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食品安全でよく耳にする知っておきたい用語の一覧と解説
食品業界には、一般にはあまり使われない言葉がたくさんあります。 通り一遍の用語解説はインターネットでもすぐに調べられますので、少しくだけた用語解説を掲載しましょう。
ID50 | 細菌やウイルス等の定量法の一つ。 |
ISO22000 | 国際標準化機構が出した工業規格で、通し番号 22000の規格の略です。 「安全な食品を生産(製造)・流通・販売するための世界で通用する統一された国際規格」のことです。HACCP(ハサップまたはハセップ)は「安全な食品を生産(製造)するための域内規格」と理解してください。HACCPについては「は」の項でもう少しくわしく説明します。 |
味がおかしい | 消費者からこういう苦情がきた場合、安全上問題があるか、ないかの2通りで考えます。 はじめてその商品を食べた場合、他社類似商品の味に憧れている人、あるいは自身のイメージしていた味と異なる場合、違和感を感じるものです。味がおかしい、変だと言われた場合、その商品を済払いで返送していただき、現物で風味を確認しましょう。その結果、確かに味が迷う場合は原因を探る必要があります。 材料が均一に混ざっていたか、あるいは腐敗していないか。調味料が均一に混ざっていない場合、他の購入者からも苦'情が寄せられる可能性があります。 安全上問題がある場合は、もちろん公表・回収です。 |
アジュバント | ラテン語で「助ける」という意味。不活化ワクチン(死菌ワクチン)等に混ぜて一緒に投与され、抗原を生体内に長時間とどまらせたりすることによりその抗原に対する免疫応答(抗体産生等)を増強する。 |
アフラトキシン | これまでアフラトキシンが検出された食品はすべて輸入食品で、国内製造食品から検出された例はありません。この類のカビは熱帯~亜熱帯にいるようです。 2008年に事故米流通が|話題になりました。輸入米検査でこのアフラトキシンが微量に含まれていた米も一部含まれていました。 |
アルコール | アルコールとは「~ノール」とつく物質の総称です。食品業界で単に「アルコール」と言った場合、多くは「エタノール」のことを意味します。 エタノールは殺菌効果があり、手・食器などの殺菌に広く使われています。エタノールはアルコールの一種で酒の成分です。 食品業界で静閖剤として使うアルコールは、「エタノール+食塩(または酢など)」です。「エタノール」または「エタノール+ 水」では、そのまま飲用にできるものとして、高い税金がかかります。そこで酢や食塩を少量入れることで、飲用不通(まずくって、とても飲めない!)にわざわざした、廉価なアルコール(もちろん健康に害はありません)を使っています。 |
アレルギー | 食品業界でアレルギーと言えば「食物アレルギー」のことを指します。ある種の食品を飲食したときに、何らかの症状が出ることを指します。アナフィラキシーショック(急に重い症状が出る)の場合は命にかかわります。 |
アレルギー反応 | 生体が自己と外来の異物を認識する免疫学的反応が、生体に対して不利に働くこと。 |
アレルゲン | アレルギーを引き起こす食品または食品成分のこと。例えば小麦や小麦タンパクがあります。 密封包装された食品には、食品衛生法で5つのアレルゲン(小麦・卵・乳・そば・落花生)が表示義務となっています。 また表示することが推奨されているアレルゲンは、「あわび・いか・いくら・さけ・さば・牛肉・鶏肉・豚肉・大豆・まつたけ・やまいも・オレンジ・キウイフルーツ・もも・りんご・くるみ・ゼラチン・バナナ」の18種類です。 米に対してもアレルギーを起こす人がいますので、学校給食では自主的に米もアレルゲンとして表示している場合があります。 |
亜急性毒性(亜慢性毒性) | 比較的短期間(通常1か月~3か月程度)の反復投与によって生じる毒性のこと。亜慢性毒性(SubchronicToxicity)ともいう |
安全係数 | 実性等を考慮し安全性を確保するために用いる係数のこと。 |
遺伝子組換え食品 | 遺伝子組換え技術(組換えDNA技術)によって得られた生物を利用した食品(食品添加物を含む。)。遺伝子組換え技術とは、ある生物の遺伝子を人為的に他の生物の染色体等に導入する技術のこと。この技術を応用することにより、作物の生産効率の向上や、有用成分を強化した食品の開発が可能となる。現在、除草作業の効率を高める除草剤耐性作物や殺虫剤の散布を軽減できる害虫抵抗性作物等の遺伝子組換え作物(大豆、トウモロコシ、ナタネ、ワタ等)、遺伝子組換え微生物を利用して製造された酵素等の食品添加物が実用化されている。 |
