目次





アレルギー表示の義務や方法から免除される特例について

基本的考え方
品質表示基準は、一般消費者の商品選択に資するため、JASマークの有無にかかわらず、製造業者や販売業者等に品質表示を義務付けているもので、平成11年7月のJAS法改正までは、次の2つの要件に該当する品目についてのみ品質表示基準が定められてきました。

① JAS規格が制定されている農林物資
② JAS規格の制定が困難である農林物資で、一般消費者が購入に際して品質
を識別することが著しく困難であるものとして政令で指定された品目

しかし、食品に対する消費者の関心の高まりなどから、消費者の商品選択の目安となる情報をもれなく正確に伝える必要があるため、平成11年のJAS法の改正により、すべての飲食料品について、次のとおり品目横断的な品質表示基準が定められました。
①生鮮食品品質表示基準
加工食品品質表示基準
③遺伝子組換え食品に関する表示に係る加工食品品質表示基準第7条第1項及び生鮮食品品質表示基準第1項の規定に基づく農林水産大臣が定める基準

このほか、飲食料品の品目ごとの特性に応じて、追加的に必要な品質表示基準も定められています。
なお、個別の品質表示基準が定められている食品については、横断的品質表示基準と、個別の品質表示基準の内容を併せて表示しなければなりません。


アレルギー表示義務化の必要性
食物アレルギー(Food Allergy) とは、食物を摂取した際に、人によっては、食物に含まれるある特定のたん白質が体内で異物と認識されて、異物を排除するための機能が働き過敏な反応状態を起こし、その結果、さまざまな形で本人にとっては好ましくない症状に至る状態をいいます。

主な症状に、「かゆみ、じんましん、唇やまぶたの腫れ、喘鳴( ぜいめい) 」などがあります。さらに、重篤な症状として、意識消失や血圧低下、呼吸困難、全身発赤などのアナフィラキシーショックを引き起こす場合もあります。
このように、アレルギーの原因となる特定たん白質を含む食品(アレルギー物質) を摂取することにより、何らかのアレルギー症状を引き起こす人にとっては、原因食品を避けることは生命を守ることになり、食品中のアレルギー情報を知ることは最も優先される当然のことといえます。

また、食品へのアレルギー表示は国際的にもコンセンサスが進んでいます。
アレルギー表示に関するルールはWH0/FA0合同食品規格委員会(コーデックス委員会) の総会で合意されています。コーデックス委員会で示された表示対象品目と、国内で表示が必要と判断されている品目を比較し示しました。えび、かにのアレルギー表示は、平成22年6月3 日から施行されましたので、特定原材料として説明します。

「乳」については、食企発第2号食監発第46号(平成13年3月21日)の「アレルギー物質を含む食品に関する表示について」の中で、従来乳糖(ラクトース) は高度に精製されたものとして表示の対象外でしたが、微量の乳たん白が含まれることがわかり、表示が必要となりました。この場合、乳糖と記載すれば「乳」の代替表記となることが明記されています。
コーデックス委員会で示された品目は、分類としての記載ですが、国内の表示対象品目と照らし合わせても矛盾しないものであることがわかります。
また、「亜硫酸塩を10mg/kg以上含む食品」については、日本においても今後の調査結果により、表示対象品目に加えられる可能性があります。


アレルギー表示の義務化までの経緯
食品へのアレルギー表示は、平成10 ~ 11年度に行われた「食物アレルギー即時型に関する全国疫学調査」を基に、表示義務品目を5品日(乳、小麦、、そば、落花生) とし、平成13年(2001年)に「食品衛生法施行規則」と「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」のそれぞれ一部を改正する省令が、厚生労働省医薬品食品保健部長より、各都道府県知事と政令市長及び特別区長に通知されました。これにより、アレルギー物質を含む食品の表示は1年間の猶予期間を経て、平成14年3月末から、製造、輸入又は加工されるすべての食
品に対して表示が義務化されました。その後、平成20年に、えび、かにが特定原材料※に指定されました。

