目次


お菓子の安全な食べ方
果物の安全な食べ方
主食の安全な食べ方
おかずの安全な食べ方
野菜の安全な食べ方
調味料の安全な食べ方
飲料の安全な飲み方
食品まわりの安全な飲み方

1.調味料の食品の安全な食べ方

調味料の安全な食べ方和洋折衷型で食の多様さを支える調味料

和洋折衷の最たる食品の一つ、それが調味料である。味噌、醤油、酢など昔からある調味料とわが国のオリジナル調味料「うまみ調味料」を除けば、ほとんどのものは欧米から入ってきたものだ。

ただ、それら多くの舶来調味料もいまではすっかり日本の食生活に根付き、毎日の食卓に欠かせないものとなっている。日本人の舌になじむように独自の商品化がなされたからである。

もっとも調味料とは、ヨーロッパ人が東洋のコショーを求めて夢中になったように、その基本コンセプトは東西折衷型あるいは国際交流型の商品ともいえる。

和洋折衷型商品のおもしろさは、プラス1がαになったり、βになったりするハイブリッドの妙にある。たとえば、そもそもスパイスの複合体であるカレー粉が、日本の米と組み合わされることで、日本独特のカレーライスとなった。和洋折衷のコンセプトには、さらに、「和と洋がせめぎ合うなかから新しい商品化が進む」といった意味合いも含まれる。

戦後の洋風化は食生活を大きく変え、従来からある食品の地位低下を招いた。たとえば、味噌がそうである。パン食の普及は味噌汁の代わりにスープやコーヒーを飲む食スタイルを定着させた。

スープやコーヒーが日本の家庭に広く受け入れられたのは、ちょっとオシャレな点もさることながら、主婦にとっての調理の簡便さがあったからだ。それが証拠に、1961年に粉末の即席味噌汁が発売されるや、一気にマーケットが拡大した。その後、高級化、生味噌タイプ、カップタイプなどの投入で順調に伸びている。

和と洋のせめぎ合いのなかから生まれた即席味噌汁は、従来の味噌に利便性を付加することで、まったく新しいジャンルを開拓し、多様な食スタイルの形成に寄与した。また、若い人が味噌汁に親しみ、味噌そのものの消費拡大につながる土壌づくりにも寄与した。

食卓に欠かせない調味料は、今後とも和洋折衷型や和○折衷型〈○の部分には中華の華、アジアの亜、オーストラリアの豪など、さまざまなものが入る)をコンセプトに、われわれの食生活を多様に彩ってくれよう。




2.
質よりも量が問題
最近、さまざまな自然塩が出回っています。
どの塩も、食品添加物などの不安はありません。
しかし、製塩の実態を知っておいたほうがよいので、説明しておきましょう。
「食塩」は、イオン交換膜製法でつくられています。これは、海水に溶けているプラスイオンのナトリウムとマイナスイオンの塩素を電気的に海水から集め、ナトリウム塩素とするもの

塩化ナトリウム分が高く(99パーセント)、昔の塩のようにマグネシウム、カルシウム、カリウムといったミネラル分(にがり分)は、ほとんど含まれていません。

「天日塩」は、オーストラリアやメキシコの塩田で海水を自然乾燥させた天日塩を輸入。水に溶かし、不純物をとり除いて、再生したものです。
地域名をつけて○○塩とうたった塩も売られています。しかし、実際にその地域で塩田法にのっとってつくられた自然塩は、ほとんどないと考えてよいでしょう。

ところで、自然塩に含まれるミネラル分が栄養源として注目されています。果たして、塩でミネラル分を補給することができるのでしょうか。
出回っている中では、天日塩(自然塩)が塩化ナトリウムがやや低めで、さまざまなミネラル成分が含まれています。でも、その量は微量。
1日の塩分摂取量は、厚生省の呼びかけでは、10グラム以下が望ましいとされています。塩分のとりすぎがつづくと高血圧になることはわかっていますから、この基準は守りたい。

つまり、1日にせいぜい10グラム程度しか塩分をとらないとすれば、天日塩でミネラル分を補おうと考えるのはムリがあります。
だから、どのタイプの塩を選んでもさほど変わりはない。あとは、好みの問題というところです。
それよりも、あまり塩分をとりすぎないことのほうが大切。

砂糖
どの種類も栄養成分に差はない
砂糖にはいろいろ種類があります。
「精製糖」。サトウキビから煮だした糖液を濃縮し、遠心分離器で蜜を分離して、精製したもの。

「三温糖」。完全に精製された砂糖液から自砂糖を繰り返しつくり、残った液を結晶させたもの。褐色の色は、精製の途中で熱を加えることでできたもの。ミネラルが多いわけではなく、健康によい根拠はなし。

