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食品衛生関連の法律をわかりやすく解説したまとめ
1.食品衛生関連法規
食品衛生に関係する法律を探っていくと大なり小なり多くの法律が係わっています。その関連する法律の中で比較的関連の深いものを示しました。
①食品衛生法
食品衛生法は安全に関する法律
食品衛生法とは、一言で言うと「食の安全に関する法」です。「食する人の健康を守るため食品事業を規制する法律」、または「保健所が食品を指導監督する上で根拠となる法律」とも言えます。
堅苦しい言い方をしますと、「食品の安全性確保と飲食での衛生上の危害発生を防止することで国民の健康を保護することを目的とした法律」です。
この法律には、食品および添加物、器具および容器包装、表示および広告、食品添加物、監視指導、検査、営業等の規制があります。
所管は厚生労働省ですが、実際に食品会社の指導監督にあたるのは通常、地方自治体の保健所です。
食品衛生に関する法令として、「法」として食品衛生法、「施行令」または「政令」として食品衛生施行令があります。ここまでが法令です。
その他「規則」または「省令」として食品衛生法施行規則、「乳等省令」として「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」、「添加物の規格基準」等があります。
ここまでは全国共通です。
そして各地方自治体には「条例」があり、その地方で販売する、あるいは製造販売する場合には条例に則ることが求められます。
何とも複雑な法体系です。必要に迫られたときにひも解いて確認するといった具合です。
食品衛生法は、食中毒・微生物規格基準違反・残留農薬基準違反・アレルゲン(小麦・卵・乳・そば・落花生)表示違反・食品添加物使用基準違反・食品添加物表示違反といった「人の健康を損なう(あるいは可能性のある)述反」を取り締まる法律です。食品メーカーとしては最優先に守るべき法です。
2.食品衛生法
背景
食品衛生法(以下「食衛法」とする。)は終戦直後の衛生状態が不十分な時期に制定された法律であるが、平成15(2003)年の大改正を含めて、これまでに時代の変化に対応して25回の改正がなされた。
これまでに森永ドライミルク中毒事件を初めとして、阿賀野川水銀中毒事件、ライスオイル中毒事件、BSEの発生など、消費者また社会を震撼させる問題が生じて来た。
さらに、近年の経済および産業等の急速な発展と共に、驚くべき早さで科学技術が進歩し、これが食品分野においても大きな変化をもたらして来ており、多種多様の食品が、大量に生産、消費また輸入により食品がグローバル化されてきた。
このことは、国民の食生活を大いに豊かにすることとなったが、反面、これまでに経験したことのなかった新しい問題が次々と発生する要因にもなってきた。加えて、昨今では特に消費者保護への機運が高まり、食品衛生行政の重要性がますます強く認識されてきたところである。これと共に、食品衛生行政をめぐる国際化も急速に進展しており、時代に的確に対応した施策の展開が必要とされた。
この様な時代背景の中、平成13(2001)年11月には国内初のBSEの発生により食品の安全性に対する国民の不安が一層高まったことを踏まえ、その信頼を取り戻すために食品の安全性の確保の基本となる「食品安全基本法」が平成15(2003)年に制定された。これと平行して、国会議員による食の安全確保に関するプロジェクトチームの「食の安全確保に関する提言」等により食衛法の大幅な見直しが検討され、同法は昭和22(1947)年の制定以来、約半世紀ぶりに大改正(平成15(2003)年5月)が行われた。
目的
この法律の目的は、「食品の安全性の確保のために公衆衛生の見地から必要な規制その他の措置を講ずることにより、飲食に起因する衛生上の危害を防止し、もって国民の健康の保護を図ること」としている。
食衛法の目的は、昭和22(1947)年の制定時からの「飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し、公衆衛生の向上及び増進に寄与すること」を、平成15(2003)年の改正により前出の目的となっている。これは、食品安全確保の基本法である、食品安全基本法の第3条において「食品の安全性の確保は、このために必要な措置が国民の健康の保護が最も重要であるという基本的認識の下に講じられることにより、行われなければならない」と規定されたことを礎に「食品の安全性の確保」や「国民の健康の保護」という趣旨を明確にするために目的の改正されたものである。
主な定義
(1)「食品」:食衛法で食品とは「すべての飲食物」と定義されている。
具体的には、そのままで飲食できる物、または加工もしくは調理することによって飲食できる物(飲食物)となっている。