一般生菌数 | 「食品1グラム中の生きた菌の数」です。この数が少ないほど衛生的な食品と判断します。 |
一般毒性 | 血液検査、尿検査、病理組織学的検査等で観察できる毒性のこと。急性毒性、亜急性毒性及び慢性毒性に分けられる。 |
異物 | 異物は「本来その食品に入っていないはずのもの」です。刻んで入れられるはずのものが大きいまま入っているという場合も、自我からすれば異物です。「変なものが入っている」と感じれば、それは「異なるもの(災物)」になりますのでご注意ください。 |
印字ミス | 印字ミスで多いのは、日付印字の違いです。残念ながら、人はミスをするもの、回収が散発しています。2人で間違いがないか点検(ダブルチェック)、あるいはそれ以上の人数をかけて点検しましょう。 |
陰膳方式 | 調査対象者が一日に実際に食べた食事と全く同じものを分析し、一日の食事中に含まれる化学物質(食品添加物や農薬等)の総量を測定し、食品に由来する化学物質の摂取量を推定する方法のこと。 |
ウイルス | 遺伝情報である核酸とそれを保護するタンパク質からなる最も構造の簡単な微生物の一種。 |
衛生的 | 生きた微生物の付着が少ないことを一般的に「衛生的」と言います。見た目にきれいに見える、汚れていないことを衛生的と言うときもありますが、見た目にきれいでも生きた微生物がたくさん付着していることもありますし、逆に、見た目が汚くても衛生的な状態にあるということもあります。熱などで加熱殺菌している場合です。 そうは言っても、汚れ(食材のカス・油汚れなどの付着した有機物)は微生物のエサになりますので、少量の微生物しか付着していなくても、エサがあると短時間で増えることがあります。 「見た目は汚いが加熱殺菌しているから衛生的」とは考えないほうがいいでしょう。 |
栄養成分表 | 学校給食用や病院給食用に食品を売るときには、「栄養成分を必ず連絡する」ことと健康増進法で定められています。これは実測値か計算値で報告します。実測値は「実際にその食品を機械や薬を使って検査して測定した値」です。 |
X線異物検出機 | X線異物検査機とも言います。食品用のレントゲンです。食品の透視写真が白黒で写し出されます。食品にX線を当てると、固いものは濃い色に映ります。 これで食品に入ってしまった金属片。石・ガラスを見つけることができます。ただしこれらの異物もあまり小さいと、見つけられません。金屈については金属検知器のほうがもっと小さい金属を見つけられる場合もあるようです。 軽い異物は一般に見つけるのはむずかしいものです。次世代として個人的に期待しているのは「テラヘルツによる異物検査機」です。 |
NB商品 | 「ナショナルブランド商品」の略です。製造会社が自社の社名を表示している商品のことです。それに対するのがPB(プライベートブランド)です。製造会社の社名を表示せず、代わりに販売会社の社名だけを表示した商品のことです。PB商品は他販売会社と差別化できる効果が期待できます。 |
LD | 化学物質の急性毒性の指標で、実験動物集団に経口投与等により投与した場合に、統計学的に、ある日数のうちに半数(50%)を死亡させると推定される量 |
エライザ法 | 抗原抗体反応を利用し、試料中に含まれる特定のタンパク質(病原体等)を検出又は定量する分析法の一つ。 |
エンテロトキシン | 黄色ブドウ球菌による食中毒はこのエンテロトキシンによって起こります。黄色ブドウ球菌が食品1グラムあたり100万個以上に超えると毒をつくると言われています。ただし「100万個未満ならいいんだ」ということではありませんので、念のため。 |
塩分 | 塩分と言えば、普通「食塩分」のことです。 |
汚染物質 | 食品や飲料水を汚染する有害物質のことをいう。 |
お詫び | 主に消費者への謝罪文書の表題。事故を起こした場合にはお詫びするだけでなく、謝罪文書を提出することがあります。 |
回収 | 「消費者に売ってしまったものまで回収する」という例は限られます。健康危害が出るおそれのある場合は公表して回収しますが、健康危険を伴わないと判断されるケースでは、店頭にある分・販売元の手元にある分に限定して回収というケースが多いでしょう。 基本的に回収は、自社製品を納価(製造者が販売者または卸業に売った値段)ではなく、売価(販売者が消費薪に売る値段)で買い取ることになります。売った価格のおよそ2倍で買い取ることになりますので、損失は消費者が思っているような額ではすみません。 |