「キビ砂糖」。サトウキビの液を脱色・精製しないまま煮詰めたもの。原液の養分とミネラルをたくさん含んでいるといわれていますが、ごくわずか。

「テンサイ糖」。砂糖だいこん(ビートまたはテンサイともいう)の汁を煮詰めて精製したもの。

「黒砂糖」。サトウキビをしぼった汁に石灰を加え、濾して煮詰めて固まらせたもの。カルシウム、鉄分の量は砂糖の中では一番。

いずれも、添加物の心配はありません。
ところで、糖分は一日当たり、大人で50グラム、子どもで30グラム以下が望ましいといわれています。安全を考えた一日の量を考えると、砂糖からミネラルをとるのはムリがあります。
ということは、どの砂糖を選んでも、さほど違いはないということ。

味噌
だし入りみそは、塩分がかなり高い
みそは、日本の食生活に欠かせない伝統的な食品です。
以前は、漂白剤の「亜硫酸Na」などを使ったものもありましたが、いまは添加物の不安はなし。

選ぶときに大切なのは、パッケージの表示の見抜き方です。
「国産大豆使用」とあっても、実際は輸入大豆も合わせて使っている場合がほとんど。

残留農薬などは製造過程でほとんどとり除かれますが、遺伝子組み換え大豆かもしれない不安が残ります。
そこで、「国産大豆100パーセント」のものを選べば大文夫。
「純正」という表示もよく見かけますが、これは、保存料や漂白剤を使っていないという意味です。しかし、いまのみそは添加物を使わないものがほとんどで、もともとどのみそも純正といえるのです。「無添加」の表示は、添加物はもちろん、発酵をとめる酒精(アルコール)も使っていないもの。

「生みそ」は、酒精を添加せず、加熱もせず、酵母を生きた状態でパックしたもの。
価格の割には、味にそれほど差はありません。

「天然醸造」は、自然の気温で1年ぐらいかけて発酵させたもの。しかし、実際は3カ月ぐらいの速醸のみそがほとんどで、本物の天然醸造がどれだけあるか疑間です。

アミノ酸などの調味料を加えた「だし入りみそ」は、かなり塩分が高いものを見かけます。栄養成分を見て、食塩が100グラムあたり12パーセント未満のものを選ぶとよいでしょう。

みそ汁が、日本人の塩分とりすぎの原因のようにいわれたこともありましたが、いまは、辛口みそでも12~13パーセントぐらいと、かなり塩分を抑えてあります。
気になる人は、成分表示を確かめて、10パーセント前後のものを選びましょう。

「薄塩」「減塩」と表示されていても、基準とする数字があいまいなので、当てにはなりません。
みそ汁は薄味を心がけることが第1です。
具には、塩分の害を減らす働きがあるカリウムやヨードを含むわかめ、とろろこんぶ、さつまいも、じゃがいもなどを積極的に使いましょう。

さて、神奈川県厚木市の保健所の調査によると、一日に一度もみそ汁を食べない人の60パーセントまでが、かなり偏った食事をしている。みそ汁ゼロ組から一日に一食組、二食組へといくにしたがって、料理の品数と使う材料の種類が増え、食事評価も高くなる傾向にあると報告されています。
みそ汁は、食生活を豊かにする要のようなものかもしれません。

粉末だし
無添加の天然だしに勝るものなし
「カツオ風味」「煮干し風味」などの風味調味料、いわゆる粉末だしは、粉末や顆粒をとかして使うタイプのものです。
カツオや煮干しの絵があると、原料の大半がカツオぶしや煮干しと思いがちですが、ところが違うのです。

カツオ風味を例にとっていうと、成分はたいていつぎのようなもの。
アミノ酸系の調味料(おもにグルタミン酸Na)が3割、砂糖が3割、カツオぶしエキスが1割、カツオぶし粉末が1割。
つまり、風味成分よりも、アミノ酸系などの調味料が主体のものが多いのです。
JASでも、風味調味料は、カツオぶしなどの風味成分が一割以上あればよいことになっています。

さて、カツオ風味の風味調味料の原材料名を見ればわかるように、添加物はけっこう多い。
しかし、私の手元にあるティーバッグ形式の天然だしは、まったくの無添加です。
どちらがよいかは一目瞭然。