※特定原材料について
食物アレルギーの表示義務対象品目を「特定原材料」といいます。平成22年3月現在、省令で「卵、乳、小麦、そば、落花生、えび、かに」の7品目が指定されています。
そのほかに表示義務はないが、食品への表示が奨励されている大豆、バナナなどの「特定原材料に準ずるもの」 が18品目あります。
これらの、特定原材料と特定原材料に準ずるものと併せて「特定原材料等」といいます。

アレルギー表示の基本的な考え方について
①アレルギー表示は、食物アレルギー患者を中心とした消費者の健康被害防止のために、アレルギー物質を含む加工食品について、それを含む旨の表示を義務付けています。
②表示対象範囲は、販売の用に供され、容器包装された食品(酒精飲料を除く)及び食品添加物です。
③一般消費者に直接販売されなぃ業務用食品や食品添加物を含め、流通するすべての段階において表示を義務付けています。
④表示の対象となる品目は、アレルギーを引き起こすことが明らかにされた「特定原材料」及び「特定原材料に準ずるもの」を併せた25品目です。

アレルギー表示の方法について
アレルギー表示が義務化されたことに伴い、食品衛生法施行規則の別表6に記載されている特定原材料「卵、乳、小麦、そば、落花生、えび、かに」の7品目が、容器包装された加工食品及び食品添加物に含まれる場合に表示が必要
となります。

特定原材料に準ずるものを含む加工食品については、当該特定原材料に準ずるものを含む旨を可能な限り表示するよう努める必要があります。

表示は最終製品のみに行うのではなく、流通過程の食品に対しても表示義務があります。
アレルギー表示を行う場合、次のように「個々の原材料の直後に括弧書き(個別に表示する場合) 」又は「原材料をすべて記載した後に括弧書き(一括で表示する場合) 」で表示します。

①特定原材料等を使用した加工食品の表示
加工食品の原材料に特定原材料等を使用した場合の表示例は、次のとおりです
②特定原材料等を使用した複合調理食品の表示
シュークリームや調理パンなどのほかに、弁当などの詰め合わせを複合調理食品といいます。複合調理食品は使用する原材料や食品添加物が多岐にわたる場合があり、表示する内容も多くなります。そのため、そのまますべて表示すると、かえってわかりにくくなるといった間題もあります。人の健康に関わるアレルギー情報を、正確にわかりやすく表示するために代替表記や特定加工食品での表記のルールが定められています。

アレルギー表示が免除される特例
アレルギー表示は、アレルギー患者の健康を守るという観点から、特定原材料に準ずるものを含め、すべて表示すべきです。しかし、実現可能性の視点から合理的に判断して(表示の適正性の検証と監視指導の実現性)、表示が免除される例外規定を設けることが示されました(食品の表示に関する共同会議)。

表示が免除される場合として、特定原材料等を含む食品にあっては、その含有量の多少にかかわらず表示をする必要があります。ただし、最終食品に含まれる特定原材料等の総たん白質量がアレルギーを発症しないと考えられるレベルであれば表示の必要はありません。これは現在、特定原材料等の総たん白量が数μ g / ml 濃度レベル又は数μ g / g 含有レベルに満たない場合は、ほぼアレルギー症状は誘発しないであろうという専門家の判断によっています。
通い箱のような運搬容器への表示や、商品形態の制約から容器包装の面積が30cm2以下であればアレルギー表示を省略することができます。

同様に、食品を製造加工して一般消費者に直接販売する場合も表示が免除されています。例えば、デパートの地下食品売り場やスーパーのバックヤードで製造した惣菜を対面で販売するような場合がそれに当たります。

しかし、アレルギー表示が免除されるからといって、消費者への情報提供をしなくてもよいということではありません。販売時にアレルギーの情報を求められたら、しっかりと正確な情報を提供することが求められています。そのためにも、原材料の納入業者に対しては、特定原材料等の含有の有無を問い合わせ、あるいは送り状又は納品書に合わせて、原材料に関する情報は入手し、記録に残せるようにしておくことが重要です。
このような確実な管理により消費者へのアレルギー表示を正確に行うことができるものとの認識が必要になります。
※ アレルギー表示は、業務用や加工食品の原材料であっても表示が義務付けられています。


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