また、この「飲食物」に当たるか否かは、社会通念上に照らし、以下の4点の基準により判断されている。
①そのまま、または調理等によって飲む物または食べる物。すなわち液状又は固形の物であって、そのまままたは調理等を行い、人が意図的にそれ自体を口に入れ、必要に応じて咀嚼を行い、嚥下し、食道に送り込むものでなければならない。
②人が食べることができる物
③その物の外形、状態等から、社会通念にしたがい飲める物、食べる物であると判断されたもの(例えば、鶏舎の鶏は飲食物ではないが、処理された鶏肉は飲食物)
④食習慣において飲食物であるという認識があるもの
また、薬事法に規定する医薬品及び医薬部外品は「食品」には含まれない(薬事法(昭和35年法律第145号)第1条l項関係)。
これは、食衛法とは別の観点から薬事法によって規制(薬事法第2条1項及び2項)が行われているためである。(法4。1)
(2)「添加物」:食衛法で添加物とは「食品の製造の過程において又は食品の加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用する物」と定義されている。
具体的に見ると「食品の製造の過程において使用される物」の場合であっても、「食品の製造上一定の目的及び必要があって使用されるもの」であること、また「不必要物が混入したものでないこと」は言うまでもないが、食品、添加物等の規格基準において、食品中に残存しないことが基準として定められている添加物もある(過酸化水素等)。
「添加物」であるか否かは使用の方法の形態を問題にしていない。典型的な例として、添加、混和、浸潤があげられている、「その他の方法」すなわち、塗布する場合なども、一定の目的および必要性の上に立って食品に対して行われるものであれば添加物であると判断されている。
ただし、菓子袋等の中に包装して入れられている乾燥剤のような保存目的で用いられるものであっても、食品に直接、接触しないような方法で使用されるものは添加物と判断されない。
なお、食衛法制定当時の添加物の定義は「食品の調味、着色、着香、保存、漂白又は膨張その他食品の加工の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用する物をいう」とされているが、とくに製造の過程で使用される物質が添加物であるか否か、法律上の疑義があったため、昭和32(1957)年に法律が改正され、現行のように改められた。(法4・2)
(3)「天然香料」:食衛法で天然香料とは、「動植物から得られた物又はその混合物で、食品の着香の目的で使用される添加物」と規定されている。
この天然香料については、「動植物から得られた物」または「その混合物」で、食品の着香の目的で使用される添加物と定義されており、動植物から抽出された物質を単独で、あるいは数種類、数十種類混合することによって一定の香りを作り出したうえで添加物として使用される物である。「動植物から得られた物」には、化学的合成品を含まないことは当然であり、また、天然由来の物質であっても、着香以外の目的で使用される添加物はこれには該当しない。(法4。3)
(4)「器具」:食衛法で器具とは「飲食器、割ぽう具、その他食品又は添加物の採取・製造。加工・調理・貯蔵・運搬・陳列・授受又は摂取の用に供され、かつ、食品又は添加物に直接接触する機械、器具その他の物」をいう。
具体的に「飲食器」は、コップ、茶碗、箸、スプーンなどであり、「割ぽう具」は包丁、まな板などが該当する。
食品または添加物に直接接触する機械、器具その他の物の分類に入るものとしては、食品または添加物の製造機械類、貯蔵のための冷蔵庫、運搬具や陳列ケースなどがある。
なお参考に「調理」の意義を見ると、「調理」とは食品を変型したり、他の食品を付加したり、あるいは、調味を加えるなどの方法によって、より飲食に適するような状態にし、通常、そのまま直接飲食に供する目的をもって食品に手を加えることであるとされている。(法4・4)
(5)「容器包装」:食衛法で容器包装とは「食品又は添加物を入れ、又は包んでいる物で、食品又は添加物を授受する場合そのままで引き渡すもの」をいう。
容器包装は、本来、容器と包装とに分けて考えることが出来るが、食衛法では便宜上一括して表現している。
容器包装は、食品、添加物を授受する場合、そのまま引き渡すものであるから、食品の一部として考えられ、また食品等を入れているものであっても、例えば、製造業者と問屋との間の運搬のために用いられる容器などは、ここでいう「容器包装」には該当せず、むしろ、前項の「器具」に該当すると考えられる。(法4・5)
(6)「食品衛生」:食衛法でいう食品衛生とは、「食品、添加物、器具及び容器包装を対象とする飲食に関する衛生」をいう。