しょうゆ
使いすぎない。注意はこれだけ
以前は添加物もよく使われていたしょうゆですが、現在はカビを防ぐ酒精(アルコール)が添加されているくらい。
だから、あまり不安はなし。

それより、ラベルの表示の意味を知っておくことが大切です。
「本醸造」。しょうゆの8割はこれ。大豆に小麦、塩を加えてつくります。
「天然醸造」。本醸造の中でも、高温にならないように管理し醸造したもの。中身は本醸造とそれほど変わりはありません。
「丸大豆しょうゆ」。丸ごとの大豆を使うので、深いうまみが出るといわれていますが、それほど味に差は感じられません。

普通のしょうゆは、丸大豆から食用油をしぼりとったあとの脱脂大豆を使います。
この場合、原材料名は「脱脂加工大豆」となっています。大豆で心配なのは、輸入大豆(脱脂加工大豆も含む)の遺伝子組み換えの不安です。

この不安を除くには、「国産大豆100パーセント」か「有機栽培(アメリカ有機農産物基準)丸大豆」の表示があるものを選びます。
「減塩しょうゆ」。しょうゆは普通、塩分が16~18パーセントくらい。これを半分の9パーセントほどに控えたのが減塩しょうゆです。買うときは、栄養表示の数字が9パーセント程度になっているか確かめること。
塩分11~14パーセントのものは「うす塩」「あさ塩」「あま塩」と呼ばれています。

なお、「うす口しょうゆ」は、減塩とは違います。色を薄くしたしょうゆで、塩分はむしろ19~20パーセントと多めなので、注意を。
さて、いまのしょうゆは以前に比べてうまみ成分が増え、味にこくが出てきました。

しかし、こくがありすぎて塩味がわからなくなり、しょうゆを入れすぎる不安も。
安心の食べ方は、しょうゆを使いすぎないこと。
これにつきます。

本来、醤油は丸大豆、麦、塩を主原料に一年以上の製造期間を必要とするが、今では、2~3週間で作ってしまう。
「新式醸造方式」「混合方式」などと呼ばれ、ダシ醤油などはこの方式で作られる。原料は脱脂大豆(大豆カス)で、それにアミノ酸液が加えられる。アミノ酸液は別名アミノ酸醤油といわれ、化学調味料のグルタミン酸ナトリウムを作る際に出てくる副産物で、言ってみれば「廃液」のようなものだ。
関西地方で好まれている甘みの強い醤油の多くは、この手の方式で作られている。また、業務用の醤油もほとんどが、この方式の醤油である。
では、「本醸造」の表示があれば安心だろうか。
日本の醤油市場の約八割のシェアを占めるのが、「本醸造」。昔ながらの大豆と麦の麹に塩水を加えて発酵させたものを言うが、実は、これにも添加物がかなり使われている「質の悪い原料で短期間に製造しないと儲けが出ない。そのためには、甘みを増強するための糖類や甘味料、うまみを増すための化学調味料、色合いを整えるカラメル色素、長期保存させるための安息香酸ナトリウムといった保存料なども使う」(醤油メーカー社員)
この社員が言う「質の悪い原料」は実に様々で、実際、脱脂大豆の他、豆乳から分離した液、とうもろこし、はとむぎ、米糠、酒粕などから醤油を造る技術が大手メーカーの特許として公告されているくらいだ。

みりん
塩の味つけは控えめに
煮物や照り焼きなどに使い、甘みと照りをつけるみりん。和食には欠かせない調味料です。

最近では、昔ながらの「本みりん」以外にも、「みりんタイプ発酵調味料」「みりん風調味料」などが出回っています。
どれも、添加物などの不安はありません。ただし、本みりん以外には塩分が入っているのをお忘れなく。

では、それぞれの違いを知っておきましょう。
「本みりん」は、もち米と米こうじを焼酎のなかで糖化、熟成させ、醸造用糖類などを添加したもの。アルコール分も12パーセント程度入っています。
「みりんタイプ発酵調味料」は、うるち米を米こうじで糖化、アルコール発酵させて、食塩、糖類およびアルコールを調合したもの。本みりんとの違いは、もち米のかわりにうるち米を使っていることと、食塩が入っていること。

アルコール度数は本みりん並に高いのですが、塩を添加しているので、酒屋以外でも買うことができます。

「みりん風調味料」は、水飴、ぶどう糖やうまみ調味料(グルタミン酸など)、酸味料、アルコール(1パーセント以下)を混ぜてつくった甘味調味料です。
本みりん以外のものを使うときは、味つけの塩を少し控えめにすること。
また、みりん風調味料は、開栓すると腐敗しやすいので、保存に注意。


