目次

1.野菜
ココが良くない
野菜野菜類の摂取量は、1965(昭和40)年から1995(平成7)年にかけて伸び続けていたが、近年は減少ぎみである。果実類は、1975(昭和50)年が最高で、その後は減少が続いている。

野菜類の摂取量は、年齢によって大きな差がある。高齢者ほど摂取が多い。また果物では、60歳代は20歳代の2倍以上の摂取をしている。また、外食の機会が多いものほど、野菜の摂取が少ない。健康維持のために、若年層は積極的に野菜摂取を心がける必要がある。

いまや野菜の裁培には、農薬が当然のように使われています。

野菜に使用される農薬は、おもに野菜の表面に付着していますが、なかには、野菜の根から吸収させて、葉についた害虫を除去するという恐ろしい農薬もあります。この場合、表面を洗い流しても、農薬を完全に防ぐことは、ほぼ不可能です。

店で売られている野菜のなかには、しおれや変色を防ぐために、合成洗剤で洗浄されているケースもあります。また洗浄後、野菜のつやを出すために発色剤の硫酸第一鉄などがかけられている可能性もあります。

スーパーやコンビニの店頭では、キャベツやレタスなど、すでにカットされた野菜が並んでいます。これらのカット野菜には、大腸菌などを防ぐために、殺菌剤や殺虫剤などが使用されることもあります。

輸入野菜には、栽培で使われる農薬や、収穫後のポストハーベスト農薬の心配があり、おすすめできません。

2.肥料や農薬がもたらす影響
有機JAS認証をうけた有機野菜が、いまのところ最も安心です。ただし、30種類の農薬や38種類の肥料、土壤改良剤は使用が認められています。農薬や化学肥料の点では、続いて減農薬無化学肥料、無農薬減化学肥料、無農薬の順で安心です。

「低農薬」 のような、数量の基準などの規制がないまぎらわしい表示には注意が必要です。

野菜は、旬のものを買うようにしましょう。野菜が本来もっている生命のリズムで育つため、よけいな農薬や肥料を使わないですむからです。

また、旬の時期には、輪入物よりも汚染物質が少ない国産のものが多く流通しています。

保存には、冷蔵庫や収納容器の底に炭を入れると、野菜や果物の鮮度が確実に長く保たれます。 炭が、植物の成熟を促進させるエチレンガスや、悪臭のもとになるアンモニアなどのガスを吸着してくれるからです。

調理するときは、水洗いをして野菜の表面についた残留農薬などを取り除きます。キャベツやレタス、ホウレンソウなどは、外側の葉に農薬が残留しているので、外側の葉は捨てたほうがいいでしょう。トマトやきゅうりなどは、表皮をむくだけで残留農薬を減らすことができます。
熱を加えると出ていく残留農薬もあるので、 おひたしや素焼きなどで食べるのもおすすめです。


3.ポストハーベスト農園
正確にいうと、ポストハーベスト・アプリケーション。 収穫したあとで農薬を使用すること。保存する間に、野菜が傷んだり、虫がついたりするのを防ぐための処置です。

日本では、貯蔵庫を消毒するくん蒸剤を除いて、収穫したあとの農薬使用は認められていません。ところが、数多くの先進国では、保存のための農薬使用を認めています。畑にある間は、農薬は太陽光線などで分解されますが、収穫 後のものは、そのまま残ることが多い。また、アメリカなどで使われるポストハーベスト農薬は日本の使用基準にないものが多く、 ノーチェックなのも心配なところ。


ココが良くない
野菜はチッ素、リン酸、カリウムなどの養分を吸収して成長します。とくにチッ素は野菜の生育に大きくかかわり、不足すると野菜のできが悪くなってしまいます。

そこで登場するのが、チッ素の仲間(化合物)である硝酸塩です。畑にまかれたチッ素肥料の多くは硝酸塩へと変化し、野菜は硝酸塩をよく吸収します。

仮に畑に多量のチッ素肥料がまかれた場合、野菜は適正量を超えて硝酸塩を吸収してしまいます。根から吸われた硝酸塩は光合成によりタンパク質やアミノ酸などに変化しますが、余分な硝酸塩は主に葉にたまります。硝酸塩は野菜にとって必要な栄養分ですが、濃度が高すぎる場合、健康に悪影響をもたらす可能性があります。



表示例:サラダ
名称 大根サラダ
個体識別番号 大根(国産)、レタス(国産)、にんじん【添付調味料】醸造酢、植物油脂、しょうゆ、ゆず果汁、かつおぶし、香辛料
内容量 150g
賞味期限 別途記載
保存方法 10度以下で保存
使用上の注意 開封後はお早めにお召し上がりください
販売者 株式会社○○
住所



⇔原産国を表示する必要はないが、国産の場合は表示されることが多い

4.「野菜」で見分ける「よい店」
よい店は、原産地表示に輸入国のものが目に入るくらい並んでいるところ。 国内産では、原産地表示が、〇〇県より〇〇町のように狭い地域のものが多く見られるところです。


5.果物の食品選択で気をつけること
まず輸入果物についてですが、これまで輸入量の増加が続いていたものの最近ではやや減少気味です。円安や、国内生産が増加したためですが、それでも多くの輸入果物が店先に並んでいます。

果物の輸入の50パーセントを占めるのがバナナ。他にレモン、グレ—プフルーツ、オレンジ、チェリー、そしていちごも輸入ものがあり、マンゴー、パパイヤなども最近の人気でかなり輸入されています。こうした輸入ものには、ポストハーベスト(収穫後)農薬が残留している不安も。

輸入レモンは、古くなってへたが落ちるのを防ぐため除草剤の2、41Dが収穫後に使われたりします。また防カビ剤のジフェニル、オルトフェニールフェノール、チオベンダゾール、 イマザリルは、環境ホルモンとなる恐れも指摘されており、結論が待たれます。グレ—プフルーツ、バナナにもこうした防カビ剤が使われています。

では国内産なら大丈夫かというと、果物類は、一般に農薬使用量が多い傾向があるのです。

りんごやなし、もも、いちごなどは病害虫に弱く、かんきつ類も農薬をけっこう使います。収穫までの単位面積あたりの農薬使用量は、国内産のほうがむしろ多い傾向が。不安の少ない例外は、メロンなどです。果物は野菜とは違って、ゆでて農薬をお湯に溶けださせるなど調理の工夫ができません。でも食べるのをためらうのはちょっと早い。

果物は野菜よりも、出さかり期がわかりやすい強みがあります。旬のものは無理して育てていない分、農薬も少なくてすみます。
さらに、それぞれの項目で具体的に説明しますが、「農薬使用が少なそうな果物」を見分けるのも比較的カンタンです。食べるときは、しっかり洗うことと、皮をむくこと。農薬のほとんどはポストハーベストを含めて表面か表皮近くに残留しているからです。

りんごを皮ごとかじるのはすすめられません。レモンを紅茶に入れるなら皮をむいて浮かべるか、汁だけしぼる。ぶどうは皮ごと口に含まない。こんなところに気をつけるだけで違いが出ます。

ダイオキシンについても、野菜と同様、内部まで浸透することはまずありません。水に溶けにくいために根から果実に吸い上げられることはなく、あくまで大気中からの表皮への付着に注意すればよいのです。


このページを見た人は、下記のページも注目しています!