改善報告書 | 問題を起こしてしまった後、設備やチェック体制などを改善し、一連のことをまとめた、取引先などへ提出する報告。 |
貝毒 | 一部有毒なプランクトンを食べて貝の中で蓄積された毒です。 |
加害者 | 善意の第三者(食品法違反の原料と知らずにそれを購入し、販売したり、原料として使用し食品を製造した事業者)は一義的には被害者です。しかしそれらが販売した先の事業者や消費者に対しては加害者の立場です。そのことは心得る必要があります。 |
加工者 | 加工とは「そのものに実質的な変更をもたらさない行為」です。 「魚。食肉・ハム・野菜を切っただけ」「パック詰めしただけ」などが加工になります。こういう加工を行なった事業者を加工者までと言います。 「実質的な変更をもたらす行為」が製造で、その製造を行なった業者を製造者と言います。 |
加工助剤 | 加工助剤とは次のようなもののことです。 食品の加工の際にはほぼ使用されるが、(1)完成前に除去されるもの、(2)その食品に通常含まれる成分に変えられ、その量を明らかに増加させるものではないもの、(3)食品に含まれる姑が少なく、その成分による影響を食品におよぼさないもの。 |
過酸化物価 | 油が悪くなっていないかどうか、の程度を示す。この値が大きくなるほど油脂が悪くなっている、ということになります。油の変蘭の程度を表す仙としては、別に酸化(さんか)というものもあります。 |
芽胞 | ウエルシュ菌やボツリヌス菌、セレウス菌、枯草菌等の特定の細菌が作る細胞構造の一種。生育環境が増殖に適さなくなると、菌体内に形成する。 |
感染経路 | ヒトや動物が微生物等に感染する経路のことで、経口、経気道、経皮等がある。その他、輸血等による血液を介する経路(HIV、B型肝炎、C型肝炎等)もある。 |
カンピロバクター | 一般的には焼き肉店で、とくに「加熱しない」あるいは「半加熱」で提供する場合に、注意が必要な菌です。レバー刺しや鶏肉の刺身で食中毒事例が多いので、提供する場合にはとくに注意が必要です。 しかし加工食品ではあまり関係のない話ですので、どんな菌かということを知微として知っておくだけで十分でしょう。 |
キャリーオーバー | 食品の原材料中に含まれている食品添加物であって、最終製品の食品に残ったとしても、本来の効果を発揮しないと考えられるもののこと。 |
既存添加物 | 我が国の食品添加物の指定制度は、長い間、対象を化学的合成品に限っており、天然物から取り出された食品添加物は指定制度の対象としていなかった。しかし、平成7年に、天然由来の添加物についても厚生労働省が指定する制度になった。このため、移行する時点で販売、製造、輸入、使用されてきた天然由来の添加物が既存添加物名簿に記載され、続けて使うことが例外的に認められた。これら既存添加物については、逐次、規格基準の設定や安全性試験が行われている。 |
急性毒性 | 化学物質の1回の投与(ばく露)又は短期間(24時間以内)の複数回投与によって短期間(一般的には14日以内)に生じる毒性のこと。 |
強調表示 | 例えば「たっぷり」という表現を使った場合、「たっぷりってどのくらい?」「たっぷりの根拠は?」と問われたときには、通常に比べ、○%多く使用しております」といった根拠を言えるようにしておきましょう。 |
金属検知器(金属検出器) | 食品に金属出物が混入していないか、調べる機械です。 |
苦情 | 食品事業者にとっては「苦い情報」「改善報告書作成に苦しめられる情報」「苦い薬」。 消費者にとっては「自己嫌悪を感じる行為」「面倒な行為」「腹立たしい行為」。 |
クレーマー | 商品に不当な因縁をつける人。金品をもらう目的あるいはストレス解消目的で販売店・製造者に苦情をもちこむ人です。 自身に非があるか否か多少なりとも自問する人は間違いなく、クレーマーではありません、善良な消費者です。 しかし本当に商品に異常があって、あるいはあるとして連絡した人が、徐々に態度を硬化することがあります。これは事業側の対応に誠実さが感じられず、不信感・不快感を抱いた場合に見られる傾向です。 善良な消費者が求める誠実さとは「金品」ではありません。文字どおり「心」です。お座なりの対応は厳禁です。謝罪の言葉・お詫び状では気がすまないと思ったら、お詫びの品を添えるのも、ありです。 |