価格とは結びつかない品質
酢には、すぐれた殺菌・防腐の効果があります。また、汚染物質を引きだしたり、発ガン性をおさえる効果もあるといわれます。ビタミンCを壊す酵素を押さえる働きもある。このように、酢は食品の安全を守る性質があるのですが、種類はいろいろ。

「米酢」は、米だけでつくられていると思うかもしれませんが、原材料は米と醸造用アルコール。米だけというのは、「純米酢」というラベル表示のあるものだけです。
「穀物酢」は、米、小麦、コーン、醸造用アルコールでつくられています。原材料のコーンには遺伝子組み換えの心配もあります。
「黒酢」の色は、アミノ酸が褐変したもの。長い醸造期間中に、しだいにこの褐変が起こるため、品質のよい高級品というイメージがあります。しかし、価格の差ほど、うまみ成分や品質に差はありません。

かつて、酢の品質をテストしてみたことがあります。たくさんの製品を分析して、アミノ酸(天然のうまみ成分)の数を調べたのです。さて、うまみ成分の多い「上」のランクに入ったものが半数以上。ところが価格のほうはどうかというと、 100円台~1800円と、ずいぶん開きがありました。「中」のランクの酢は三割。価格は100円未満~500円台のものばかりで、100円台が大半。「下」は、やはり100円未満~500円台。300円台のものが多かったのは意外でした。
こうなると、高いものだから質がよいとは限りません。どれを選ぶかは、お好みしだい。なお、酢は添加物の不安はありません。

ドレッシング
脂質ゼロではないノンオイルタイプ
洋風、和風、中華風とドレッシングの種類も増えました。また、ノンオイルの「ドレッシングタイプ調味料」も、出回っています。
では、 一般の「分離液状ドレッシング」と「ドレッシングタイプ調味料(ノンオイル)」では、どちらがよいのでしょうか。

「分離液状ドレッシング」の添加物は、やや不安のある「甘味料(甘草、ステビア)」が使われたり、食用植物油脂には、遺伝子組み換えの心配がある大豆油、なたね油、コーン油が原材料として使われていたりします。
「ドレッシングタイプ調味料」の場合は、「増粘多糖類」の中に発ガン性の不安がある「カラギーナン」が使われていることがあります。ただ、ノンオイルなので、食物性油脂は使っていません。

ということで、どちらもまったく安心というわけではありませんが、遺伝子組み換え食品の不安から見れば、「ドレッシングタイプ調味料」のほうが安心ということに。

さて、一口にノンオイルといっても、食品によって意味が少し違ってきます。
缶詰などで「ノンオイル」「無脂肪」と表示するには、100グラムあたりの脂肪が5グラム以下でなければならない。
ところが、ドレッシングの場合は当面、100グラム中3グラム以下でよいとされています。
油脂の使用は極力押さえてはいるけれど、脂質がゼロというわけではないのです。

ダイエットや健康管理のためにカロリー計算をしている人は、カロリー表示をよく確認して

ここがポイント!商品の選び方
サラダに必ずといっていいほど使われているドレッシングです
が、オイルをふくんでいる製品が多いため、「カロリーが高い」と敬遠されがちです。
そこで、そのイメージを払拭しようと、低カロリーの甘味料が添加された製品が出回っています。

合成甘味料のスクラロースがわれています。有機塩素化合物の一種で、免疫力を低下させる心配があるなどの問題があります。したがって、できるだけ摂取しないようにしましょう。

天然甘味料のステビアが使われています。ステビアは、南米原産のキク科のステビアの葉から抽出された甘味成分です。
しかし、1999 年、EUは、ステビアが体内で代謝してできる物質(ステビオール)が、動物のオスの精巣に悪影響をおよぼすとの理由で、使用を承認できないという結論を下しました。その後、安全性について再検討が行われ、2011年12月からは、摂取に抑えるという条件付きで、使用が認められました。したがって、食べすぎないように注意してください。

そもそもドレッシングは、それほど油のカロリーを気にしなくてもよい製品なのです。
オイルが使われているため、それが脂肪が多く見られがちですが、一回に使用する量(15g前後)にふくまれるエネルギーは、25kcal程度です。ですから、使いすぎないようにしていれば、カロリーをとりすぎることにはならないのです。くれぐれも見た目だけで判断しないようにしてください


