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下ごしらえで農薬やダイオキシンを減らす方法|調味料編
目次
- 1.塩によるしたごしらえ
- 2.酢による下ごしらえ
- 3.しょうゆによる下ごしらえ
調味料による下ごしらえ
1.
塩によるしたごしらえ「ふり塩」「たて塩」「べた塩」「塩じめ」など、塩の浸透圧によって野菜や魚などの水分を引き出し、とくに魚の生臭さをとります。このときに環境汚染物質などの有害物質を引き出し、減らすことができるのです。
とくに「べた塩」や「塩じめ」は、ふった塩が魚の表面の水分に溶けて濃い塩水になり、魚の内部の水分まで引き出され、臭みや有害物質も一緒に抜けます。ただし、塩をふって長く時間をおくと、引き出される水分や有害物質は増えるのですが、そのかわりに旨味まで流れ出てしまいます。おく時間には限度があります。
なお、塊をふっておいて、引き出された水分はペーパータオルでていねいにふき取りましょう。これも有害物質を減らすことにつながります。
ふり塩
塩をふりかけること、または塩味をつけるために材料に塩をふることです。塩を握り、材料の上から手をゆらして指の間から塩を散らします。
魚の場合は重量の2~3%の塩を調理の30分くらい前に、肉では重量の1%の塩を焼く直前にふると覚えておきましょう。魚に塩をふってしばらくおくことで生臭さが除かれ、身がしまって身崩れしにくくなるなどの効果があります。
肉は魚ほど臭みがないので、身がしまって硬くなるとおいしくなくなるため、調理の直前にふります。とはいえ、魚も塊をふって時間がたちすぎると、水分といっしょに旨味も流れ出てしまい、逆効果になるので注意。
魚を塩焼きなどにする場合、あらかじめ塩をふっておきますが、これには魚の生臭さを抜き、身を引きしめる効果があります。
ふり塩に用いる塩は、食塩のほうが効果はあります。食卓塩や精製塩には防湿剤を加えてあるために、素材になじみにくいのです。
ふり塩は強くする必要があります。少量の塩をふるだけだと、魚のタンパク質が薄い塊水に溶けるので、べたついた焼きになるからです。
表面が真っ白になるくらいふるのがコツです。
あて塩
材料に塩をふることです。魚料理の下ごしらえのときなどに用いられます。塩をふることによって、材料の臭みを消したり、旨味を増したり、身を引きしめたりする効果があります。当て塩をしたら、しばらくおくと魚の身がしまります。
たて塩
魚介を洗ったり、材料に塩味を含ませたりするときに用いることです。水の濃度は海水程度かやや濃いくらいの3~4%。真水で洗うと魚の胃味が逃げるので、これを防止するためと、魚肉中に水が吸い込まれ、水っぽくなるのを防ぎます。たて塩を使うのは、丸のままの魚やイカなどであって、切り身魚にこの方法を使うと、旨味が損なわれるので要注意。
べた塩
魚の表面が見えなくなるほどたっぷりと塩をまぶしつけることです。べったり塩をつけるのでべた塩といいます。魚を塩じめにするときに用いる方法です。
とくにサバなど脂肪が多くて身のいい魚によく用いられます。身が厚いと塩がしみこみにくいのと、少々の塩では脂肪分と一緒に流れ落ちてしまうからです。
塩じめ
活きのいい魚に塩をたっぷりまぶし、タンパク質を変化させて硬めることです。魚に端を余分な水気を拭き取り、身をしめます。水気と一緒に生臭さも抜け、持ち味が生きて扱いやすくなります。
塩もみ
刻んだ野菜に塩をふりかけ、しばらくおいて、しんなりしたら手で軽くもんで水気をしぼります。キュウリもみなどの処理に用いられます。
塩でもむと、塩の浸透圧の作用によって野菜の中の水分を早く取り出すことができるのです。塩の量は手のひら山盛りいっぱいの野菜(約100g)に対して、小さじ1杯ぐらいが適量。
塩茹で
塩を加えた湯で食品をゆでることです。材料に薄い塩味をつけたり、青菜を色よくゆでるなどの目的があります。ほかにもアクや臭みを抜いたり、火を通して軟らかくする、水分を減らす、色をよくする、タンパク質を凝固させる、消毒するなど、材料によってそれぞれの目的があります。食塩濃度は1.5%程度が適当。