クレーム | 消費者が買った商品に問題があったと、購入店・製造者に連絡すること。苦情とも言う。本来は「正当な申し立て」という意味合いでしたが、最近は「クレーマー(難癖・言いがかりをつける人)」という言葉を連想させる場合もあり、正当な申し立て・言いがかりの両方の意味で使われることがあります。 そこで生協系では「お申し出」という言葉が使われるようになりました。 |
健康増進法 | 急速な高齢化の進展や疾病構造の変化に伴い、国民の健康の増進の重要性が増大していることから、国民の健康の増進の総合的な推進に関し基本的な事項を定めとともに、国民の栄養の改善を始めとする国民の健康の増進を図るための措置を講じ、もって国民保健の向上を図ることを目的とする。 |
検出限界 | 適切な管理・操作の下に、ある分析法(定量試験である必要はない)で検出可能な、検査試料中に含まれる目的物質の最小量又は濃度のこと。 |
検討する・します | 禁句。これは「やらない」「できないかもしれない」と同じな味です。社外には使えない表現です。 |
工場見学 | 消費者の方の工場見学は社会見学ですので、けがをさせないよう、好印象をもってもらえるよう、気をつけることに注意を注ぎます。 取引先が工場を見にくるという場合は視察・調査です。 |
抗生物質 | 食品業界では、畜産・水脈で食用動物を飼う際、病気にかからないよう、餌に混ぜて使うことがありますが、食品製造業では製造には使いません。 原料や製品のカビ検査に抗生物質の1種のクロラムフェニコールを使うことはありますが、製品に混入、付締することはありません。 |
公表 | これは健康危害が出る恐れのある場合に「食べないよう」特定できない職人に広く呼びかけるために行ないます。法令順守意識の高い事業群の場合は、健康の恐れのない違反でも公表・回収するケースがあります。大手企業が販売に絡む場合にはそういうケースも多くあります。 |
公平性 | 追い詰められた中小企業のみが使える「伝家の宝刀」。「業界の慣行」「他社の例を参考に」等、処分するなら公平に、ということを行政側に頼る戦法です。厳格な処分・対処をされる瀬戸際に、身の破滅というときにのみ使う捨て身の戦法です。 行政に食ってかかるには、それほどの覚悟が必要です。 |
コンプライアンス | 「要求・命令等に従うこと、応じること」を示す英語。法律や規則を守ることをいうが、社会的規範や倫理までを含める場合もある。 |
交差汚染(二次汚染) | 調理済み食品が原材料と交わって、微生物等の病原因子によって汚染されること等を意味し、二次汚染ともいう。 |
抗菌性物質 | 細菌を始めとする微生物に対して抗菌活性(殺菌作用、静菌作用等)を示す化学物質で、抗生物質及び合成抗菌剤をいう。 |
酵素 | 生物が物質を摂取してから排泄に至るまで、生体内で起こる化学反応の多くに関与しており、生命の維持や活動に不可欠なもの。 |
サーベイランス | 疾病対策に必要な情報を得て、迅速な対応に利用するために、疾病の発生状況やその推移等を継続的に調査・監視すること。 |
サプリメント | 「健康補助食品」、「栄養補助食品」と訳され、主にビタミンやミネラル、アミノ酸等、日頃不足しがちな栄養成分を補助等が行われておらず、安全性が確保されていないことに留意が必要である。 |
最小影響量 | ある物質について、一日摂取許容量(ADI)や耐容一日摂取量(TDI)等を設定する際、無毒性量(NOAEL)に対して、更に動物の種差や個体差、不確 |
最小毒性量 | ある物質について何段階かの異なる投与量を用いて行われた反復毒性試験、生殖発生毒性試験等の安全性試験において、生物学的な影響が観察される最小投与量(濃度)のこと。 |
細菌 | 核膜のない原核生物に属する単細胞の微生物の一種である。 |
細菌検査 | 食品の安全性を確認する雌本検査は、′R能検査(食味検査)と細菌検査です。これ以外の安全性に関する検査は、高細な機械設備・特殊な薬品・高度な検介技能者が必要になります。大手以外ではなかなか手が出せません。 官能試験・検査には科学的論理的手法もありますが、単純に「食べる」ということがまず大切です。 |
サルモネラ | 肉・卵・牛乳を使用する場合、注意が必要になる食中毒です。 |
酸化 | 一般的に使われる意味は、時間がたつにつれ、空気中の腰素がついて物質が劣化することです。 |