なお、この法律で「食品衛生」という場合は、食品のみではなく、添加物、器具及び容器包装を対象とした衛生であり、また、それらについての飲食に関する衛生を指している。(法4・6)
(7)「営業」:食衛法で営業とは、「業として食品若しくは添加物を採取し、製造し、輸入し、加工し、貯蔵し、運搬し、若しくは販売すること又は器具若しくは容器包装を製造し、輸入し、若しくは販売すること」をいう。ただし、農業および水産業における食品の採取業はこれを含まない。
この「営業」に関しては、食衛法による各種の規制。取締りは、基本的に食品関係の営業および営業者を対象として行われるので、この「営業」および次項の規定による「営業者」の定義は、非常に重要な意義を持っている。
当該規定による「営業」とは、上記のように「業として」一定の行為を行うこととされている。
なお「業として」とは、同種の行為を反復継続して遂行し、社会通念上も事業として認識される程度の規模、形態をなす場合であると解されている。
また「業として」行う行為は、必ずしも営利を目的としたものである必要はない、非営利の場合も該当する。
さらに営業とされる行為の内容は、「食品又は添加物の採取、製造、輸入、加工、調理、貯蔵、運搬又は販売」、「器具又は容器包装の製造、輸入、又は販売」のいずれかに該当するものになる。(法4・7)
(8)「営業者」:食衛法で営業者とは、前項の定義による「営業を営む人又は法人」をいう。
なお、「人」とは、自然人を意味し、「法人」とは自然人以外で、各種の法律により人格を付与された団体のことである。
食衛法では、営業の主体の人格については、なんら制限はない、個人であろうと、株式会社その他の法人であろうと食品関係を営むことができる。
しかし、営業の主体の人格に関わりなく一様に食衛法の規制の対象とすべきことはもちろんであり、いかなる形態によって営業を営む場合であっても、本項の「人」または「法人」のいずれかに該当するものとなり、これ以外の場合は有り得ない。(法4・8)
(9)「登録検査機関」:食衛法で「登録検査機関」とは、法第33条第1項の規定により厚生労働大臣の登録を受けた法人と規定されている。
登録検査機関制度は、平成15(2003)年の法改正において命令検査を実施する検査機関について、厚生労働大臣による指定制度を登録制度に改め、民法に基づき設立された法人(いわゆる公益法人)以外の法人も検査機関として登録を受けられることになった。法第31条から第47条までにおいて登録制度に関する必要な規定を整備したことに伴い規定されたものである。(法4・9)
営業許可が必要な業種
下記の34業種で食品衛生法により所管の保健所長から許可を受ける必要があります。
手順は営業しようとする事業群が、所管保健所に営業許可申請害を提出し、その施設が施設基準を満たしていると認められた場合に許可が下ります。手続きの書式は各地方白沿体で多少異なりますので、実際に許可を取ろうとする場合は、ホームページの「食品営業許可申請」ページをご覧ください。
保健所の営業許可が必要な34業種
飲食店営業、喫茶店営業、菓子製造業、あん類製造業、アイスクリーム類製造業乳処理業、特別牛乳搾取処理業、乳製品製造業、集乳業、乳類販売業、食肉処理業、食肉販売業、食肉製品製造業、魚介類販売業、魚介類せり完営業、魚肉ねり製品製造業、食品の冷凍又は冷蔵業、食品の放射線照射業、清涼飲料水製造業、乳酸菌飲料製造業、氷雪製造業、氷雪販売業、食用油脂製造業マーガリン又はショートニング製造業みそ製造業、醤油製造業、ソース類製造業、酒類製造業、豆腐製造業納豆製造業めん類製造業、そうざい製造業、缶詰又は瓶詰食品製造業、添加物製造業
3.②食品安全基本法
近年の乳製品事故、BSE間題や偽装表示問題等を契機に、国民の健康保護を最優先し、政府は各関係省庁と連携する食品安全基本法を制定しました。
背景
平成13(2001)年に発生した牛海綿状脳症(BSE)の問題を契機に設置された「BSE問題に関する調査検討委員会」の報告書を踏まえ、消費者の健康保護最優先等の基本理念やリスク分析手法の導入、さらには食品安全委員会の設置等を内容とし消費者の保護を基本とした包括的な食品の安全を確保するための法律として、平成15(2003)年5月に制定された。
目的
この法律は、科学技術の発展、国際化の進展その他の国民の食生活を取り巻く環境の変化を背景として、食品の安全性の確保を総合的に推進しようとするものであり、その主要な内容は、食品の安全性の確保に関して、
①基本理念を定めること
②国、地方公共団体および食品関連事業者の責務、消費者の役割を明らかにすること
③施策の統一的な方向性を示すことにより、食品の安全性の確保を総合的に推進するため、施策の策定に係る基本的な方針を定めることである。(法1)
