飲料に含まれる危険成分を確認して安全な飲み方を紹介
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2. お茶
何といってもカフェインがゼロであることです。緑茶が使われていなくて、カフェインもふくまれていないものを選びます。
「びわの葉」「カワラケツメイ」「グァバ葉」など、普段私たちがあまり口にしないものが原材料に使われていますが、いずれも古くから食用として使われているものなので、問題はないでしょう。ビタミンC は、成分が酸化して、味や香り、色などが変化するのを防ぐために添加されています。安全性に問題はありません。
一方、カフェインがふくまれているものもたくさんあります。もし、カフェインが苦手なお子さんがいるならば、注意した方がいいでしょう。
緑茶が使われているものにはカフェインがふくまれています。カフェインは、神経を刺激するので、人によっては不眠や耳鳴りなどの症状が現れることがあります。
ですから、昔から子どもにはカフェインをとらせない方が良いということで、「コーヒーは子どもに飲ませない」という親も多いようです。しかし、日本人はお茶をよく飲むので、緑茶まではなかなか禁止できないのが、現実だと思います。そのあたりは、親の判断に任せるしかないでしょう。
なお、お茶を煮出す際、抽出効率を高めるために、炭酸水素沁(重曹)を混ぜているものもあります。それは茶菓の成分と 反応して分解されますが、ナトリウムは残るので、ナトリウムがふくまれています。
プール並みの大きな容器に茶葉を入れ、お湯を注いで作るのが、市販のペットボトル茶だ。
家庭でお茶を飲むのと同じ要領だが、飲料メーカーに言わせると、「家庭のお茶とは別物と思ってください」と、正直に言う。家庭で急須でお茶を入れて飲むと、湯のみの底に粉のような沈殿物が残る。それらも一緒に飲むわけだが、その沈殿物にはカテキンなどのお茶の持つ栄養素が豊富に含まれている。
ただ、ペットボトル茶の場合、日持ちをよくするために、沈殿物はすべて除去してしまう。当然、栄養素がなくなるので、「緑茶抽出物」というエキスでカバーしているのだ。
また、酸化防止のために、「V・C」と表示されるビタミンCを添加。ビタミンCといっても、アスコルビン酸というブドウ糖を還元させて作った化学合成の食品添加物だ。アスコルビン酸はがんを発生させる原因になる活性酸素を多く出すことが指摘されている。
ペットボトル茶でメーカーが秘密にしているのが、「緑茶抽出物」がどこで作られているかということと、アスコルビン酸の添加量だ。
2006年に金沢工業大学の露本伊佐男准教授が行なった主なメーカーのペットボトル緑茶のビタミンC含有量調査では、500ミリリットル中になんと80~100ミリグラムも入っていた。
これは厚生労働省が推奨している一日のビタミンC所要量100ミリグラムに匹敵する量。これではビタミンCの過剰摂取のほうが心配になってしまう。ビタミンC(アスコルビン酸)を過剰摂取すると、尿路結石を起こす可能性もあることを覚えておきたい。
スポーツドリンク
ロンドンオリンピックで、日本人選手がスポーツドリンクを飲んでいる映像がたびたび流されていましたが、私は「大丈夫なのかな?」と思っていました。というのも、合成甘味料のスクラロースが添加されているからです。
スクラロースは、悪名高き有機塩素化合物の一種です。実は猛毒のダイオキシンや使用禁止になった農薬のDDT、地水汚染を引き起こしているトリクロロエチレンやテトラクロロエチレンも有機塩素化合物の一種なのです。
もちろん、同じ有機塩素化合物であるといっても、それぞれ毒性は違いますが、基本的には有毒物質であるのです。その中で、スクラロースだけが動物実験の結果から、「安全性は高い」ということで、厚生労働省によって食品添加物として使用が認められました。しかし、本当にそうなのか疑問を感じざるを得ません。
スクラロースを5%ふくむエサをラットに食べさせた実験では、脾臓と胸腺のリンパ組織に萎縮が見られています。さらに、妊娠したウサギにスクラロースを経口投与(口から投与する方法)した実験では、一部に死亡例や流産が認められました。ラットの実験では脳にまで入り込むことがわかっています。