酸価(さんか) | 酸化を書き間違ったわけではありません。油が悪くなっていないか、その程度を示す値です。この値が大きくなるほど油脂が悪くなっている、ということになります。 |
産地偽装 | 産地偽装は大別して3種類。 (1)価格の安い産地の食材を価格の高い産地の食材と偽って販売するケース。不当な利益が発生する。 ②消費者が安全性を不安視している産地の食材を、安全性が不安視されていない産地の食材と偽って販売するケース。多くの場合、不当な利益が発生する。 ③取引先から特定の産地の食材を求められ、数が集まらず他産地の食材を偽って供給するケース。 ①は悪質。②は在庫を抱えた業荷が追い詰められてやってしまう可能性もあります。不当な利益を得ることを目的として行なうケースもありますが、在庫をさばくことが目的だったが、結果として不当な利益を得たというケースもあります。 ③は取引先に迷惑をかけたくない、今後取り引きしてもらえなくなるのではないか、そういう心でやってしまうのかもしれません。 |
GMO(ジーエムオー) | 食品業界で使うGMOとは「遺伝子組み換え作物」の意味で、「GeneticallyModifiedOrganism」の略です。non-GMO(ノンジーエムオー)や非GMOは「遺伝子組み換えされていない作物」の意味で使われます。 |
事故 | 食品業界で「事故」とは、一般に「違反・クレームとなったミス」のことです。 |
失活(しっかつ) | 酵素が働かなくなったり、ウイルスが増殖できなくなった状態を失活と言います。「活動を失う」という意味で、生物の場合の死に該当します。 |
指定添加物 | 厚生労働省が安全性と有効性を確認した食品添加物。指定添加物、天然香料、一般飲食物添加物のみ。 |
自然毒 | 植物又は動物の体内で自然に産生又は蓄積される毒のことであり、それぞれ植物性自然毒、動物性自然毒と呼ばれる。 |
実質安全量 | 閾値が存在しない遺伝毒性発がん物質等の毒性に対し、生涯にわたり摂取した場合のリスクが、許容できるレベルとなるようなばく露量のこと。 |
消費期限と賞味期限 | 食品の期限表示には、消費期限(品質が急速に劣化しやすい食品が対象、(例:弁当、サンドイッチ、生めん等)と賞味期限(品質の劣化が比較的遅い食品が対象、例:スナック菓子、カップめん、缶詰等)の2種類があり、ともに包装を開封する前の期限であること、定められた方法により保存することを前提としている。「消費期限」は、定められた方法により保存した場合において、腐敗、変敗その他の品質の劣化に伴い安全性を欠くおそれがないと認められる期限を示す年月日である。「賞味期限」は、定められた方法により保存した場合において、期待される全ての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日のことをいう。 |
商品規格書(商品カルテ) | これは商品の取引で製造荷が商談先に提出する「商品の説明書」です。「食の安全」が言われるようになるまでは提出を求められないこともありましたが、現在では当たり前になりました。 |
食品衛生監視票 | 学校給食などの入札に応募する際、提出を求められます。これは保健所に「学校給食の入札に必要なため、食品衛生監視票の交付をお願いします」と頼みます。 交付申請書に記入して保健所に提出すると、保健所の食品監視官が工場を見にきてくれます。そして工場内に入り、各所の衛生状況をチェックし、採点票を後日交付してくれます。入札の条件として、「85点以上」とか「90点以上」という入札参加に必要な点数が決まっていますので、その点数以上でなければ入札に参加できません。 |
食品衛生管理者 | 業種のうち、下記の商品を製造する業種については食品衛生管理者の設置が必要です。 ・全粉乳・加糖練乳・製粉乳・食肉製品・魚肉ハム ・魚肉ソーセージ・放射線照射食品・食用油脂・マーガリン ・ショートニング・規格が定められた添加物 食品衛生責任者は講習を受ければ誰でもなれますが、食品衛生管理者になるためには、実務経験者あるいは食品関係の大学卒業者であることが条件になっています。 |
食の安全ダイヤル | 幅広く消費者等から食品の安全性に関する情報提供、問合せ、意見等をいただくとともに、食品の安全性に関する知識、理解を深めていただくことを目的として、食品安全委員会が平成15年8月1日から設置している。 |