主な定義
「食品」:すべての飲食物(薬事法に規定する医薬品および医薬部外品を除く。)をいう。一般に「人が日常的に食物として摂取する物の総称」で、特に明記しない限り食品の原料または材料となる農林水産物等は含まれず、最終的に飲食物として摂取しうる物だけを指す。なお、「食品」を上記のように解したとしても、「食品の安全性の確保に関する施策」としては、食品供給行程におけるあらゆる要素が飲食物として摂取される最終食品の安全性に影響を及ぼすおそれがあることにかんがみれば(法4)、最終食品段階における施策だけではなく、農林水産物の生産段階にまで遡る各段階における施策が含まれることとなる。(法2)
③地域保健法
地域保健法の第5条で都道府県・指定都市・中核都市・特別区に保健所を置くことを定め、食品衛生等に係わる検査や食中毒に係わる調査等を行うこととなっています。
④健康増進法
健康増進法第26条では食品に乳児用、病者用等特別の用途に関する表示や健康保持に役立てる特別用途食品は厚生労働大臣の許可を受けなければならないと定めています。同法第27条では地域保健法でいう保健所設置市の長は特別用途食品の製造・貯蔵・販売施設へ職員を立ち入らせ検査し試験検査に必要な食品を採取することができるとし、食品衛生法第30条に定める食品衛生監視員がこれを行うと定めています。
背景
戦後の食糧難の時代から飽食の時代になり久しいが、今日まで豊かな食生活を続けてこられたことは幸せなことに違いない。また、日本人の平均寿命は延び続け世界中で最も長寿の国となっている。しかし、一方で医療技術の発達は死亡率を低下させてはいるものの、決して病気が減っているわけではない。国が発表している死亡原因のトップをみると「ガン・心臓病・脳血管疾患」というふうに、欧米型に移行している。
このような状況の中、戦後国民の栄養不足解消を目的として作られた、栄養改善法(昭和27(1952)年)にかわり、あらたに健康増進法が平成15(2003)年に施行された。健康増進法は急速な高齢化の進展と疾病構造の変化にともない、国民の健康増進の重要性が著しく増大しているとの認識の下、総合的な取り組みの必要性からできたものである。そして、国民の責務として積極的な健康増進へのかかわりと、国および地方自治体の責務として積極的な健康増進のための取り組みを進めるように明記された点は大きい。
国はこの法律で国民の健康増進のための基本方針を示し、各都道府県は基本方針を踏まえて住民の健康増進の推進に関する施策についての基本的な計画(「都道府県健康増進計画」)を定める。さらに、各市町村は基本方針と都道府県健康増進計画をもとに健康に関する施策についての計画(「市町村健康増進計画」)を定めている。
健康と食との関係は非常に密接であり、日本人の食事内容の変化が疾病内容に変化を及ぼしてきたといっても過言ではないだろう。我々は健康に関するさまざまな情報を正確に知り、健康の向上に努める責務がある。しかし、毎日とり続ける食品の健康情報が正しいものでなければ健康の向上も成り立たないということになろう。したがって、食品を供給するものの責務として正しい食品の情報を提供しなければならないということもできる。
しかし、実際にはさまざまな食品が国内はもちろん海外からも輸入され食卓に上るようになってきたが、健康に関する情報が正しく十分なものであったかというと必ずしもそうではなかった。食品を買う者が本当に知りたい情報がなかったり、間違った内容を表示して誤認を与えるようなことも見受けられた。これにより本当に必要な健康増進のための情報が得られず、適切な健康増進の機会を失う危険性が指摘されるようになった。
特に健康増進に役立つための表示情報が法律的にどのように規定されているかを中心に解説する。また、近年健康志向を反映して多くの健康食品が市場に出回るようになってきたが、その表示内容が食品の域を逸脱して医薬品的な効果効能を標榜するようになってきた。本来受けるべき治療を受けず、健康食品をとり続けることにより、疾病を悪化させるなどの危害も危惧される。
目的
わが国における急速な高齢化の進展および疾病構造の変化にともない国民の健康の増進の重要性が高まっている。健康増進法は
①国民の健康の増進の総合的な推進に関する基本施策の制定
②国民の栄養の改善その他の国民の健康の増進を図る措置
①②を実施し国民の保健向上を目的とした法律である。(法1)
定義
(1)「健康推進事業」:健康教育、健康相談その他国民の健康の増進のために、健康増進事業実施者が行う事業(法4)
(2)「健康増進事業実施者」:
①健康保険法(大正11(1922)年法律第70号)の規定により健康増進事業を行う政府、健康保険組合または健康保険組合連合会
②船員保険法(昭和14(1939)年法律第73号)の規定により健康増進事業を行う政府