マヨネーズ
キウイを混ぜる意味
世の中、マヨネーズの熱烈なファンがいて、チャーハンをつくるときにサラダオイルのかわりにマヨネーズを使ったり、納豆にマヨネーズを入れたり、刺身をマヨネーズで食べたりと、意外な組み合わせを楽しんでいるようです。
まぁ、そこまでではなくても、いまやマヨネーズは食生活に欠かせない調味料。けっこう頻繁に使います。

では、マヨネーズは安心なのでしょうか。
マヨネーズは、植物油と酢を卵黄と一緒に混ぜて、乳化状にしたもの。添加物はアミノ酸系調味料ぐらいで、それほど大きな不安はありません。
不安といえば、使っている食用植物油脂が遺伝子組み換え油脂(大豆、なたね、コーン、綿実)かもしれない点。
べに花油を使っているものは、その心配はありません。

ここがポイント!商品の選び方
使われている調味料(アミノ酸)は、L-グルタミン酸ナトリウムをメインにしたものに間違いありません。L-グルタミン酸ナトリウムは、もともと昆布にふくまれるうまみ成分ですが、現在はサトウキビなどを原料に、発酵法によって製造されています。

動物実験では、毒性はほとんど見られていません。ただし、人間が一度に大量摂取した場合、人によっては、顔や肩、腕などに灼熱感を感じたり、さらに動悸を覚えることもあります。

一方、カロリーオフの製品によく使われている増粘多糖類は、樹液や豆類、海藻、細菌などから拙出した粘性のある多糖類です。全部で30品目程度あり、毒性のあるものは少ないのですが、中には発がん性や催奇形性の疑いのあるものも。ただ、「増粘多糖類」としか表示されず、何か使われているのかは不明です。この製品は、脂質を減らしてカロリーを半分にしているとのことですが、その結果、増粘多糖類という余計なものが添加されてしまったわけです。

使われている増粘剤のキサンタンガムは、細菌のキサントモナスーキャンペストリスの培養液から得られた多糖類です。健康な男性5人にキサンタンガムを23日問与えたところ、血液、尿、免疫、善玉コレステロールなどに影響は見られず、総コレステロールが10%減っていました。この結果とキサンタンガムが多糖類であることから、人間への悪影響はほとんどないと考えられます。

なお、この製品は鶏卵が使われていないため、コレステロールがふくまれておらず、それがウリになっています。しかし、悪者扱いされているコレステロールですが、実は細胞膜やホルモンの原料として不可欠なものなのです。とりすぎが良くないというだけなので、誤解しないでください。



ソース
すりごまを一緒に
食生活が豊かになるにつれて、ソースの種類もいろいろ出てきました。
おなじみの中濃ソース、濃厚ソース、ウスターソースなどに加えて、お好み焼きソース、焼きそばソース、ステーキソース、ハンバーグソース、タルタルソース、ホワイトソースなどなど、あげればきりがないくらいです。

添加物に関しては、ソースでよく使われているのは、アミノ酸系調味料、カラメル色素、増粘剤、甘草、香料など。しかし、これらの添加物が入っていない安心なソースが、スーパーやコンビニでも売られています。
あたり前のことですが、ソースを選ぶなら、なるべく添加物のないものを選ぶこと。参考までに。

子どもの大好きなケチャップは、ほとんど添加物がなく、安心して使えます。
さて、ウスターソースや焼きそばソース、お好み焼きソースは塩分が多め。気になる人は、すりごまや青のりを一緒に使いましょう。

たっぷりかけるのは、単においしいという理由からだけではなく、それらの中に含まれるカリウムにより、塩分の害を防ぐことができるからです。
タルタルソースなど脂肪分が多いソースでは、マヨネーズ同様、中にキウイやブロッコリを刻んで混ぜれば、油の分解を早めて、脂肪の害を防いでくれます。

日本でソースといえば、一般的に食卓用の稀薄なウスターソースのことを指す。イギリスのウォスタンシャ州ウォスター市で初めて作られたことから、その名前が付いている。
本来の作り方は、タマネギ、ニンジン、ニンニク、セロリ、トマトなどの新鮮な野菜を弱火で長時間かけて煮つぶし「ろ過」し、麦芽を発酵させて作った酢やライムなどの果実から搾った果汁を加え、コショウ、シナモン、ナツメグなどの香辛料を加えて1~2カ月貯蔵し、一定の温度で熟成して作る。
ところが、日本の市販されているソースの大半は、そんな手間ひまはかけない「速成法」で作られる。発酵・熟成を行なわず、野菜、香辛料などのエキスに調味料を加えてただちに作られたものである。
あるソースメーカーのカタログによると、家庭用ソースの原材料は、タマネギ・ニンジン・セロリ・パセリ・トマト、醸造酢、砂糖・ブドウ糖、食塩、香辛料にシナモン・ナシメグ・コショウ、着色料にカラメル色素である。
業務用となると、醸造酢は使わず、氷酢酸・クエン酸・コハク酸・フマル酸などで代用するため、添加物の使用がびっくりするほど増える。
これらの添加物の中でとくに気にしなければならないのは、家庭、業務用のどちらにも使用されている着色料のカラメル色素である。カラメル色素は発がん性の疑いのある添加物だからだ。
それと、野菜類の原産地がどこか表示されていないことにも注意しなければならない。もちろん、中国産なら残留農薬が心配である。