食育 | 現在及び将来にわたり、健康で文化的な国民の生活や豊かで活力のある社会を実現するため、様々な経験を通じて、国民が食の安全性や栄養、食文化等の「食」に関する知識と「食」を選択する力を養うことにより、健全な食生活を実践することができる人間を育てることをいう。 |
食中毒 | 食品に起因する胃腸炎、神経障害等の中毒症の総称で、その原因物質によって微生物性食中毒、自然毒食中毒(毒キノコ、フグ毒、かび毒等が原因)、化学物質による食中毒、その他のもの(寄生虫等)、原因不明なものに分類される。微生物性食中毒は細菌性食中毒とウイルス性食中毒に分けられ、このうち細菌性食中毒は、感染型と毒素型に分類される。 |
食品安全基本法 | 食品の安全性を脅かす事故が相次いで発生し、食品の安全に対する国民の関心が高まっていることに加え、世界中からの食材の調達、新たな技術の開発等の国民の食生活を取り巻く情勢の変化に的確に対応するため、食品の安全性の確保についての基本理念として、国民の健康保護が最も重要であること等を明らかにするとともに、リスク分析(リスクアナリシス)の考え方を導入し、食品安全行政の統一的、総合的な推進を担保し、そのためにリスク評価の実施を主たる任務とする食品安全委員会を設置すること等を規定している。 |
食品衛生法 | 食品の安全性の確保のために公衆衛生の見地から必要な規制を講じることにより、飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し、もって国民の健康の保護を図ることを目的とする。 |
食品添加物 | 食品添加物は、食品を加工する際、保存性を高める(酸化防止剤としてのビタミンC等)、色、味、香りを良くする(かまぼこの赤い色、ソフトドリンクの香り等)、(ソース等に)とろみをつける等のために添加される。豆腐の製造に必要な「にがり」も食品添加物であり、かんきつ等の輸送中のカビ発生防止のために使用される農薬も食品添加物として規制されている。 |
食品添加物公定書 | 食品添加物の品質確保のために、厚生労働省が、食品添加物を使って食品を作る時に守らなければならない対象食品や量に関する基準)、表示基準(添加物を使用した製品に表示する内容を決めた基準)等を定めたもの。 |
食品表示法 | 販売の用に供する食品に関する表示について、基準の策定その他の必要な事項を定めることにより、その適正を確保し、もって一般消費者の利益の増進を図るとともに、食品衛生法、健康増進法及びJAS法による措置と相まって、国民の健康の保護及び増進並びに食品の生産及び流通の円滑化並びに消費者の需要に即した食品の生産の振興に寄与することを目的とする。 |
スクリーニング | 健康・医療の分野では、迅速に実施可能な検査・手技を用いて疾病や障害を持つ人を暫定的に識別することをいう。 |
すっぱい(酸っぱい) | 「すっぱい味がする」。商品が変質していた場合に、こういうクレームがくることがあります。食品は一般に変質すると酸性に偏ります(pH(ピーエッチまたはペーハー)が下がります。そのため味がすっぱくなります。 |
生殖毒性(繁殖毒性) | 生殖発生毒性のうち親世代に対する毒性のこと。受精、性周期、受胎能、妊娠、分娩、哺育のいずれかに悪影響を生じることを指す。繁殖毒性ともいう。 |
製造者 | 製造とは「材料そのものに実質的な変更をもたらす行為」です。 複数の原料を練り合わせる、加熱するといった、一般に「つくる」作業を製造と言います。 |
製造所固有記号 | 食品業界では固有記号とも言います。その商品を製造した会社・工場・住所を表す記号です。この記号は厚生労働省に届け出ることになっています。 その商品がどこの会社・住所でつくられたか?という情報は、販売者は把握していますが、消費者には伝わりません。 値段が安く質が良い品を知名度の高い会社が製造している場合があります。そういう場合、「えっ!こんなに安い値段○○会社の商品を売っているんだ」と知れると、他の値段の高い会社の商品が売れなくなったりします。そういう場合、製造者名・製造住所消費者に知られたくないということで固有有記号を使うこともあります。 |
精度管理 | 検査機関等による、試料の採取から目的物質の測定結果の報告までの一連の作業(検査)について、「一定の水準が維持されているか」、「他の施設との互換性があるか」を担保するための管理・判断の仕組みのこと。 |
耐容上限摂取量 | ある物質について何段階かの異なる投与量を用いて行われた反復毒性試験、生殖発生毒性試験等の毒性試験において、有害影響が認められなかった最大投与量のこと。 |