③国民健康保険法(昭和33(1958)年法律第192号)の規定により健康増進事業を行う市町村、国民健康保険組合または国民健康保険団体連合会
④国家公務員共済組合法(昭和33(1958)年法律第128号)の規定により健康増進事業を行う国家公務員共済組合または国家公務員共済組合連合会
⑤地方公務員等共済組合法(昭和37(1962)年法律第152号)の規定により健康増進事業を行う地方公務員共済組合または全国市町村職員共済組合連合会
⑥私立学校教職員共済法(昭和28(1953)年法律第245号)の規定により健康増進事業を行う日本私立学校振興・共済事業団
⑦学校保健法(昭和33(1958)年法律第56号)の規定により健康増進事業を行う者
③母子保健法(昭和40(1965)年法律第141号)の規定により健康増進事業を行う市町村
⑨労働安全衛生法(昭和47(1972)年法律第57号)の規定により健康増進事業を行う事業者
⑩老人保健法(昭和57(1982)年法律第80号)の規定により健康増進事業を行う市町村
⑪介護保険法(平成9(1997)年法律第123号)の規定により健康増進事業を行う市町村
⑫その他健康増進事業を行う者であって、政令で定めるもの(法6)
⑤と畜場法
と畜場法は食用に供する家者を処理する 「と畜場」 の設置許可、使用料・解体料の許可、家畜の疾病検査について定めた法律です。食品衛生法はと畜場法の第5条の規定から疾病あるいは死亡した家畜の肉等の販売・流通を禁じています。
4.食品衛生の意義
WHO(World Health Organization : 世界保健機構)は食品衛生を以下のように定義しています。 「食品衛生とは食品の生育生産あるいは製造時から最終的にヒトに摂取されるまでの全ての段階において 食品の安全性・健全性・完全性を確保するために必要なあらゆる手段をいう」
人々が安心して飲んだり、食べたりできるようにするには食品の生産から最終消費まで( f r o m farm to table)の間、疾病や中毒の原因となるものを排除し栄養や品質等も損なわないようにしなければいけません。
私たちの食生活は、家庭内で調理して食べる 「内食」 主体から調理済み食品や弁当等を利用する「中食」、飲食店やレストランでの「外食」の機会が増加しています。このような食の外食化は食品の流通にも大きく影響しています。また、輸入食品の輸入重量は横ばいながら届出件数は増加していて、少量多品種化になっており、安全性のチェックは重要となっています。このような状況において、食品の安全性を確保することについて個人ができることは限られているといえます。
食品衛生監視員と食品衛生管理者
国家公務員である食品衛生監視員と地方公務員の食品衛生監視員とがいます。国の食品衛生監視員は厚生労働省、地方厚生局、検疫所等に勤務していて輸入食品の監視指導、HACCP(hazard analysis criticalcontrolpoint:危害分析重要管理点、総合衛生管理製造過程) 施設の承認等の業務を行っています。地方公務員の食品衛生監視員は都道府県・保健所・特別区等に配置されており、食品衛生上の危害防止のために食品製造・販売営業施設等の指導、監視業務等を行っています。
食品衛生監視員の資格
①厚生労働大臣の指定した食品衛生監視員の養成施設において、所定の課程を終了した者
②栄養士で2年以上食品衛生行政に関する事務に従事した経験を有する者
③医師、歯科医師、薬剤師または獣医師
④大学等で医学,歯学,薬学,獣医学、畜産学,水産学または農芸化学の課程を修めて卒業した者でなくてはならないとされています。
食品の製造または加工を行う営業者は、食品の製造または加工の過程で特に衛生上の考慮を必要とする以下の11業種に専任の食品衛生管理者を設置することが義務付けられています。
11業種は全粉乳・加糖粉乳・調製粉乳・食肉製品( ハム、ソーセージ、ベーコン,その他これに類するもの) 魚肉ハム・魚肉ソーセージ・放射線照射食品・食用油脂(脱色または脱臭の過程を経て製造されるものに限る)マーガリン・ショートニングおよび添加物であり、これらの施設ごとに1 人を置くこととなっています。
食品衛生管理者となりうる資格はほぼ食品衛生監視員と同じです。 食品衛生管理者を置かなければならない業種で衛生管理業務に3年以上従事した実務経験者で、さらに厚生労働大臣が指定した請習会の課程を修了した者はなることができ、範囲は食品衛生監視員の資格よりも広いです。2003年の食品衛生法改正により、総合衛生管理製造過程 (HACCP) を導入している施設も食品衛生管理者を置くことが義務付けられました。
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