これらの実験データ、および有機塩素化合物であることを考え合わせると、やはり摂取すべきではない添加物と考えられます。
スポーツドリンクやアミノ酸飲料のルーツとなったのは、ある製薬会社が開発したスポーツ飲料だが、その理由がふるっている。
「以前、アミノ酸入りのスポーツドリンクがブームとなりましたが、もともとは医療用の点滴液だったんです。しかし作り過ぎて在庫が溜まってしまっていた。それを製薬会社会長の「瓶詰にしてドリンクにしろ」の一声で売り出し、大ヒットになったんです。ですから、スポーツドリンクは点滴液を飲んでいるのと同じなんですよ。アミノ酸飲料水も同様のことが言えます」(医療関係者)
アミノ酸は多く使われるが、中国なども大量に生産をしており、限界的な過剰状態にある。アミノ酸入り飲料や食品が乱立しているのも、背景にはアミノ酸過剰がある。
異常な猛暑が続く昨今、熱中症予防のため、テレビニュースでもスポーツドリンクを飲むことを薦めるなどしているのだから、アミノ酸飲料、スポーツドリンクメーカーはウハウハのはずだ。
だが、熱中症予防のためには、普通の水をまめにとれば十分である。
アミノ酸飲料を過剰にとれば、アミノ酸インバランスを起こす恐れさえある。特定のアミノ酸ばかりとると、他のアミノ酸の働きを阻害し、かえって、健康に悪い影響を与えるのだ。
ともあれ、病気でもないのに点滴液を飲むことはないのである。
コーラ
「コーラは体に悪い」と思っている人が大半だと思いますが、実際その通りなのです。とくに子どもたちにはどれもオススメすることができません。
まず、独特の褐色を出すために使われているカラメル色素が問題です。カラメル色素には4 種類あって、そのうち2種類には原料にアンモニウム化合物が使われており、そのため副産物としてメチルイミダゾールという化学物質ができます。これは発がん性物質であることが動物実験でわかっているのです。そして、日本で売られているコーラには、メチルイミダゾールがいずれの製品にもふくまれているのです。
さらに、子どもにとっては良くないカフェインがどの製品にもふくまれています。また最近では、ダイエットタイプが売り出されていますが、安全性の不確かな合成甘味料が使われています。アスパルテーム・L-
フェニルアラニン化合物については、アメリカの複数の研究者によって、脳梗塞を増加させているという指摘がなされています。
さらに、2005年にイタリアで行われた動物実験では、白血病やリンパ癌を起こすという結果が出ています。アセスルファムK (カリウム)は、自然界に存在しない化学合成物質で、イヌを使った実験で、肝機能や免疫力を低下させる可能性が示されています。スクラロースは、有機塩素化合物の一種。ネズミを使った実験で、免疫に悪影をおよぼす可能性が示されています。アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物とアセスルファムK が、さらにスクラロースが使われています。そのため、子どもに飲ませてはいけない飲み物といえるでしょう。
炭酸飲料
炭酸飲料は「糖分が多い」という非難の的にさらされている飲み物です。それが理由で飲まない人も多いでしょう。そこで、ゼロカロリーのように、合成甘味料のアセスルファムKやスクラロースを使うことによって、糖分とカロリーを減らした製品が売り出されるようになりました。
しかし、そのどちらにも問題があるのです。
アセスルファムKは、2000年に認可された添加物で、砂糖の約200倍の甘味があります。しかし、イヌにアセスルファムKを0.3 %、および3%ふくむエサを2年間食べさせた実験では、0.3 %群でリンパ球の減少が、3%群ではGPT (肝臓障害のときに増える)の増加とリンパ球の減少が認められました。つまり、肝臓や免疫に対するダメージが心配されるのです。スクラロースは1999年に認可された添加物で、砂糖の約600倍の甘味があります。それを5%ふくむエサをラットに食べさせた実験では、脾臓と胸腺のリンパ組織に萎縮が見られました。
