十分に解明されませんが、利尿、解熱作用をはじめ、腎臓病や泌尿器系の疾患に薬効のあることがわかっています。最近では、多糖体の一種であるβ―グルカンと呼ばれる成分に免疫性を高め、制がん作用のあることが報告されています。
冬虫夏草
ガ、ハチ、チョウ、セミなどの昆虫の幼虫に子嚢菌類が寄生し、虫のたんぱく質を栄養にして発生するキノコの一種です。
「冬虫夏草」の漢字が示すとおり、冬場は虫体で、夏に草状になります。
中国では古くから宮廷などで不老不死の妙薬として珍重されてきましたが、昨今は日本でも「がんに効く」と話題になり、手軽に利用できる健康食品がブームになっています。
寄生する昆虫の種類により異なりますが、マンニトール、エルゴステロール、抗菌成分のコルディセピン、ビタミンB‐2をはじめとするビタミン、ミネラル、アミノ酸、不飽和脂肪酸などが含まれています。効用としては、強壮強精、疲労回復、病後の体力回復、去痰、鎮咳、鎮静、貧血改善、心臓・血管系の強化、免疫力強化、血糖値コントロール、慢性腎炎改善などが知られています。抗がん作用についても、臨床実験で明らかになっています。
はちみつ
ミツバチが蓄えた花のミツを採取して精製したものです。
人類最古の甘昧料であると同時に、古代エジプト時代から薬用にも使われています。第一次世界大戦でドイツ軍が傷薬として用いたことも有名です。
主成分は果糖とブドウ糖で、たんぱく質、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE、カリウム、鉄、リン、カルシウム、さらに必須微量元素なども、少量ずつですが、含まれています。これらの成分は、いずれも体内に吸収されやすい形でハチミツに溶け込んでいるため、すぐにエネルギー源になり、疲労回復や病中・病後の体力回復に役立ちます。
そのほか、果糖やブドウ糖による強心、利尿、解熱、解毒、防腐効果、ビタミンLによる美肌効果、カリウムによる動脈硬化や高血圧の予防、改善効果、マグネシウムによる鎮静効果なども期待できます
ヒャクゴウ
中国の古典医薬品集「神農本草経(しんのうほんぞうきよう)」にも記載されている漢方
生薬のヒヤクゴウは、ユリ科ユリの地下にできる肥大した鱗茎をバラバラにして水洗いした後、熱湯を通してから日干しにしたものです。
オニユリ、コオニユリ、ヤマユリ、スカシユリなどの鱗茎は、乾燥させずにユリ根として食用にもされます。
食用ユリの日本での主産地は北海道や新潟で、冷蔵したものが1年中出回っています。
強壮効果や粘膜を保護する作用のある良質のでんぷんをはじめ、たんぱく質、脂肪、カリウムなどが含まれています。
コンニャクの主成分として知られる食物繊維のグルコマンナンも含有することから、生活習慣病を予防する効果も期待できます。
中国では、ヒャクゴウ病(一種のノイローゼで、何かにとり憑かれたように行往坐臥が定まらない状態)という病気を治すことからヒャクゴウの名がついたともいわれ、女性の更年期障害、自律神経失調症、ヒステリー、イライラ、ストレス、不眠などに対して精神安定の目的でも処方しています。
また、中国の動物実験で、咳を止める作用、ぜんそくをやわらげる作用が確かめられており、呼吸器の弱い人の体質改善にも役立ちます。
そのほか、効用として血行促進、利尿、去痰、鎮静、便秘改善などが知られています。ブドウ糖を多く含んでいるため、消化がよく、胃腸の弱い人も安心して利用できます。
マコモ
湖沼や河川などの水辺に群生するイネ科の多年草植物で、古代人は実、若葉、根などを食用にしていたと伝えられます。
現在、健康食品として利用するのは若葉を粉末にしたものですが、中国や東南アジアでは茎が肥大してタケノコ状になったものを食用にします。
有効成分としては、豊富な食物繊維のほか、葉緑素のクロロフィル、ビタミンB1、B2、鉄分、カルシウムなどです。主な効能としては免疫力の強化、糖代謝促進、血圧上昇抑制、性ホルモンの活性、消化器管の運動促進などによる便秘、胃腸疾患、高血圧、糖尿病などの予防と改善作用が期待されます。
マローエキス
牛や豚の骨髄を煮出した液を濃縮したもので、「骨髄エキス」とも呼ばれます。
中国や欧米に比べ、日本では動物の骨を食材として用いることは少ないのですが、骨の中の造血部分である骨髄には多種類の栄養成分がぎっしり詰まっています
細胞膜や脳・神経組織の成分となるリンたんぱく質やリン脂質、細胞を活性化するコラーゲンやコンドロイチン、神経を静穏にするカルシウム、増血効果のある鉄や銅、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンDなどが含まれています。
これらの成分の働きにより、脳の働きをよくする、肌を生き生きさせる、目の疲れを防ぐ、イライラを鎮める、貧血を予防・改善するなどの効果が期待できます。
そのほか、血中コレステロールを下げる働きもあるとされ、動脈硬化や高血圧の予防にも役立ちます。
ヨーグルトキノコ
牛乳にケフィア粒を加えて発酵させた、旧ソ連コーカサス地方発祥の発酵乳です。「ケフィア」あるいは「ケフィール」とも呼ばれます。
最初のケフィア粒はアラーがもたらし、イスラム教の開祖マホメットが広めたといわれています。現在、健康食品として、また病人の治療食として各国で広く用いられています。
乳酸菌、酢酸菌、酵母が共生するケフィア粒には、整腸、消化促進、便秘解消のほか、カルシウムの吸収を助けたり、がんの発生やがん細胞の増殖を抑える働きもあると報告されています。
また、ヨーグルトキノコは発酵食品であることから、常飲していると、肝臓の機能を改善する、免疫力を高めて感染症やストレスヘの抵抗力をつける、血栓を防ぐといった発酵による作用も期待できます。
栄養面での魅力も大きく、材料の牛乳に含まれる良質たんぱく質、カルシウムをはじめとするミネラル、各種ビタミンなどが摂取できます。
レイシ
サルノコシカケ科のマンネンタケのことで、漢字では「霊芝」と書きます。
非常に希少価値の高いキノコで、中国では古代より不老長寿の仙草として珍重してきましたが、1970年代に中国と日本で人工栽培に成功し、健康食品として広く利用されるようになっています。
具体的な薬効成分や作用のメカニズムのすべてがはっきりと解明されているわけではありませんが、注目の有効成分として、免疫力を高める多糖体、体内でビタミンDに変わってカルシウムやリンの働きを助けるエルゴステロール、腫瘍抑制作用を持つβ―グルカンなどが含まれています。
古くからいわれる強壮、肝臓保護、血圧降下、利尿、鎮咳、鎮痛、鎮静などの効用は、長期の摂取により、からだが本来持っている自然治癒力が高まり、免疫力が強化されるためと考えられています。
漢方では、血液の流れをスムーズにするとして、更年期障害、自律神経失調症、肩こり、腰痛、便秘、不眠などにも処方されます。
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