焼き肉のたれ
アミノ酸系調味料は避ける
焼き肉のたれを選ぶときのポイントはただ一つ。原材料名に、「調味料(アミノ酸等)」の表示がないもの。

アミノ酸系の調味料はグルタミン酸ナトリウムが主体ですが、直火の高熱で加熱されると、発ガン物質をつくる不安があります。とくに、グルタミン酸ナトリウムと植物油が一緒になると、あまり高温でなくても、発ガン物質ができるともいわれています。

安心して食べるには、手づくりのたれをつくり、調味料(成分にグルタミン酸ナトリウム)を入れないこと。
ただ、フライパンで「炒めて」しまう場合は、よほど高温(煙が出るほど)にしないかぎり、大文夫。
つまり、本格的にバーベキューグリルや網で焼くときは、くれぐれもご注意を。

植物油
あげものなら酸化に強いオレイン酸
食用植物油で不安なのは、原材料が遺伝子組み換え食品かもしれないということ。

大豆、なたね、コーン、綿実の油だと、遺伝子組み換えの不安があります。
「オリーブ油」「べに花油」「米ぬか油」「ごま油」なら不安はありません。
不安のもう一点。
これまで安全な植物油の代名詞としてもてはやされてきた「リノール酸」に、ちょっと疑問が出てきたこと。

①リノール酸は、悪玉コンステロールの値を下げるだけでなく、善玉コンステロールも下げてしまう。
②血栓や脳卒中などを起こしやすい。
③酸化しやすく発ガン性があり、老化の原因物質ともいわれる活性酸素を発生させかねない。

このように、いろいろ不安点を指摘されるようになりました。
ちなみに、リノール酸はべに花油や大豆油、綿実油、コーン油などにたくさん含まれています。

かわって脚光を浴びているのが「オレイン酸」。
オリーブ油にとても多い成分です。
料理にオリーブ油を使う地中海沿岸地方の人には、動脈硬化が少ない。イタリア料理などは、どれもこれも脂肪たっぷりなのに。
その秘密が、オンイン酸にあるらしいことがわかってきました。しかも、何度使っても酸化しない。

「αーリノレイン酸」も注目されています。脳の働きに関係するDHA、脳梗塞や心筋梗塞などを予防するEPAをつくる働きがあるというのです。
ところが、オレイン酸も、研究が進むにつれて、やはり健康への害が指摘されています。

何ごともバランスが大事ということ。
そこで登場してきたのが、「機能性植物油」。ヘルシーなイメージが強い植物油、リノール酸、オレイン酸、 αーリノレイン酸に、厚生省の指針に基づく割合で脂肪酸を配合した植物油です。

また、「体に脂肪がつきにくい」植物油が、厚生省の特定保健用食品の指定を受け、肥満や生活習慣病の予防に役立つとして、売りだされました。
このほか、「においがつきにくい油」「台所の汚れが六分の一になる油」など、使いやすさを売りものにした植物油も出回っています。

しかし、これらの原材料のほとんどが、大豆、なたね、コーンなので、国内産100パーセントとうたっているもの以外は、遺伝子組み換えの不安が残ります。
食用植物油を生で使うなら、熱に弱いリノール酸含有率の高い油でもかまいませんが、揚げたり、炒めたりして使うなら、オレイン酸含有率が高い「オリーブ油」「新べに花油(オレイン酸を高くした油)」「米ぬか油」「なたね油」などがよいでしょう。
また、「ごま油」もセサミノールという成分が熱による酸化を防ぐので、揚げ油に適しています。

バター
塩分に注意
バターには、添加物の不安はなし。
バターは動物性脂肪で、ファットスプレッドは植物性脂肪。だからファットスプレッドのほうが健康にはよいと思っている人が多いようです。