それ以外の炭酸飲料は保存料の安息香酸(ナトリウム)は、急性毒性(すぐにあらわれる毒性) が強く、5%ふくむエサをラットに4週間食べさせた実験では、すべてが尿失禁やケイレンなどを起こして死亡しました。また、ビタミンC と反応して、人間に白血病を起こすベンゼンに変化します。
また、カラメル色素には、発がん性のある4-メチルイミダゾールがふくまれている可能性があります。
甘味料のステビアは、南米原産のステビアの葉から抽出された甘味成分で、EU (欧州連合)では、動物のオスの精巣に悪影響をもたらすという理由で、長らく使用が認められていませんでしたが、2011年12月から条件付きで、使用が認められました。
乳飲料
カフェオレには、通常乳化剤、香料、カラメル色素などが使われ、独特のなめらかな食感や香りなどを演出しています。
カラメル色素がよく使われています。色を濃くするためでしょう。
前にも指摘したように、カラメルm とカラメルⅣには、発がん性のある4-メチルイミダゾールがふくまれています。しかし、「カラメル色素」としか表示されないので、4種類のカラメル色素のうち、どれが使われているのかわかりません。
乳化剤と香料が使われています。乳化剤は、合成のものが9品目あって、4品目はもともと食品にふくまれていたり、食品成分に近いものなので、ほとんど心配ないのですが、残りの5品目には問題があります。
とくに2008年に認可されたポリソルベート60とポリソルベート80は、動物実験の結果から、発がん性の疑いがあります。製造元に問い合わせたところ、「グリセリン脂肪酸エステルとショ糖脂肪酸エステルを使っているが、ポリソルペート類は使っていない」といいます。グリセリン脂肪酸エステルは脂肪に近いもので食品にもふくまれており、ショ糖脂肪酸エステルは食品成分に近いので心配はありません。このほか、香料が気になるところですが、香料は企業秘密の壁があって、何なのかわかりません。
栄養ドリンク
忙しい現代社会では子どもも疲れているせいか、子供用の栄養ドリンクが売られています。
これは、指定医薬部外品(厚労働大臣が指定した医薬部外品)で、スーパーやコンビニでも売られていて、しかも食品と違って効能・効果をうたうことができます。
ビンには、「【効能】☆幼少児の発育期・偏食兒・病中病後・発熱性消耗性疾患・食欲不振・栄養障害等の場合の栄養補給☆ 虚弱体質☆滋養強壮」とあります。それにしても、「偏食児」の栄養補給に効果があるというのも、変です。偏食は、本来は食事指導できちんと直さなければならないはずです。栄養ドリンクに頼っていると、余計偏食になってしまうでしょう。この製品の効能は、カルシウムや各種のビタミンなどを補給するということのようですが、それは肉や野菜、穀類などから十分とることができるのです。
それから、主成分となっている「タウリン」は、生体内で胆汁酸、心筋、筋肉、脾臓、脳、肺、骨髄などに存在していて、含流アミノ酸(硫黄をふくむアミノ酸)から作られています。俗に「血中脂質を改善する」「肝機能を高める」「血圧を下げる」と言われていますが、それらの効果はほとんど確認はされていません。
一方、添加物の安息香酸は保存料で、ビタミンCと反応して、人間に白血病を起こすベンゼンに変化することがあります。サリチル酸は保存効果がある強い酸で、たくさんとると胃痛を起こすことがあります。これらを考え合わせると、わざわざ買って子どもに飲ませる必要はまったくありません。
また各種のビタミンとアミノ酸をふくんでいますが、基本的にはこれらも食事からとることができます。なお、保存料は使われていませんが、香料や酸味料が添加されています。
牛乳
だれでも、できるだけ新鮮な搾り立ての牛乳を飲みたいと思っているはずだ。ただ、搾りたての牛乳は「特別牛乳」と呼ばれ、観光牧場でしかまず飲むことはできない。
では市販の牛乳は、いつ搾られた生乳なのか。