青菜、枝豆、そら豆、きぬさや、さやいんげん、タコ、エビなどは塩ゆでにすることが多いです。塩を加えることは、味だけでなく、色や保存性などの利点がいわれていますが、実験では塩を入れても入れなくても、実際の調理の場ではさほど変わらないという結果があります。何にでも塩を加えてゆでる習慣を、ちょっと見直してはいかがでしょうか。
ただし、スパゲティなどパスタの塩ゆでの場合、塩はパスタに下味をつけて引きしまった仕上がりにすると同時に、湯の温度を上げる役目もしているので、塩は必要です。
2. 酢による下ごしらえ
「酢どる」「酢洗い」「酢じめ」などの下ごしらえに使われる酢は、野菜や魚の余分な水気をとり、また魚介類の臭みを抜くはたらきをします。同時に有害物質も引き出す効果があります。ただし、つけた酢、洗った酢には引き出した有害物質を含んでいるので、飲んだり再利用しないこと。
とくに生酢より半分くらいに薄めた酢のほうが、有害物質を引き出す力が強いようです。昔からある「割り酢」は、安心へのよい知恵です。
酢の物の場合には、いったん水で1/2くらいに薄めた酢にしばらくつけ、それから本格的な酢の物にすると、いっそう安心です。
酢どる
材料を甘酢などにつけることです。酸味をつけたり、きれいに発色させる目的で行われます。
洋風にいえばピクルスのようなものですが、保存するというより、つけておいて、すぐ食べるものから、せいぜい4H程度の保存まで。焼き魚に添えられる酢どりショウガ、酢どりゴボウなどでおなじみです。
酢洗い
魚介類の酢の物をつくるときの下処即法で、酢で魚介類の表面を洗うことです。酢そのまま、または同量の水で薄めた酢の中でふり洗いし、よく水気を切ってから調理します。生臭みが抜けて身がしまり、合わせ酢がなじみやすくなるほか、魚の薄皮がむきやすくなったり殺菌の効果もあります。
酢や酢水に長くつけてしまうと旨味が抜けて身が引きしまりすぎたり、酸味が強くなりすぎたりするので、さっと洗う程度にするのがポイントです。
酢じめ
魚の下処理のひとつです。魚にたっぷり塩をふり、3~4時間後に軽く水洗いし、乾いたふきんで水気を取ってから酢に浸します。魚の表面が白くなる程度で引き上げます。さっぱりとした味わいになるので、アジやサバ、イワシなど脂肪分が多く背の青い魚にとくに用いられます。
割り酢
酢にだし汁、酒、みりんなどを加え、酢の味をやわらげたものをいいます。
3.しょうゆによる下ごしらえ
「しょうゆ洗い」の下ごしらえで使われるしょうゆは、食材の余分な水気やクセ、臭みなどを取り除くはたらきをします。このとき、食材に含まれている有害物質も引き出してくれる効果があります。生じょうゆより、半分くらいに薄めたしょうゆのほうが、引き出す効果は大きくなります。このしょうゆを薄めるという昔からの知恵が、「削りじょうゆ」です。ホウレンソウをゆでたあと、「しょうゆ洗い」してから和えるおひたしは、ホウレンソウの残留農薬やダイオキシン、硝酸塩も減らすので、安心の下ごしらえの代表と思われます。
しょうゆ洗い
魚介類や肉類、野菜などの下ごしらえのひとつです。和え物やおひたしの下ごしらえとしてよく使われる手法です。材料にしょうゆ少々をふりかけ、和えてから絞ります。薄く下味をつけるとともに、余分な水気やクセ、臭みなどを取り除きます。
ホウレンソウの青菜のおひたしをゆでたあと、しょうゆ洗いしてから和えると、水っぽさがなくなりおいしさが引き立ちます。
割りじょうゆ
しょうゆに油、みりん、だし汁を加え、しょうゆの味を薄めたものです。
酢を加えることもあります。料理の味つけのとき、生じょうゆだけでは味が強すぎる場合に、割りじょうゆを用います。
みそによる下ごしらえ
「ミソづけ」に使われるミソは、食材から有害物質を引き出す効果があります。ただしミソづけに使ったミソには引き出した有害物質が含まれているので、もったいないと思っても捨てることです。また、ミソは、よく落としてから食べましょう。
みそづけ
ミソでつけた漬物には、長期間つける辛ミソづけと、短期間の甘ミソづけがあります。前者は赤ミソを用い、山ゴボウのミソづけや新潟のナス、ダイコンのミソづけなどが有名です。後者はみりんを加えた白ミソを用い、主に、身の魚に用いられます。
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