でも、動物性脂肪も大切。ストレスから身を守るホルモンや、性ホルモンの材料になったりと、体にとって大切な働きをしています。

しかし動物性脂肪をとりすぎると、コレステロールがたまって、動脈硬化や血栓が起こりやすくなるというのも事実。
だから、ちょうどよいのは、植物性脂肪と動物性脂肪を2対1の割合でとること。
バランスが大切です。
ところで、バターの塩分は1.8パーセントくらい。けっこうあります。
料理にバターを使う場合は、 一緒に入れる塩を控えめにすること。

ジャム
こだわるなら、JAS特級のジャム
かつては、紙カップジャムに保存料のソルビン酸Kが使われていました。
しかしいまでは、不安な添加物は、まず使われていません。

どのジャムもゲル化剤として植物の細胞成分「ペクチン」を使っていますが、これはくだもの自体にも含まれているもの。逆に添加物の害を消してくれる働きがあるのです。いちご、マーマレード、りんご、ミックスなど、どのジャムを選んでも心配なし。

最近では、砂糖を控えた低糖度ジャムも増えています。
とくに質にこだわる人は、「JAS特級」の表示があるものを選ぶとよいでしょう。
香料、安定剤、着色料を使わず、ほとんど無添加のジャムです。
ここで、さまざまな食品をとおして体の中に入ってきた添加物の害を解消する、「にんじんりんごジャム」のつくり方をご紹介。

にんじんとりんごの組み合わせで有害物質の作用を消したり、食物繊維の働きでいち早く有害物質を体の外に出したりするのに効果大のジャムです。
材料は、キャロットジュースとリンゴジャムだけ。
①鍋にリンゴジャム一五〇グラムを入れ、キャロットジュース五〇ミリリットルを加える。
②木じゃくしでかき混ぜながら、火にかける。
③透きとおって鍋の底が見えてきたら、火を止める。
④冷ましてできあがり。
にんじんの嫌いな子どもも、これならOKですね。

マーガリン
「健康にいい」と消費者を騙したままの商品がほかにもある。それはマーガリンだ。日本では、バターよりマーガリンの方が健康にいいと信じられている。しかし、これはまったくの逆である。それはマーガリンや一部の食用油などに含まれる脂肪酸の一種である「トランス型脂肪酸(トランス酸)」が、動脈心疾患を高めるLDL (悪玉コレステロール)の値を上げ、HDL (善玉コレステロール)を低下させてしまうからだ。

摂りすぎると、逆に心臓病を誘発する恐れがあることがわかり、先進国は規制にのりだした。北欧では、すでに販売禁止になっている国もある。
ドイツでは、90年にはマーガリンの消費は一人当たり8.3キログラム消費されていたものが、マーガリンの健康被害が指摘されるようになってからは、95年には7キログラムまで減少し、バターの消費量を下回っている

米国では食品医薬品局(FDA)が、03年七月からトランス酸を摂りすぎると健康を損なう恐れがあるとして、食品メーカーに対して同脂肪酸を含む食品について表示の義務付けを発表し、06年から、食品などにトランス酸の含有量表示を義務化した。カナダでも、すでに05年から含有量の表示が義務化されている。

トランス酸は、脂肪酸の一種で、マーガリンやファットブレッド、ショートニング、加工性油、マヨネーズなどそれらを使った食品に含まれている。日本食品油脂検査協会の調べでは、家庭用マーガリンの含有量は平均10パーセント、マーガリンなどを使用した菓子やパン、植物油脂でできたコーヒーフレッシュにも含まれ、例えばクロワッサン100グラムあたりの含有量は、2.8グラムだという。

トランス酸は自然にはほとんど存在しない。牛などの反鶴動物では、胃に棲息している細菌によってトランス酸がつくられるので、乳製品にも含まれるが、他の自然食品には事実上含まれていないものだ。
このトランス酸が多く含まれているというマーガリンの原料は、植物油だ。植物油100パーセント液体で、これは融点(融ける温度)が低い不飽和脂肪酸が多いからだ。

しかし、ラードやヘッドといった融点の高い脂肪は常温で団体の飽和脂肪酸。液体である植物油をマーガリンにするためには、団体にする必要がある。そのために化学的に水素添加して硬化油をつくり、それと植物油を混合して、必要な柔らかさを持ったマーガリンなどにしている。加工油も、植物油に水素添加する際、全面的に添加せず、製品の目的に合わせて途中で止める部分的水素添加の技術を生かしてつくっている。前途のエコナも、こうした加工油であり、トランス酸が5.2パーセント含まれている。