牛乳パックの表示をみると、賞味期限は七日間くらいになっているから、「賞味期限切れ日の10日前くらいに搾られたんだろう」と思っている人も多いはずだ。しかし、酪農関係者によれば、少なくとも賞味期限切れ日の30日前には搾られているという。
「市販されている牛乳の95%はロングライフ牛乳(LL牛乳)で、10度で保存しておけば、賞味期限は30日間はあります」
だが、どのスーパーの売り場を見ても、賞味期限が30日間もある牛乳など見たこともないだろう。それもそのはずだ。
「コンビニやスーパーから、賞味期限はあまり長くしないでくれと、言われているからです。『牛乳がこんなに持つのか』と、消費者に思われたくないのでしょう」(酪農関係者)牛乳の製造日というのは、殺菌してパック詰めした日のことだが、これは大方、搾乳日の2~3日後。もし製造日が表示されれば、日本の牛乳のほとんどが、1カ月前に搾られた生乳を原料にしていることが明るみに出るわけだ。
ちなみに、普通一パックの牛乳の中身には、数千頭の乳牛の乳が混じっている。逆に言えば、一頭の牛に問題があるだけでも、その影響は大きい。
清涼飲料水
2006年、清涼飲料水「アロエベラ」から発がん性物質のベンゼンが検出され、製品回収の措置が取られたが、ベンゼンの検出可能性がある清涼飲料水は他にもある。
ベンゼンは車の排気ガスやタバコの煙などにも含まれる物質で、IARC(国際がん研究所)は「ヒトに対して発がん性がある」(グループ1)に分激している。
そんな物質がどうして、清涼飲料水から検出されたのかというと、安息香酸とアスコルビン酸という二つの食品添加物の相乗毒性のためだ。
安息香酸は保存剤、アスコルビン酸は「V・C」と表示される酸化防止剤。ときには栄養強化剤としても添加される。この二つの添加物が一緒になると、温度や添加量によっては発がん性物質のベンゼンが生成されることが、英国、米国、豪州の政府機関から相次いで公表されている。
この報告を受け、06年、厚労省医薬食岾局食品安全部は、安息香酸、アスコルビン雌が添加されている市販の清涼飲料水三一製品の分析検査結果を公表。その結果、すべての製品からベンゼンが検出された。ただ、日本では食品中のベンゼンに関する法定の基準がないため、水道法での水道水のベンゼンに関する無準仙である10ppbを超えて検出された製品「アロエベラ」のみの回収を販売業者の㈱DHCに要請したのだ。清涼飲料水を購入するときは安息香酸とV・Cが一締に表示されているものは避けること。食品添加物はこのような相乗毒性があるので、摂取しないにこしたことはない。
豆乳
一晩水に浸けた大豆を水びき(水を抜くこと)し、さらに水を加えて加熱し、布袋でおからを取り分けた乳濁液が豆乳と呼ばれ、中国を初め、世界中で昔から飲まれている栄養食品である。しかし、今の市販豆乳は、大豆は大豆でも油を搾った後の大豆カス(脱脂大豆)を原料にした加工豆乳がほとんどである。そして、加工豆乳には植物油、糠、塩、乳化剤、香料、着色料、酸味料、強化剤などが添加されている。
なぜ、豆乳がこんなにも堕落した食品になったのか。これは豆乳に限ったことではないが、油を搾った後の大豆カスの処理として大手製油メーカーが、その利用を思いついたのだ。30年前の専門雑誌にその大手製油メーカーの研究者が次のように書いている。
「丸大豆にこだわらないで、価格面、脱臭のしやすさ、さらに大豆油の酸化の問題などの点を考え、脱脂大豆を原料として、これに保存性のよい油脂を再配合する方法を採用した」脱脂大豆はヘキサン、ベンゼンなどを使った抽出法によって99%以上も大豆油をとったカスである。栄養価が失われているので、飼料にも肥料にもあまり使われないのだ。
かつて、上野動物園で大豆カスから作った人造
肉をネコに与えたら見向きもせず、サルに与えたら20日間で栄養失調になり、ライオンは猛烈な下痢を起こしたという。
動物も食べないような大豆カスが、今やあらゆる加工食品の主原料のようになっている。
ワイン
赤ワインに含まれるポリフェノールに動脈硬化防止効果があると宣伝され、赤ワインが一時大変な人気になった。
しかし、赤ワインファンの間で奇妙な現象が起こっていたのをご存じだろうか。
