目次

1.アトピー性皮膚炎とその原因

アトピーという言葉は、 1923年にCocaとCookeがはじめて用いました。気管支喘息や枯草熱(アレルギー性鼻炎)やじん麻疹は、同一家系内にみられることが多いので、先天的過敏症(アトピー)という意味に用いました。アレルギー素因(体質)と同じことと理解してよいでしょう。

このアトピー家系にしばしばみられる、慢性に経過する湿疹のことを、1954年「アトピー性皮膚炎」と名づけ、今日まで使われてきました。従来から小児湿疹と呼ばれ、一部成人に及ぶと慢性湿疹と呼ばれていたものの多くが、アトピー性皮膚炎に相当するものです。


主たる原因は食物アレルギー
アトピー性皮膚炎の病因については、現在のところ、統一した見解はありません。対症療法(軟膏で押える)を行なって、自然軽快を待つのが、おおかたの治療となっています。

一方、以前から食物アレルギーによるとの意見もあります。しかし、少数の研究者や医師にかぎられ、広く診療に応用されるには至っていないのが現状です。
次のことが、その理由と思われます。第一にかくれ型食物アレルギーについての理解不足です。

原因食物を食べていても、 症状は体調や気候により変化する。食べてから症状が出るまでの時間も、数時間後や一、二日後のことが多い。診断には、血液検査や皮膚反応があまり役立たない。 食物の除去は、わずかにでも含む食品まで完全でなければ、よくならない点です。

第二に、原因食物としては、牛乳・卵・大豆が多いので、献立に苦労する。栄養上の不安や、集団給食での障害などです。原因食物は、牛乳が最も多く80%以上に、次いで卵が約半数に、 大豆約3割に関与していました。つぎは、ずっと少なくなって豚肉でした。ひとりの患児に関与する食物の種類は、軽症例ほど少なく診断しやすいが、重症例や年長児では、多数の食物が関与しているので苦労します。

2.あまり知られていない本当は体に良くない食品
「あまり知られていない本当は体に良くない食品」についてお話したいと思います。
アトピー性皮膚炎と添加物には深い関わりがあります。
日本は他の国に比べると添加物がたくさん入った食品が売られていて、私たちは知らず知らずの内に体に害をなす添加物を取り込んでしまっているのです。

具体的には、着色料、保存料などですね。梅干しやウインナーも美味しく見せる為に赤やオレンジ色の着色料がたくさん含まれています。食品会社からしてみれば、美味しそうな見た目の方が購入してもらいやすくなるからという理由だけで購入者の体のことまでは考えてないように思います。そんな時代だからこそ、私たちは自分自身の目できちんと判断して選び購入する義務があるのではないでしょうか。他にも、菓子パンに含まれる「マーガリン、ショートニング」が有名です。

ほとんどの菓子パンに含まれてるのでお買い物に行かれた際は、裏面の成分表示欄を見てみてください。あと、「植物油脂」です。植物油脂は大豆油、なたね油等を総称して呼ばれていますが中華系の食材やアイス。ジュースにも含まれています。これらは確実にアトピーを悪化させますし、アトピー治療するならまずこれらの摂取を止めなさいと先生から言われると思います。

アメリカではマーガリンの使用を禁止するような動きも出てきているのですが、日本ではまだそのような規制はされていないようです。年々アレルギー体質の人達が増えてきているのは、これらの西洋食文化が日本に蔓延しているからではないでしょうか?

戦前の日本にはアトピーなんてものは無かったと聞いています。日本人の体質に合わない西洋の食事が広がって、体内で処理しきれないケースがアレルギーとなって現れてくるのです。一度アレルギーになってしまうと治すことは本当に難しいですし、日常生活に支障をきたしてしまうのでできるだけ日々の食事には気をつけなければいけません。かといって、ストイックになりすぎると逆にストレスになってしまうので自分の許容範囲の中で無理のないよう食生活を今一度見直してみてはいかかでしょうか?



3.治療について
治療の根本は、原因食物の除去を続け、自然克服を待つことです。除去治療期間は、平均1~2年くらいといわれています。年長児または重症例ほど長時間を要するようです。
食べると常時症状が増悪する強い食物と、 季節や心身のストレスなどの誘因が加わった時にだけ関与する弱い食物を知っておくことも、長期の治療に役立つでしょう。

完全に除去されなくとも、ある程度制限されていると、軟膏治療がよく効くようになります。
牛乳、卵や大豆など日常食物を除去しつづけることは容易ではありません。牛乳や卵を必須の栄養食品とする考えが強い今日では、栄養上の不安も強いでしょう。

しかし、心配しないでください。牛乳・卵・大豆油を除去しても、代用食品を用いて、風味豊かで栄養のバランスも考えた料理集が、本書の後半に載っています。ご参考にされるとよいでしょう
給食をやめての弁当持参には、周囲の協力がぜひとも必要となります。安易な同情よりも、実行に対しての賞費と激励が役に立ちます。食物アレルギーについての理解の広がりが、切に望まれるものです。



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