トータルダイエットスタディ | 市場で売られている広範囲の食品を対象とし、食品添加物や農薬等が実際にどの程度摂取されているかを把握するために、加工・調理によるこれらの物質の増減も考慮に入れて摂取量を推定する方法。「マーケットバスケット方式」と「陰膳(かげぜん)方式」の2種類がある。 |
トランス脂肪酸 | 孤立したトランス型の炭素-炭素二重結合を持つ不飽和脂肪酸の総称で、共役二重結合を持つ脂肪酸はトランス脂肪酸に含まれない。 |
トレーサビリティ | 食品のトレーサビリティは、農産物や加工食品等の食品が、どこから来て、どこへ行ったか「移動を把握できる」ことをいう。 |
定量限界 | 適切な管理・操作の下に、ある分析法で目的物質の定量(検査試料中に目的成分がどの程度含まれているかの計測)を行った場合に、定量検知が可能な最小値、又は濃度のこと。 |
動物用医薬品 | 家畜や養殖魚等の病気の治療や予防のために使用される医薬品のことで、作用別に、抗生物質、合成抗菌剤、寄生虫駆除剤、ホルモン剤、ワクチン等に分けられる。 |
特殊毒性 | 特殊な投与方法(吸入、経皮等)による毒性や、特殊な観察法(遺伝毒性、発がん性、生殖毒性、発生毒性等)で評価する毒性のこと。 |
特定保健用食品 | 体の生理学的機能等に影響を与える保健機能成分を含む食品で、血圧、血中のコレステロール等を正常に保つことを助けたり、おなかの調子を整えたりするのに役立つ等の特定の保健の用途に資する旨を表示するもの。特定保健用食品として販売するためには、製品ごとに食品の有効性や安全性について審査を受け、表示について国の許可を受ける必要がある。食品安全委員会は安全性の審査を担当している。健康増進法第26条に基づく制度。 |
ノックアウトマウス | ある遺伝子機能の発現を欠損させたマウスをノックアウトマウスといい、遺伝子欠損マウス、遺伝子ターゲッティングマウスともよばれる。 |
ノックインマウス | 特定の遺伝子を、染色体上の特定の位置に導入されたマウスのこと。 |
農薬 | 農作物等に害を与える細菌やカビ、雑草、害虫又はネズミの防除*及び植物の生育の調整、収量や品質の維持のために使われる薬剤を「農薬」という。 |
農薬登録 | 農薬取締法に基づき、農薬の登録を行う制度。農薬登録を受けなければ、我が国で製造、輸入又は販売を行うことはできず、農薬として使用することができない。 |
ノロウィルス | 食中毒の原因となるウイルスです。85℃・1分間以上の加熱で無害化します。 |
培養 | 食品にどのような種類の生きている微生物がどのくらいの量含まれているのかを調べる際、「栄養満点にした寒天・ゼラチンに調べたい食品の一部を混ぜ、容器に入れて一定の温度で一定時間置いておくこと」を「培養」と言います。 |
HACCP(ハサップ) | 食品の衛生管理システムの一つ。「危害要因分析重要管理点」ともいう。 |
バイオテクノロジー | 「バイオロジー」(生物学;Biology)と「テクノロジー」(科学技術;Technology)を合成した言葉で、「生物工学」又は「生命工学」等と訳される。生物又はその機能を効率的に利用、応用する技術のことで、遺伝子組換え、細胞融合、組織・細胞培養技術等が含まれる。 |
敗血症 | 体内に入った病原菌の感染による影響が全身に及んだ重い症状を引き起こした状態のこと。 |
発がん性 | ある物質を生体内に摂取することによって、その影響で体内に腫瘍を発生させる(イニシエーション作用)、又は発生を促進する(プロモーション作用)性質のこと。 |
pH(ピーエイチまたはペーハー) | pH7未満が酸性。pH7より数字が火きいとアルカリ性です。 梅干しをはじめ、ほとんどの食品は酸性です。 |
PE(ピーイー) | ポリエチレンの1片。食品の包装材に使われるプラスティックの一種。 |
PET(ペット) | ポリエチレンテレフタレー1片。食品の包装材に使われるプラスティックの一種。 |
PS(ピーエス) | ポリスチレンの1片。食品の包装材に使われるプラスティックの一種。 |
PP(ピーピー) | ポリプロピレンの1片。食品の包装材に使われるプラスティックの一種。 |
PB商品 | プライベートブランド商品です。NB(ナショナルブランド)に対する。製造会社の社名を表示せず、代わりに販売会社の社名だけを表示した商品のことです。一般に、質がよく、かつ安いという特徴があります。 |
微生物 | 食品業界では、(微生物)=(細菌)+(カビ・酵母)です。 |