「私どものクリニックには、500人くらいの患者さんがいるんですが、最近、どうも眠れないという相談が多いんです。それで聞いてみると、赤ワインを飲むようになってからだという人が多いんです。で、赤ワインをやめてみたらどうですかと言って、やめてみると、ぐっすり眠れるようになったというケースがよくあるんです。日本酒に変えたら眠れたという人もいます。赤ワインに含まれている酸化防止剤のせいではないかと思っています」(都内のメディカルサロン)
赤ワインでも白ワインでも、ワインは酸化しやすいため酸化防止剤を添加してある。
ワインの酸化防止剤として使用されるのは、亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、二酸化硫黄、ピロ亜硫酸ナトリウムがあるが、多くは亜硫酸ナトリウムや二酸化硫黄を添加している。
亜硫酸ナトリウムは消化器官の粘膜を刺激しやすいし、二酸化硫黄といえば、工場煤煙や排気ガスに含まれる有害物質である。
ワインの場合、栓を開けると酸化しやすいので飲みきることが多いので、それだけ亜硫酸ナトリウムや二酸化硫黄も多く摂取してしまうという問題もある。
赤ワインを飲むと眠れない人は、一度、他の酒に変えてみたほうがいいかもしれない。
ビール
根っから「呑んべえ」の私でも、日本ではビールをあまり飲まない。トイレが近くなってしょうがないのが一番の理由だが、1杯飲めば「もういいや」という感じになるのも確かである。ただ、ドイツではよく飲んだ。大ジョッキで軽く5杯は上げたはずだ。あまりにもうまいので、ついついすすんでしまうのだ。
日本のビールと、何がこれほどまでに違うのか。
ドイツには500年も前の「ビール純正令」が、現在でも存在している。ビールのラベルにも必ず「1516年制定のビール純正令によって醸造されている」と書かれているのだ。ドイツのビールは例外なくこの純正令に従って作られている。このビール純正令は、「ビールは水に麦とホップだけを用いて作ること」という大変単純なものである。日本のビールは、米やトウモロコシのでんぷんを精製したコーンスターチが副原料として入っている。また、それだけでなく、様々な添加物を使用してもいいことになっている。
添加物は風味保持、老化防止(微生物や環境要因で食品の性質が変わるのを防ぐ)、安定性付与、変質防止、酸化防止、pH洲整、タンク洗浄、ろ過、消泡、分散、安定のために使われるが、加工助剤(キャリーオーバー)として、大半は表示しなくていい添加物。だから、ビール会社が本当のことを言わない限り、消費者にはわからないのである。
日本酒
ドイツが500年も前の「ビール純正令」で、ビールの伝統をかたくなに守っているのに対して、なぜ日本には、日本酒は米、米麹、水だけで作るという「日本酒純正令」なるものがないのだろう。
醸造アルコール、糖類、酸味料を当たり前のように添加している大手酒造メーカーが猛反対しているからに違いない、と勝手に解釈している。あるいは、酒造アルコールの添加をやめると、酒税の減収になると財務省が圧力をかけているのかもしれない。
アルコール添加のいい加減な日本酒ばかり造ってきたから、消費者の日本酒離れはどんどん進んできている。
そうした中、日本酒メーカーはなんとか、消費拡大をはかろうと懸命に新製品を出している。最近目立っているのが、「フルーティーな香りで、のどごしがさわやか」というもの。酒税法で日本酒に香料を添加することは禁止されている。ではどうやってフルーティーな香りをつけるのか。
ある蔵元はいう。
「酵母の研究が進んで、香りを出す酵母が開発され、大手酒造メーカーが特許を持っています。薬剤で酵母に突然変異を起こしてつくるんです。香りの他にも味わいを出す酵母も何様に作られています。あくまでも酵母ですから違法にはなりませんが、おかしいと思いますね」10年前の吟醸酒ブームの頃は米から抽出した物質を添加して香りを出していた大手もあった。
原料の限定と蔵元の長年の技術があってこそ、おいしい油ができるということを忘れてしまっているのだ。