水素添加の工程では原料油を高圧下で金属触媒を加えた中で、七時間以上も高温にさらしている。油に高温を加えると、当然、油は、使い古しの天数羅油のように酸化してしまうのだ。トランス酸は、この水素添加の際に必ずできてしまう、自然界にはない脂肪酸で、水素添加した脂肪の分子を顕微鏡で覗いてみれば、プラスチックの分子にそっくりなのである。このため、「プラスチック脂肪」ともいわれているのだ。

マーガリンやショートニングは、単独で売られるだけでなく、材料としていろいろな食品に含まれている。コンビニなどで売られているほとんどのパンパンはマーガリンが使われているし、ドーナツ、ケーキ、クッキーなどの菓子にも使われている。また、マーガリンと同じく水素添加して作られる加工油(表示にはほとんど植物油と明記してある)が、インスタント食品、コンビニ弁当、外食産業でも大量に使われており、日本人でも大量に摂取していることは予測できる。従来の米中心の手作りの多い食生活を続けているならば問題はないだろうが、若者を中心に、パン食中心の食生活が増えており、欧米型食生活を送る日本人も増えている。

WHO (世界保健機関)は摂取エネルギーの1パーセント未満(おおよそ一日の摂取量を2グラム程度)にするように勧告。国際脂肪酸・脂質学会でも99年に一日2グラムまでにするよう指導している。また、米国農務省(USDA)とFDAはトランス酸の一日あたりのエネルギー摂取量に占める比率を1パーセント以下にするよう勧告している。日本人でも、注意していないと簡単にトランス酸の摂取量は2グラムを超えてしまうだろう。
それなのに、きちんとしたトランス酸の摂取量調査も、過剰摂取の注意も促さない日本政府は、国民の命を軽く見ているとしかいえない。

血液中の悪玉コレステロールを増加させ、心臓血管系の病気の危険性を高めるトランス脂肪酸の規制が、世界的な動きになっている。トランス脂肪酸はフライドポテトなどファストフードに多く含まれている。というのも、パンや揚げ物をサックリ仕上げるショートニングとして、トランス脂肪酸を含んでいるマーガリンを大量に使っているからだ。
そもそもマーガリンの原料は植物油や魚油などの液体で、これを固めないとバターのようにはならない。植物油が液体なのは不飽和脂肪酸が多いからで、これを除去しないと、飽和脂肪酸を多く含む動物油のようには固体にならないのだ。
不飽和脂肪酸は脂肪酸が二重結合しており、この二重結合をなくすために水素添加という化学処理を行なう。そうすると、バター原料の動物油に近い固体の油(硬化油)に変えることができる。ただこの過程で、トランス脂肪酸という、血液中の悪玉コレステロールを増大させる有害物質が発生するのだ。
マーガリンはこの硬化油から作られている。そして、製造工程では乳化剤のモノグリセラィド(グリセリン脂肪酸エステル)やレシチン(大豆リン脂質)、香りをつけるバターフレーバー、着色料としてβ―カロチンなどが使われる。


ハチミツ
ハチミツは100%天然ものなら優れた健康食品だが、とてもハチミツとは言えないまやかしものが幅を利かせている。
水飴、シロップ、転化糖(ブドウ糖を還元して作られるソルビットなど)を混ぜるのは、半ば常識。中国などから安いハチミツを輸入して、細工することもある。活性炭などの脱色剤を使い、脱色・精製すると、透明で品質がよく見えるのだ。しかし、脱色・精製によって、ハチミツの有効成分は除去されてしまうから、もはやハチミツとはいえない。
中国国内でもハチミツは危ない食品のひとつで、日本へ輸出されている中国産ハチミツ加工品からも、たびたび抗菌性物質が基準値以上に検出され、食品衛生法違反になっている。
完全なハチミツ模造品も販売されている。ある製油会社のこんな特許がある。
〈本発明は砂糖水溶液中でキシロースとフェニルアラニンを触媒として有機酸を用いて120~150度で加熱反応を行うものであり、芳香、風味および濃さの調和が改善されたハチミツ様食品を得るものである〉キシロースは木糖ともいわれる人工甘味料。フェニルアラニンは合成香料でピーナツ様の花の香りがあるので、よく米菓に用いられる。合成香料がやたらと食品に使われるが、合成香料の毒性はかなり強い。
フェニルアラニンは、塩化ベンジルとアセトアミノマロンを原料として合成して作られるが、ラットの実験では呼吸困難と体温低下が著しくなるとの報告がある。



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