ヒスタミン | 青魚で問題になることがあります。青魚に含まれるアミノ酸の1種であるヒスチジンがある種の微生物によってヒスタミンに変わります。ヒスタミンは熱に強いので、いったんこのヒスタミンができてしまうと、焼く・煮る・揚げるといった加熱調理をしても壊れません。 |
飼料添加物 | 家畜や養殖魚用飼料の安全性確保と品質維持のため、1)飼料の品質低下を防止する(防かび剤、抗酸化剤、乳化剤等)、2)飼料の栄養成分や有効成分を補給する(ビタミン、ミネラル、アミノ酸等)、3)飼料に含まれる栄養成分の家畜への有効利用を促進する(抗生物質、合成抗菌剤、酵素、生菌剤等)ことを目的として用いられる物質。 |
微生物 | 直接肉眼では見ることができず、顕微鏡等で観察される微小な生物の総称である。 |
フードチェーン | 食品の一次生産から販売に至るまでの食品供給の行程のことをいう。食品供給行程の各段階であらゆる要素が食品の安全性に影響を及ぼす可能性があるため、各段階で必要な対応が適切に取られるべきである。 |
フードディフェンス | 人の健康や食品に悪影響を及ぼす病原微生物、毒物、金属片等の異物の意図的な混入から、国民や食品を守るための対策。 |
風評被害 | 風評被害は自社努力では何ともしえない、人災です。多くは消費者の不安によって広がりますが、影響はそのときどき、ケースバイケースです。 |
腐敗 | 食品中で微生物が増えて、人間にとって好ましくない状態になること。食した場合、必ず人体に有害に作用するということではありませんが、食中毒症状を起こす可能性が高いと思ったほうがいいでしょう。納豆やヨーグルトはどちらも美味しいものですが、それが食文化にない人にとっては腐敗と思うかもしれません。 微生物が増えて、人間にとって好ましい状態になることは「発酵」とか「熟成」と言います。 |
不飽和脂肪酸 | 脂肪酸の中で炭素と炭素-炭素二重結合を一つ以上持つもの。 |
飽和脂肪酸 | 脂肪酸(末端にメチル基を、一方の末端にカルボキシル基を持つ)の中で、炭素-炭素二重結合を全く持たないもの。 |
変色 | 「出荷時点では異常がなかったのに、消費背からまだらに色がついている、一部に色がついている」という苦情を受けることがあります。異物が付着している場合もありますが、まさに色だけついているという場合、その原因は何でしょう。 出荷するときの検品では確かに色はついていなかったという確信がある場合、その食品に含まれる複数の成分が「時間経過とともに」または「食べるときの加熱」で反応し、色が発現したというケースがあります。 |
胞子 | きのこやカビなどの袋に包まれた種という意味。 |
保存温度変更者 | 業者間で冷凍流通する食品を解凍して販売する場合、解凍して販売する人・事業者を保存温度変更者と言います。 冷凍(-18℃以下)での賞味期限5日の食品を、解凍してチルド(5℃以下)で販売する場合には、解凍した日から「消費期限2日後」というように期限を変更します。 |
マーケットバスケット方式 | 食品添加物や農薬等を実際にどの程度摂取しているかを把握するため、スーパー等で売られている食品を購入し、その中に含まれている食品添加物 |
慢性毒性 | 長期間(通常6か月以上)の反復投与によって生じる毒性のこと。 |
無作用量 | ある物質について何段階かの異なる投与量を用いて行われた反復毒性試験、生殖発生毒性試験等の毒性試験において、毒性学的な有害影響が認められた最小投与量のこと。 |
無毒性量 | ある物質について何段階かの異なる投与量を用いて行われた反復毒性試験、生殖発生毒性試験等の毒性試験において、生物学的な影響を示さなかった最大投与量のこと。 |
免疫増強剤 | 生体の免疫応答を全般的に高める物質であり、アジュバントと異なり、投与すると生体の免疫応答が全般的に増強され、抗原の感染に対する抵抗性の増強等が起こる。抗原と一緒に注射され、その抗原に対する免疫を高める。 |
毛髪混入 | もっとも多い異物混入の苦情がこれです |
薬剤耐性 | 薬剤等(化学療法剤、抗生物質、合成抗菌剤、消毒剤等)に対して、感受性を示さない(薬剤が効かない)性質のことを一般に「薬剤耐性」という。 |
ワクチン | 生体が持っている「免疫」のシステムを利用して、あらかじめ感染症に対する「免疫力」を作らせて予防することを目的とした医薬品。 |
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